春風駘蕩と、他の土地の言葉を使うこと。 | 近江の物語を君に捧ぐ

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近江を舞台に、近江に生きる人を主人公にした小説をひたすら書き続けている近江人、木村泰崇のブログ。

今、地元の図書館で借りてきた
宮本輝の
「睡蓮の長いまどろみ」
(文藝春秋)
を読んでいる。




今、上巻を終えて、
下巻に入ったところである。

上巻の終わりのほうに、
「春風駘蕩」という
言葉が出てきた。

自分は
春風駘蕩のような
生き方に
あこがれていた…………と、
登場人物の一人が言う。


このページを
読んでいた私の頭に
クエスチョンマークが
飛び交う。笑。

えっ‼
「春風駘蕩」って
どういう意味なんだ?笑。


四字熟語。
あの
お相撲さんの世界では、
大関とか横綱に
昇進する時、
力士は
その挨拶で
私が
まったく知らない
難しい四字熟語を
しばしば使うが、
小説家志望の私が読書している時も、
まったく意味不明の
四字熟語に
小説の中で出会うのは
恥ずかしながら
もう
しょっちゅうである。

春風駘蕩…………
へぇー、
こんな言葉があったんだと、
感心しながら、
その意味を
スマホで調べた。


それにしても、
スマホは便利だ。
私は
本を読みながら、
情けないことに
実によく
わからない言葉の
意味を調べている。


………………


下巻の最初のところを
読んでいて、
気になったことがある。

実は
これは、
宮本輝さんの小説を読んでいる時、
けっこう思うことで、
正直
私は
かなり気になることである。


それは、
宮本輝さんの小説に
出てくる
登場人物が
東京在住者である場合、
その登場人物が話す
東京弁が
あきらかに
ヘンなのだ❗

はっきりと言うと、
もう
笑ってしまうくらいに
不自然きわまりない。


たとえば、
これは
この
「睡蓮の長いまどろみ」の
下巻のはじめの場面で、
70代の父親に対して
40代の東京に住む息子が
話しているシーンがあって、

「そんなこと思い出したら、
よけい眠れなくなるぜ。
いい気分に酔ったところで、
何もかも忘れて
寝ちゃおうぜ」

っていう40代の息子の
セリフがあるが、
40代のいい大人が
父親に対して、
「眠れなくなるぜ」
とか
「寝ちゃおうぜ」
なんて
「………………ぜ」
なんて言い方、
東京では
もう絶対にしない!!!

ありえない❗

宮本輝さんは
ずっと
関西に住んでいる作家だから
この辺り、
仕方ないことかもしれないが、
まわりの編集者は
何をやってるんだろう⁉
って
思ってしまう。
(まるで、安部総理を
取り囲む
アベノマスクや星野源の動画への
返しをアドバイスした
アホなスタッフたちみたいだ)

宮本輝さんの
小説の中に登場する
東京在住者のセリフは
ホントに
いつも
笑ってしまうほどに
不自然だ。


私は
宮本輝さんのファンであるだけに、
その点が
悲しい………