東京富士美術館で好評の特集展示「シルクロードと日本」(明年2月まで開催)2023年12月1日

  • 創立者・池田先生と日本画家・平山郁夫氏の文化交流の足跡をたどる

 東京富士美術館(八王子市)で、特集展示「シルクロードと日本」が開催されている(明年2月12日まで)。シルクロードの文化遺産の保護・研究活動に対する支援を続けてきた同館の創立者・池田大作先生と日本画家・平山郁夫氏にゆかりの美術作品や資料などが並ぶ同展。ここでは、その一端を紹介する。

シルクロードに関する絵画や資料などを公開する特集展示「シルクロードと日本」(東京富士美術館の常設展示室〈新館〉で)

シルクロードに関する絵画や資料などを公開する特集展示「シルクロードと日本」(東京富士美術館の常設展示室〈新館〉で)

 “中国仏教美術の宝庫”とたたえられる「敦煌莫高窟」。その入り口付近には、敦煌の文化財保存の貢献者として、池田先生と平山郁夫氏の紹介パネルが設置されている。
 
 両氏が初めて会談したのは、1980年(昭和55年)1月のこと。平山氏が先生の著作の装画や挿絵を担当したことが縁となって実現した。
 
 

中国・敦煌莫高窟の入り口付近に設置されている池田先生と平山郁夫氏の紹介パネル

中国・敦煌莫高窟の入り口付近に設置されている池田先生と平山郁夫氏の紹介パネル

 同年4月、先生は「敦煌の守り人」である敦煌文物研究所(後の敦煌研究院)の常書鴻所長とも初の出会いを結ぶ。その後も対話を重ね、その語らいは対談集『敦煌の光彩――美と人生を語る』に結実した。
 
 先生は、東京富士美術館での「中国敦煌展」をはじめ、創価大学によるシルクロードの遺跡発掘調査や東洋哲学研究所の多角的な学術研究などを推進。敦煌の貴重な文物の紹介と保護に長年尽くしてきた功績に対して、92年に敦煌研究院から「名誉研究員」の称号が贈られている。
 
 一方、日本画家の平山氏は中近東、中央アジア、インド、中国などを160回以上訪れ、仏教やシルクロードをテーマとした作品を制作。文化財の保存・収集にも尽力した。
 
 

創価大学とウズベキスタンの研究者が共同で実施したダルヴェルジンテパ遺跡の発掘調査(1993年)。6回にわたる調査で学術的価値の高い仏像などが発見された

創価大学とウズベキスタンの研究者が共同で実施したダルヴェルジンテパ遺跡の発掘調査(1993年)。6回にわたる調査で学術的価値の高い仏像などが発見された

 本展では、池田先生との友誼の証しとして常書鴻氏・李承仙氏夫妻から創価学会に贈られた絵画「敦煌伎楽」等を紹介。また、平山氏が遺跡を題材に描いた作品などが並び、両氏が取り組んだ文化交流の足跡をたどることができる。
 
 平山氏のコレクションを所蔵する、山梨県の平山郁夫シルクロード美術館の平山東子館長は、「文化交流に尽くした2人の歩みを通して、平和への思いを深める契機としてほしい」と期待を寄せる。
 
 

平山郁夫 「楼蘭遺跡を行く・月」 2005年 縦171×横364センチ 平山郁夫シルクロード美術館蔵

平山郁夫 「楼蘭遺跡を行く・月」 2005年 縦171×横364センチ 平山郁夫シルクロード美術館蔵

大シルクロード展は12月10日まで

 なお、同時開催されている海外文化交流特別展「世界遺産 大シルクロード展」は12月10日(日)まで。
 
 

休館のお知らせ

 展示替えのため、12月11日(月)から明年1月3日(水)まで全館休館。翌4日(木)からは常設展示室(新館)のみ開館。月曜休館(祝日は開館し、翌火曜休館)。開館時間は午前10時から午後5時まで(入館は同4時半まで)。
 
 入場料などの詳細は、東京富士美術館のホームページを参照。