2024年7月 伊奈川ダムから空木岳・南駒ケ岳・越百岳を周回してきました。
今回の行程
【1日目】
06:00 伊奈川ダム下ゲート スタート
06:35 今朝沢橋
07:48 金沢土場
08:11 うさぎ平 [休憩 10分]
09:18 北沢(六合目渡渉地点)
10:34 七合目
10:48 仙人の泉 [休憩 7分]
11:39 八合目
12:17 見晴場 [休憩 18分]
13:18 義仲の力水
13:33 木曽殿越
15:47 空木岳 [滞在 4分]
15:58 駒峰ヒュッテ 泊
歩行距離 16.2km
【2日目】
駒峰ヒュッテ スタート
空木岳
赤梛
南駒ケ岳
仙涯嶺
越百岳
越百小屋
上のコル
下のコル
伊奈川ダム下ゲート ゴール
歩行距離 14.5km
【1日目】
(伊奈川ダム下~駒峰ヒュッテ)
伊奈川ダム上流での土砂崩れによる道路復旧の為、一般車両通行止めということで、ダムの下流側にある路肩の駐車スペースに車を止めてスタートです。すぐ先の橋にゲートが設置されています。
伊奈川ダムを過ぎると砂利道になり、登山口の駐車場を過ぎた所に今朝沢橋があります。
更に林道を40分程歩くと沢が道路を横切っていました。土砂崩れで道路下の導水管が詰まってしまったようです。梅雨末期のせいか水量が多く、このまま道路を通れないので右側の沢の岩を伝って渡渉しました。
渡渉から30分程で林道が分岐します。伊那川林道本線はまっすぐ行きますが、この金沢土場から右の支線へ行きます。
金沢土場から15分程行くと小さなダムがあり、更に少し行くとうさぎ平に出ました。林道の緩い坂道をダラダラと2時間以上歩いてきましたが、ここから本格的な登山道になります。
うさぎ平から登山道に入るとすぐに急登が始まります。
20分ちょっとで尾根に出、更にアップダウンしながら30分程行くと下り坂になり、沢音が大きくなってきました。東川に下りて来た所に北沢の看板がありました。この先で渡渉です。
増水時には渡れないと言われていたので、今朝まで降っていた雨の影響を心配していましたが、何とか渡ることができました。
東川を渡るとまた急登です。
30分程登ると尾根に出、更に登っているうちにだんだんガスってきました。
途中でポツポツ降ってきたのでザックカバーをして、更に尾根を登っていくと七合目の看板がありました。
七合目から少し行くと道沿いに仙人の泉がありました。細いパイプの下の石にコップが置いてあります。流れ出る水を汲んだら若干砂が混じっていたので、コップの底に沈澱させてから飲みました。
急登の正面に八合目の看板がありました。ここで休憩の予定でしたが、休めるようなスペースもないので、ここはスルーしていきます。
八合目の先で稜線から逸れて、小さなピークの北を巻いていきます。
登山道から少し引っ込んだ所に見晴場があります。看板の向こうが少しだけ開けていますが、今日はガスって何も見えませんでした。この平坦地で休憩していきます。
見晴場の先でポツポツと再び雨粒が落ちてきましたが、どうせシャツは汗で濡れているのでそのまま登っていくと、20分程行った所で雨は本降りになってしまいました。あわててカッパを着て少し行くと義仲の力水がありました。
歩を速めて木曽殿越の山荘に到着。4年前に寄った時と同じく、倉庫の前で一旦雨宿りしながら相棒を待ってすぐに出発です。
空木岳に向けて30分程登っていくと、雨は止んできたものの、今度は強風です。
少しずつガスも晴れてきて、振り返ると下の方に木曽殿山荘も見えました。
木曽殿山荘から1時間程かけて、岩稜帯のR14ピーク(2782m地点)に出ました。
R14の岩稜を相棒が越えてきました。
R14を越えると一枚岩のピークの下を巻く、丸太のハシゴが見えてきます。
更に鎖場や鉄のステップのついた岩稜地帯を乗り越えていきます。
また一瞬ガスが晴れてきましたが、まだ山頂が見えません。
岩の斜面に付けられた丸太が濡れていて、恐る恐る越えていきます。
だいぶコースタイムをオーバーして、ようやく空木岳(2864m)に到着です。強風は止まず、ガスってもいるので、長居はできません。
空木岳山頂から今日の宿はすぐそこです。
ザレザレの急斜面につけられた階段を下って駒峰ヒュッテに到着しました。
【2日目】
(駒峰ヒュッテ~越百岳~伊奈川ダム下)
05:22 駒峰ヒュッテ スタート
05:31 空木岳 【滞在 5分】
06:33 赤梛 【滞在 4分】
07:17 南駒ケ岳 【休憩 30分】
09:11 仙涯嶺 【休憩 13分】
10:30 越百岳 【休憩 18分】
11:24 越百小屋 【休憩 9分】
12:15 水場分岐
12:48 おこじょ平
12:57 上のコル
13:14 下のコル 【休憩 17分】
13:39 水場 【休憩 8分】
15:18 伊奈川ダム下ゲート ゴール
歩行距離 14.5km
一晩中吹き荒れた暴風は、少しは和らいだものの、小屋の外に出ると今朝も強い風にさらされます。しかし朝5時過ぎ、デッキに立つと伊那盆地が一望できました。
しばらく小屋の周りをウロウロしているうちに、木曽御嶽山に朝日が当たってきました。
