2023年4月13日、Studio397は従来であれば5月上旬としていた第二四半期の大型アップデートの"2023 Q2 Update"を早期リリースし、同時に"Formula E Gen3"DLCも発売を開始しました。
- Photo modeの機能追加・修正
- アイコン用ショールームの追加、SS機能修正
- Config Application(画面構成)の機能追加・修正
- バッテリー駆動時のモーター挙動追加
- デフォルトHUDの更新
- ハイブリッド、モーター駆動時のHUD表示追加
- AI挙動の全面的見直し
- サーバーによるパッケージ管理機能
- Formula E Gen3リリース
- Historic Formulaアップデート
- 既存コンテンツアップデート
今回のrF2アップデートは4月14日から行われるeモータースポーツイベント、"Formula E | Accelerate Chanmionship"に合わせて早期リリースされたものとなり、その内容はバッテリーやモーターの挙動や動作管理、HUD表示に関するものが主体となっています。
その他、FEに関する詳細や更新内容に関しては更新記事を全文和訳…をすると大変時間がかかってしまうので、今回は要約をまとめております。それでも結構な長文となってしまいましたが、お時間のあるときにでもご覧いただき、参考にしていただければ幸いです。
なお、時期の明言は避けられていますが、今後もさらなるコンテンツリリースや機能追加(マルチプレーヤーアップデート)が予定されているようです。
ABB FIA Formula E – Gen3 Car
最新のFormula E車両となるGen3が、早くもrFactor2に登場しました。rFactor2はFEの公式ゲームとなっており、今回は11種類のリアルカラーリングが収録されています。
このGen3ではスピードと耐久性が格段に向上しており、マシンの最高時速322kph/200mphを超え、最大350kW(470BHP)の出力を発揮します。
なお、今回のリリースでは車体販売(4.99ユーロ)の他に、過去作となるGen1・2の最新バージョン、さらにはベルリン、ニューヨークなどの6コースを含めたFEパックがリースされています。
Formula E Gen3 Car User-Guide
ここでは新しくなったFE Gen3のユーザーガイドをまとめていきます。
Required Controls
rFactor2のモーター機能アップデートにより、Gen3では新たにコントロールできるモーターマップが増えました。
- Increment Electric Motor Map
- Decrement Electric Motor Map
この機能はキーアサインのelectronicタブにあります。また、アタックモードを活用するためには、Arm Attack Modeを設定しておく必要があります。
Driving Style
Gen3では現実と同様のスロットルオフ、及びブレーキによるバッテリー回生が行われます。2023年のFEのレース距離は100km。ドライバーによる回生テクニックは、レース展開にも大きく作用することでしょう。
詳細についてはリリースノート原文をご覧ください。
Dashboard Layout
FEのダッシュボードには、この新ビルドから追加されたモーターコントロールに関する表示が大量に含まれています。これらはバッテリー残量やモーター出力管理に大きく関わってくることでしょう。
- Engine mode
エンジンモードは赤で表示され、100kW(SC)、250kW、300kW(通常使用)、350kW(アタックモード)の4種類となります。 - SoC and Battery bar
SoCはバッテリー残量を数値で示します。"Battery Units"設定でkW(h)と%の切り替えが可能。バッテリーバーは、視覚的に残量を表示します。 - M Temp
モーター温度を表示します。 - Speed
スピードを表示します。 - Brake Temp
フロントブレーキ温度を表示します。なお、FE車両にはリアブレーキはないので表示されません(モーター回生がリアブレーキとなるため)。 - Previous
前周のバッテリー使用量を表示します。 - Purple box
紫のボックスには現在のラップタイムが表示されます。 - Bias
ブレーキトルクバイアスを表示します。 - Tire Temp
タイヤ温度を表示します。 - Target
ターゲットではレースをフィニッシュすることができる、1周あたりのバッテリー使用量が表示されます。注:これはプラクティスでは表示されません。 - Gear
