11月に入り、今年もあっという間にあと2ヶ月に迫ってきました。そして、rFactor2ではQ4(第4四半期)にリリースするコンテンツが続々と発表されています。この記事でご紹介する新コンテンツは、現在、RC版として開発中であるBuild1131と共に、11月7日(日本時間8日頃)にリリースが予定されています。
そこで、当記事ではいつものように各コンテンツのリリースノートをご紹介し、簡単にまとめてみたいと思います。間違いなどあれば、裏でこっそり教えてください。
目次と概要
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Bahrain International Circuit - 約束(予告)の地、バーレーン
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BMW 330i M Sport BTCC - 2台目のFR
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Vanwall Vandervell LMH - rF2初のLMH車両
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Croft Circuit - イギリスの名コース
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Thruxton Circuit - rFではおなじみ
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London E-Prix - そういえば公式ゲーム
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まとめ - 価格など
Announcing Bahrain International Circuit
Q4コンテンツ予告の最初のリリースは、F1、WECなど、あらゆる国際レースの舞台としておなじみの、バーレーン国際サーキットです。
このバーレーンは他の例に漏れずレーザースキャンデータを用いて制作され、F1でお馴染みのグランプリレイアウトをはじめ、エンデュランスレイアウト、アウターレイアウト、そしてパドックレイアウトの4レイアウトが収録されます。
最も有名なグランプリレイアウトの全長は5.412km。15のターンを持ち、F1では毎年、素晴らしいバトルが展開されています。また、砂漠の真ん中に全く新しく制作されたその外観は見た目にも美しく、ナイトレースでは日中と遜色ない照明の明るさで、また違った雰囲気が楽しめます。
このバーレーンは、既に"Le Mans Virtual Series 2022"の開幕戦で一足先にお目見えしており、配信では素晴らしい美しさを誇るサーキットを舞台に、数多くの熱戦が繰り広げられました。
Announcing BMW 330i M Sport BTCC
rF2のBTCCシリーズもだいぶ台数が出揃ってきましたが、このQ4ではINFINITY Q50(スカイライン)以外で唯一となるFR車、BMW 330i M SPORT BTCCがリリースされます。
330iは、2018年まで使用されていた125iに代わり2019年にデビューしました。少しゆったりとしたセダンレイアウトながらスポーティーなデザインは、かつてのE46やE90などを知る者にとっては懐かしさすら覚え、キドニーグリルがこれ以上大きくならないことを願わずにいられません。
速さについては既に折り紙付き。デビュー以来、2021年までは3年連続でドライバーチャンピオンシップで栄冠を勝ち取っており、マニュファクチャラーランキングでは今年も4年連続のチャンピオンに輝いています。
BTCC車両はこれで5台が出揃い、rF2のツーリングカーはこの短期間で驚くほどに充実しています。FRツーリングカーが増えてくれたのも大きいポイントで、これらはスプリントレース以外の場所でも活躍が期待できます。ただ、あまりに多くの車両をrF2でリリースすると「肝心のBTCCゲームが売れなくなるのでは?」と心配してしまいます。
Announcing Vanwall Vandervell LMH
このVanwall Vandervell LMHの告知。最初に知ったのはちょうどMarlbozu鯖さんのリプレイ鑑賞会中だったのですが、この告知の詳細を見た瞬間、「ところでどこの誰?」と思わず聞き返してしまいました。
私は知らなかったのですが、"ヴァンウォール"は1950年代にF1で活躍していたコンストラクターの名称らしく、この1年ぐらいの間にバイコレス(の会社)がその名称に変更されているそうです。そして、2022年にはWECへの参戦申請が降りなかったバイコレスですが、現在は23年からの参戦を目指して諸々の手続きが継続されています。
rF2での収録に関しては、ヴァンウォール側からの提案があったとのこと。実車では既に幾度かのテスト走行が実施されており、モデルの制作やデータについては、ヴァンウォール自身がその知識や経験を反映させているそうです。
また、RaceDepartmentの記事によれば、今後もMSGが取得したWECライセンスがrF2で利用されていく可能性があるようです。もちろん、将来的には別のゲームとしてWECタイトルがリリースされることにはなっていますが、それまでの間はトヨタ、プジョー、グリッケンハウス、フェラーリなど、新たなLMHの登場にも期待が高まります。
ついにrF2にもハイパーカーがやってきました。あとはハイブリッドシステムの実装が待ち遠しいところです。
Announcing Croft Circuit
