西村賢太「苦役列車」 | 近江の物語を君に捧ぐ

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近江を舞台に、近江に生きる人を主人公にした小説をひたすら書き続けている近江人、木村泰崇のブログ。

先日、久しぶりに
小説家の西村賢太の文章を
朝日新聞で読んだ。




春、出逢いと別れ、
新しいスタート。
その旅立ちの若者に向けての
西村賢太からのメッセージである。


それにしても
西村賢太。

西村賢太が「苦役列車」で
芥川賞を受賞したのは
今から10年ほど前である。
(懐かしい‼️)
本屋に走り「文藝春秋」を買って
読んだ記憶がある。
そして
審査員の一人の山田詠美が
「西村賢太の作品は
プリティだ」と、彼女らしい
褒め方の批評を書いていたことも
記憶している。

それにしても
西村賢太。

西村賢太の学歴は中卒である。
(あの永山則夫と同じだ‼️)

西村賢太の父親は
強盗強姦事件で逮捕され
刑務所に入っていて、
西村賢太の両親は
彼が幼い頃に離婚し、
いわゆる
フツーの人並みの暮らしというものから
無縁の環境の中で育ってきている。
中学校も途中から
不登校となっている。


しかし、
この現代日本の
もうまるで
確立しきったような社会の中で、
育ち、学歴、経歴、
逮捕歴(西村賢太も2度逮捕されている)、
………そういったものとは
いっさい関係なく、
頂点、トップにまで
かけ上がることができる職業は
小説家と
ボクシングの世界チャンピオン
くらいしか
ないのかもしれない………。

小説の世界なら
中学校にもろくに
行ってなくて
学校の成績もほとんど1だった
西村賢太が、
たとえば
東京大学や京都大学の文学部を
卒業している優秀な人たちにも
勝つことができる………。


今、スポーツの世界においても、
野球にしろサッカーにしろ、
水泳にしろ卓球にしろ……
幼い時から
名門スポーツクラブや
高校野球の名門校なんかで
手厚い親のサポートつきでもって
英才教育を受けない限り
なかなか
その世界のトップにまで
かけ上がれない。
スポーツの世界において、
育ち、学歴、経歴……など
まったく無関係に
テッペンまでかけ上がれるのは
今やもう
ホントに
あの「あしたのジョー」じゃないが、
プロボクシングの世界だけに
なってしまった感がある。


小説家と
ボクシング、
その点で
やっぱり
いいね‼️

一夜にして
シンデレラ‼️の夢が
まだ
この21世紀の日本にも
しっかりと残っている。