現在のギアが表示されます。 - Batt Usage
この周回で使用したバッテリー使用量が表示されます。使用量以上の回生がある場合、マイナス表示になります。 - White box
白のボックスにはラップタイムデルタが表示されます。 - Regen bar
現在の回生度合が表示されます。
Historic Car Updates
rFactor2ではあまり他シムでは見かけない珍しいヒストリックカーも、最初から遊ぶことができます。その代表格といえるのが、マーチ761、ブラバムBT44、マクラーレンM23といった1976年頃のオールドF1マシンなのですが、これらは無償リリースの代償か、特にビジュアル面に関しては長らく放置され続けてきました。
今回のアップデートは、S397コミュニティ・メンバーである"Gert-Jan van Osch"が手掛けたものとなり、いわばユーザーによるアップデートとなります。最新UIにあわせたアイコン制作(意外と時間がかかります)に始まり、最新マテリアルに準拠させたビジュアル面の更新(かなり時間がかかります)。そしてファイルや描写不具合の修正に至るまで、様々な調整が施されました。
最近はMSGの体制不安定により、S397エンジニアが他へ流失したのは紛れもない事実。また、ゲーム本体やDLC開発に工数を取られている影響もあり、このような既存コンテンツはなかなか更新されない日々が続いてきました。ただ、最近ではこの他にも優秀なユーザーによって修正が行われている既存コンテンツが幾つかあるようで、今後はこのようなアップデートも増えていくのかもしれません。
Full Changelog and Known Issues
Main Game: 10989730
Dedicated: 10989737
General
- UI内においてスクリーンショット(SS)ボタンが機能しない問題を修正しました。
- フォトモードにおいて深度オプションが動作しない問題を修正しました。
- フォトモードのSSフォーマットとPlayer.jsonをリンクさせました。
- 機能していなかったSSのクリップボードコピー機能をPlayer.jsonから削除しました。
- フォトモードのSSボタンアサインを削除しました。
- ショールームの背景色変換が可能になりました(1キーもしくばボタン)。
- Player.json設定に、デフォルト状態の背景レンダリング用として"showroom background"を追加しました。
- 車両アイコン撮影用ショールーム"Sideview"を追加しました。
- ゲーム内においてWindowedからBorderlessに変更した際、UI解像度が正しく設定されない問題を修正しました。
- VRの解像度オプションを変更する際にクラッシュする問題を修正しました。
- コンテンツインストール中の断続的なクラッシュを修正しました。
CONFIGURATION APPLICATION
- アダプタを変更した際、ゲーム解像度を安定して動作させるため、最後に使用した解像度及びリフレッシュレートを保存するよう、コンフィグファイルを更新しました。
- VR専用コンフィグファイルを用意しました。このファイルは最初にVRを起動した際、デフォルトファイルからコピー(作成)されます。
- コンフィグアプリケーションによる複数ファイル設定を可能としました。
- アダプターもしくはモニターを変更した際に設定が失われる、コンフィグアプリにおける様々な不具合を修正しました。
- コンフィグアプリのウィンドウズバージョンリポートを修正しました。
- コンフィグアプリにおいて、PCスペック関連情報のみが表示されるよう更新しました。
- コンフィグファイル内の幾つかの使用していない設定を削除しました。
Physics
- バッテリーが主な動力源の場合、AIのバッテリー状態がリザルトファイルに掲載されるようになりました。
- バッテリー消費に関する様々な修正を行いました。
Graphics
- Dashboard Elements Shaderを更新、よりよいライティングを行うためにIBLセットアップを使用するようになりました。
- LowLumEmissiveシェーダーを追加し、トラックアセット(スタート/ピットライトなど)の古いDashboardシェーダーと車両LEDを置き換えました。これはゲームが自動的に再適用します。
- Cockpit Readout formatを更新し、オフセット、複数背景のマルチ表示を可能としました。