いよいよ2日目スタートです。まずはすぐそこの空木岳山頂を目指します。
滑りやすい砂のような急坂を登って、すぐに空木岳山頂です。
風は強いけど天気はバッチリ。宝剣岳の向こうに北アルプスが見えました。
駒峰ヒュッテのずっと向こうに八ヶ岳・蓼科山、右の方には甲斐駒ヶ岳から始まる南アルプスが見えます。
北アルプスをよく見ると槍の穂先が見えました。
塩見岳の向こうには富士山が頭を出しています。
御嶽山の向こうに白山。
空木岳山頂は強風を遮るものもないので、南に続く稜線に向かうことにします。
花崗岩が砕けた細かい砂利の道を行き、岩の間を抜けていきます。
だいぶハイマツが多くなってきました。この先のピークに柱のような物が見えます。
赤梛(2798m)に到着です。
雲間から差し込む光の筋。眼下には伊那盆地。その向こうには甲斐駒・仙丈、白根三山、富士山をバックにした塩見岳、更に赤石岳・聖岳・光岳と続く南アルプスが一望です。
赤梛からは擂鉢窪の避難小屋が見えます。すぐ横に崖が迫ってます。
赤梛から少し行った所にある岩に赤梛のプレートがついていました。
赤梛から下ってくると鞍部に看板の跡があります。
擂鉢窪への分岐の看板跡のようです。避難小屋方面は立入禁止です。
右上の方に標柱が見えてきました。
南駒ヶ岳(2841m)に到着です。
風も少し弱まってくれ、360°の絶景を拝みながらしばしの休憩です。
いつまでも見飽きることのない絶景に後ろ髪を引かれる思いで、山頂を後にします。
谷底に吸い寄せられそうなザレ場には、強風によってきれいな風紋ができていました。
南駒ヶ岳から15分程の緩やかなピークにコンクリート杭と木柱がありました。しかし何かはわかりませんでした。
まだまだ岩稜帯が続き、ハイマツが深くなってきました。この先から稜線の東側を下ります。
稜線の東側は、さっきまでと打って変わって風がなく、日当たりがいいので急に暑くなりました。背丈を越えるハイマツを掻き分けて行くと、砂地の急坂がありました。
タイミング悪いことにこの細い急坂の途中で、大先輩の団体さんに出くわしてしまいました。なかなか登ってきてくれないので、待つついでにここで着ていたカッパを脱いで、暑さから解放されました。
また稜線に出てきました。あの岩峰の下の背の高いハイマツを掻き分けて行きます。
岩峰を越えても、また切り立った巨岩の下を抜けていきます。
また稜線に上がってきました。この先の岩山が仙涯嶺(2734m)です。
仙涯嶺の裏側から回り込むように登ってみると、ピーク付近には標柱や看板はありませんでした。休憩するような広いスペースはありませんが、リュックを下して後続の相棒を待ちます。
まだまだ深いハイマツ帯が続きます。
岩稜を越えると越百山への稜線の全容が見えました。小蓮華を思わせる稜線を見ていると、坂の上の雲のエンディングロールが頭の中に流れてきました。
山頂手前の小さなピークを巻いて、越百山へのラストスパートです。
山頂到着、と思ったら、向こうの少し低い所に山頂標柱が建っていました。
越百山(2613m)山頂に到着です。
ここも南アルプスが一望です。
それでは下山です。まずは眼下の越百小屋を目指します。
下り始めてすぐ、枝や葉っぱがじゃましてくる森になります。
越百山からはすぐそこに見えた越百小屋でしたが、かなり時間がかかってしまいました。
越百山を眺めながら休憩します。小屋のおやじさんが、「今日梅雨明けしたねえ」と教えてくれました。昨日とは全く違う好天の理由がわかりました。
向こうが南駒ケ岳です。
越百小屋の先も枝や葉っぱや根っこがじゃまする細い道が続きます。
こういう歩きやすい道は一瞬です。
登山道を雨水が流れて大きな段差ができていたり、そこに根っこや倒木があったり。かなりハードな下山です。
向こうに水場の看板がありました。と言っても、ここから折り返すように沢に下っていかないといけないようです。ここでの給水は諦めて、まっすぐ下山します。
周辺には笹が多くなってきました。
おこじょ平を通過。おこじょがいそうな場所でもなさそうですが。
上のコルから登り返します。
やせ馬の背では少しだけ細い尾根になっています。
下のコルに到着。休憩を先延ばしにしてきたので、ここで倒れ込むように休憩です。
疲れが取れていませんが、いつまでも休んでいられないので、下のコルを出発します。いくつか折り返して下っていくとチョロチョロと水音がしました。
折り返しの所に待望の水場がありました。2本のペットボトルを水で満たし、顔を洗ってサッパリ。気分を新たに下山を続けます。
福栃橋が見えてきました。ここから林道歩きです。
細かい砂利の緩い坂をダラダラ下っていきます。
ようやく今朝沢橋に戻ってきました。
今朝沢橋のゲートを過ぎ、昨日通った道を行きます。
一般車両は通行止めですが、道路の崩落箇所はだいぶ復旧が進んでいます。
伊奈川ダムが見えてきました。もうフラフラです。
明りのない真っ暗なトンネルをくぐります。
トンネルを抜けると4分で橋につけられたゲートが見えてきました。
ゲートをくぐるとすぐに路肩の駐車スペースです。ようやくゴールできました。