クロフトはBTCCでも使用されるミドルサイズサーキット。地形の起伏はあまりありませんが、コーナーの種類は多様に富み、チャレンジングなレイアウトは攻め応え抜群。それでいてバトルにも適した、イギリスの隠れた名サーキットです。
クロフトはrF2では初期の頃からModが存在しており、その良質な完成度とレイアウトの面白さから、多くのユーザーに愛されてきました。しかし数年前、製作者さんはとある「レースシム会社」に就職されたため、その更新はほぼ止まっていたのです。
その後、Modのクロフトは外部協力者によるグラフィックアップデートはあったものの、基本的な造形や最新rF2技術へのアップデートは無く、最近は谷間鯖でも開催が少なくなってきていました。
ですが、実はその製作者さんは数年前に他社に移籍。そして、その移籍先こそがrF2を制作するStudio397であり、S397のフォーラム界隈ではその直後から、クロフトの再制作がまことしやかに囁かれ続けてきたのです。
rF2黎明期を支えた名コースが、ついにレーザースキャンデータと最新グラフィックを携えて戻ってきました。きっとオールドユーザーのみなさん(私)は、大歓喜で迎え入れることでしょう。そして、これが初めてのクロフトになる方には、ぜひともこのサーキットを遊んでみてみてください。
Announcing Thruxton Motorsports Centre
上のクロフトに続いてアナウンスされたのが、こちらもやはりBTCCで使用され、そしてrF2にModでも存在するスラクストンサーキットでした。
このサーキットは外観でも分かる通り、飛行場跡地に建設されたフラットなハイスピードサーキットとなっています。また、上空からの見た目では、まるでシルバーストンを小さくしたような形にも見えます。
飛行場跡地とあって非常にフラットな地形により、高速コーナーではとてもアンダーステアが出やすい傾向にあります。また、最終セクションでのスリップ合戦からのシケイン進入は、オーバーテイクを楽しむにもうってつけのレイアウトとなっています。
先にも書いた通り、スラクストンは古くからModで存在するため、コースの新鮮さという意味では少し物足りないかもしれません。しかし、レーザースキャンされた地形データと、いかにも英国らしいその雰囲気を味わうには、最高のシチュエーションであることは間違いのないことでしょう。
Announcing London E-Prix
Q4コンテンツ最後の発表は、yashimaもすっかりその存在を忘れていた、そういえば公式コンテンツであるFormulaEのロンドン市街地サーキットでした。
フォーミュラEのサーキットにはアタックモードのギミックがあり、普通の車ではレースは難しいのですが、公式シリーズを行うrF2には無くてはならないサーキットの一つです。
ロンドン市街地は回生ブレーキ用のツイスティなコーナーの連続と高速区間が入り乱れる、なかなかにユニークなレイアウトです。ただ、ユニークすぎてバトルではクラッシュも続出。来年にはレイアウトが一部変わるとの話もあります。
今回の発表には、rF2が今後もFEの公式ゲームとして継続していくことが示唆されており、今後はさらなるサーキットの開発と例の"とても斬新なデザイン"の新車登場も期待?できそうです。
まとめ
今回はバーレーンの発表がメインイベントではありましたが、それ以外はイギリス中心のDLCタイトルが連発されました。まぁ、BTCC車両やサーキットが出てくることは予想できたのですが、今回は意外な(嬉しい)サーキットに加えて、FEロンドンという伏兵まで現れ、まさに"イギリス尽くし"といったコンテンツリリースになりました。
さて、気になるQ4コンテンツのお値段ですが、Traxion.GGのQ4コンテンツ紹介動画によれば、現時点で下記のとおりとなります。
Q4 PACK: 330i M Sport, Vanwall LMH, Bahrain, Croft, Thruxton, London
– €27.99 (約4,100円)
BRITISH TRACK PACK: Croft, Brands Hatch, Donington Park, Thruxton
– €19.99 (約2,920円)
INDIVIDUAL ITEMS:
Vanwall Vandervell LMH – €4.99 (約730円)
BMW 330i M Sport BTCC – €4.99 (約730円)
Croft Circuit – €6.99 (約1,030円)
Thruxton Circuit – €6.99 (約1,030円)
ExCeL London Circuit – €7.99 (約1,170円)
Bahrain International Circuit – €8.99 (約1,320円)
BTCC車両に関しては、別形式のレースでも様々な使用用途があり、きっと購入しておいて損はないことでしょう。サーキットでは、クロフトは個人的にも遊んでみたいサーキットであり、スラクストン、バーレーン、ロンドン市街地も非常に美しく、公式レースなどに出場する方には必須コンテンツと言えます。
ただ、今回のリリースを眺めてみると、いまいち統一感に欠ける面は否めません。また、やはりF1開催地であるバーレーンが他に比べて価格設定も高く、昨今の円安事情も考えると、Q4パックの全てを購入するにはちょっと手を出しにくいところかもしれません。
あと、前回のQ3コンテンツリリースでは、サプライズとしてフォードフォーカスのリリースが当日発表されており、今回も突然BTCC車両が一台増えて、"BTCC Car pack 3"などがリリースされても不思議ではありません。S397のDLCコンテンツの購入に際しては、少しだけ時間的猶予を持たれることをお薦めします。
新コンテンツや新機能に湧くQ4アップデートですが、DLCの購入にはどうか無理のない範囲でご判断ください。