- Cockpit Readout Icon formatをを追加。背景テクスチャの表示、エレメント数の構成、uvwアイランドの値または色変更が可能となり、Fuel、Battery、RPM、TC、TCActive、ABS、ABSLockedが追加されました。
- 複数のコクピット読取りを追加しました:FuelLastLap, FuelFinishAverage, BatteryLastLap, BatteryFinishAverage, CurrentLap, Delta, TCSlip, TCCut, BatteryRegenLevel, ElectricMotorMap
- Moddevを更新、Tweak Barに新たなオプションが表示されます。
- ネットワーク上におけるレインライトがアクティブな場合の共有方法を更新。ピットレーン、バッテリー回生、天候による表示に使用される際に、さらなる安定性を確保しました。
- バッテリーがスロットルによって回収される場合、レインライトが有効になります。cockpit.iniでパラメータを設定します:
- RegenLightRequireThrottle=1/0 (スロットルはブレーキよりも高い数値を要求する)
- RegenLightMinPowerWatts=15000 (15kWの回生によりライトが点灯する)
AI
- AIスロットル動作を見直しました。
- 減速をさらに制御し、オーバーシューティングが減少しました。
- 加速の改善を行いホイールスピンが減少しました。
- コーナー脱出を改善しました。
- 振動源をさらに削減しました。
- 特定車両のラップタイムを改善しました。
- ピットスピード制限違反を無くしました。
- ストップポジション(グリッド、ピットボックス)のオーバーシュートを無くしました。
- アザーカーのAIリアクションを見直しました(ロードコース)
- AIは他車のスリップストリームを使用するようになりました。
- AIは次のコーナーの前にオーバーラップできる場合のみ、オーバーテイクを仕掛けます。その他の場合、AIは燃費をセーブします。
- マルチクラス:速いクラスは遅いクラスを追い抜く際、スローダウンをしなくなりました。
- マルチクラス:速いクラスはアペックス前に完全に追越しが出来ない限り、追越しを行いません。
- マルチクラス:速いクラスは速さの維持を促進し、オーバーテイクしない場合は早めにリフトオフします。
- AIは周辺他車に対しさらに気をつけるようになりました。
- AIは適切なドラフティング動作のため、他車に対しよりスペースを使用するようになりました。
- FCY中、もしくはイエローフラッグが振られる場合、さらに注意深くなりました。
- プレーヤーと他車は、突然のレーンチェンジによってリアクションが困難な場合を除き、追突されなくなりました。
- 前方車両がバトルをしている場合、AIはコーナー出口でのオーバーテイクに備えるようになりました。
- AIはシチュエーションが整えば3ワイドを行います。しかし、オーバーテイクがあまりにも危険な場合、次のブレーキングゾーン前に下がります。
- グリッド台数が多い場合のインシデントが起こりにくくなりました。
HUD
- 異なる複数のエレメントを組み合わせたデフォルトHUDを更新しました。
- バッテリーの状態、使用率オプションを追加。P2PとバッテリーLEDを追加しました。
- HUDのゲージが1つしか表示できなかった問題を修正しました。
- HUDオプションにスロットル、ブレーキ、クラッチゲージを追加しました。
- MFDのテキストカラー変更機能を追加しました(ModDev)。
UI
- バッテリーユニット設定を追加しました(% or kW(h))。
- グラフィック設定変更後、もしくは+connectによる再ログイン時、マルチプレーヤーへのジョインが再びトリガーされる問題を修正しました。
Package Management
- サーバーはクライアントが接続する際、使用コンテンツを所有しているかを確認するようになりました。
Modding
- マップコンバーターの更新
- 500ms毎にファイル更新をチェックするようになりました。
- -f (全テクスチャ更新の実行)コマンドは、1度だけ実行され終了します。
- -o (once)コマンドは、一度だけ実行され終了します。
- DDSファイルは、最初のパスでソースフォルダからコピーのみされます。
- アウトプットディスプレイがより多くの情報を示すよう改善しました。
- Mod Dev\Scene Viewer
