- ボクの音楽武者修行 (新潮文庫)/小澤 征爾
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言わずと知れた音楽の巨匠・小澤征爾
彼は24歳のとき、貨物船に乗り、ひとりヨーロッパへ音楽家になるための旅をはじめる。
パリ、ロンドン、ベルリンを全力で駆け抜け、ニューヨークフィルの副指揮者となって日本へ凱旋帰国する26歳までの旅を当時の彼がつづった書。
ニューヨークフィルの正指揮者であるバーンスタインは、日本を訪れて、彼に言う
「セイジ、お前は幸福な奴だ。こんな美しい国で育ったなんて……。それなのになんでニューヨークなどに住む気になったんだい?」
これにたいして、彼はこう語る
ぼくも日本を美しいと思わないわけではない。ただ西洋の音楽を知りたくて飛び出して行ったのだ。その結果、西洋の音楽のよさを知り、また日本の美しさも知るようになった。ぼくはけっして無駄ではなかったと思っている。それどころか、今後も日本の若者がどしどし外国へ行って新しい知識を得、また反省する機会を得てもらいたいと思っている。
これが、実に1959年の話、ということに驚く。
それから約50年。確実に世界は小さくなり、あらゆる情報が一瞬にして世界を駆け巡る時代となったが、一方、日本の若者の世界に対する意識は、昔とそれほど変わっていないように感じる。
旅行ではなく、なんらか目的を持った旅として、世界を感じることは、その後の人生にとってすごく重要な意味を持つことだなぁ、と、改めて感じる。
帰国のとき、ぼくはどんな気持ちでいるんだろう。