- フォグ及び直接光の方向に関する、外部ライティングデバッグ情報を追加しました。
- シーンビューア内のシャドーキー(U)による、シャドーグループの切替が追加されました。
- シーンビューアは、一度に一つだけインスタンスを開くことが可能です(複数事由によりインスタンスが終了されない場合による、マテリアルエディタアクセスの問題を修正しました)。
- カメラエディタ内の静止カメラに欠如していた、Limit Pathオプションを追加しました。
- Material Editor
- マテリアル毎にブレンドモードを設定できる機能を追加しました。
- 彩度と細部を削減しない、テクスチャオプション設定を追加しました。
Known issues
- AIはFCYに整列できません。
- フォーメーションラップ速度が非常に遅いため、一部が隊列から離脱した場合、時間内に追いつくことができません。
- AIはコース上に停車する車両を追い越すことが得意ではないため、スローダウン、もしくは後方に停止してしまいます。
- 車両間に大きなパフォーマンス差がある場合、AIは適切な動作をしません。
- "オートシフト"使用時、FE Gen 3はニュートラルにシフトできません。
Track Changelogs
BRANDS HATCH V1.05
- インディレイアウトにて、リアパドックのガレージ8、No.3がピットを維持できない問題を修正しました。
CROFT V1.07
- カット判定を微修正しました。
- AIのピット脱出を微調整しました。
- カメラクリッピングを修正しました。
SEBRING V1.59
- ピット入口/出口のトラックリミットを見直しました。
BERLIN V1.37
- FE 2023広告を更新しました。
- トラックリミットを見直しました。
- マイナーな地形ギャップを修正しました。
HONG KONG V1.93
- FE 2023広告を更新しました。
- トラックリミットを見直しました。
LONDON FE V1.07
- FE 2023広告を更新しました。
- トラックリミットを見直しました。
NEW YORK FE V1.31
- FE 2023広告を更新しました。
- トラックリミットを見直しました。
- AIWを微調整しました。
- ディテール設定が低い場合、スターライト点灯が表示されない問題を修正しました。
- ブレーキマーカーマテリアルの微修正を行いました。
ROME FE V1.25
- FE 2023広告を更新しました。
- トラックリミットを見直しました。
- AIWを微調整しました。
- 逆転していたデジタルフラッグマッピングを修正しました。
SAUDI FE V1.15
- FE 2023広告を更新しました。
- トラックリミットを見直しました。
ELECTRIC DOCKS V2.38
- AIWを微調整しました。
- 複数のLOD問題を修正しました。
Car Changelogs
BRABHAM BT44 V2.64
- ビジュアル全般を更新しました。
- アフターファイアアニメーションを更新しました。
- 車体外部にはみ出ていたドライバーのつま先を修正しました。
MCLAREN M23 V1.54
- ビジュアル全般を見直しました。
- 不足していたファイルを補充しました。
MARCH 761 V2.13
- ビジュアル全般を見直しました。
- 不足していたファイルを補充しました。
DALLARA IR18 V1.73
- スタート/フィニッシュラインを通過時、プッシュトゥパスの停止を無効にしました。
- レースの1周目以降のみ、プッシュトゥパスがアクティブになるようにしました。
VANDERVELL VANWALL LMH V1.29
- リアダウンフォースを低減しました。
- フロントダウンフォースを増加しました。
- ドラッグを増加しました。
- ブレーキトルクをブレーキバイアス60%に合わせました。
- ボディデカールを2023バージョンに更新しました。
- タイヤ名をソフトコールド、ソフトホットに変更しました。タイヤ自体は同じですが、オペレーティングウィンドウ(使用温度域)が変わります。
- ミディアムタイヤは少し硬くなり、1.5%グリップダウンしました。
- タイヤグリップとダウンフォースは、リアルデータによって調整されました。
- タイヤウォーマーが削除されました。
- ドラッグ/パワーは、リアルデータによって調整されました。
- タイヤの熱劣化が低減されました。
FORMULA E GEN3 2023 V1.03
- 表示されなかったウィングの影を修正しました。