先日サービスを開始したrFactor2の新しい海外リーグ、Low Fuel Motorsport(以下LFM)のCode Of Conduct(行動規範=レギュレーション、以下CoC)を和訳してみました。
LFMのCoCは、Studio397コンペティションシステムに比べると幾分幅を持たせて書かれており、幾つかの部分にはLFM独自のルールが適用されている部分もあります。
本記事ではこのCoCを日本語訳し、掲載します。誤訳など多々あるかと思いますが、既にLFMに参加されている方、そして、これから参加を検討している方にお役に立てば幸いです。
なお、LFMは今後も継続的にCoCを変更していくことを明言しており、変更時にはこの記事で対応しますので、LFM参加者の方は定期的にチェックされることをお薦めします。
※誤訳などあればご指摘ください。
※PDFは英語と日本語の対訳となっています。原文チェックにお使いください。
LFM-Seasons
Code of Conduct and Penalties
1. 前文
コース内外で敬意を持って行動することは、全ドライバーの責務である。LFM-Seasonsでは、参加者が日々のレースで競い合える枠組みを提供する。しかしながら、レースの楽しさを第一に考え、我々の社会的価値と原則がサーキットでも実践されるよう、このルールを提供する。レースコミュニティとして、我々は包括性と多様性を支持し、あらゆる人に最高のレーシングエクスペリエンスを提供したい。
2.一般規則
LFM-Seasonsに登録するドライバーは、以下の規則を遵守しなければならい。違反した場合は罰則の対象となり、違反の重大性によっては、我々のサービスから除外されることがある。
2.1 ドライバー名とチーム名 全てのドライバーは、ゲーム内で通常の名前*を使用する必要がある。名前は、ファーストネームとサーネームで構成される必要がある。数字、句読点、特殊文字は使用できない。攻撃的な言葉や人種差別的な言葉は、厳に禁止する。また、典型的なネット上のニックネームや荒らしのような名前も許可されない。
*LFM-FAQ (User profile)より抜粋:”通常の名前”とは、普通に発音される性・名が必要であることを意味する。名前は本名でもよいが、そうである必要はない。
リアルモータースポーツと同様、ドライバー名やチーム名には、宣伝のために使用される追加情報を含めてはならない。また、ドライバーやチーム名の一部にウェブアドレスを使用することも許可されない。
LFM-Seasonsに参加し、この行動規範に同意することにより、我々はこれらの名前をライブ放送や、ウェブサイト、他のプラットフォームでの統計目的で永続的に使用する権利を有する。
2.2 複数アカウント
LFMでは、複数アカウントを使用することは禁止されている。いわゆる"Smurf"アカウントは許可されない。これに違反した場合、我々はメインアカウントを含むそれぞれのアカウントを、完全かつ永久にサービスから排除する権利を有する。
2.3 ハード/ソフトウェア、インターネット接続 安全なドライビングを可能とするため、各ドライバーには十分なハードウェア、ソフトウェア、インターネット接続が求められる。万が一、問題(例:pingが高すぎる、入力デバイスが不適切、ソフトウェアの設定が間違っているなど)が判明した場合、我々は問題が解決されるまで、当該ドライバーのLFM-Seasonsへの参加を除外する権利を有する。
2.4 入力デバイス
レースでは、セーフドライビングが可能である限り、あらゆる入力デバイスの使用が許可される。
2.5 車両リバリー
ゲーム内ではあらゆるペイントスキームとカスタムペイントスキームが許可される。攻撃的、人種差別的、政治的な内容を表示させた場合、永久追放となる。
2.6 ドライビング補助
サーバー側で無効にした設定(FAQ-Seasons参照*)とは別に、各シミュレーションにおいてデフォルトで利用可能なドライビングエイドは許可され、誰もが独自設定を使用することが可能である。
*FAQに示されるrFactor2のドライビングエイド設定
Steering help: disabled
Opposite lock: disabled
Braking help: disabled
Stability control: disabled
Spin recovery: disabled
Invulnerability: disabled
Auto shifting: disabled
Traction control: Car-specific
Anti-lock brakes: Car-specific
Auto pit lane: disabled
Auto clutch: allowed
Auto blip: allowed
Auto lift: disabled
Hold brakes: disabled
Hold clutch: allowed
Auto start engine: allowed
Auto windscreen wipers: allowed
Auto headlights: allowed
Auto reverse: disabled
2.7 チート行為
いかなる形のチート行為も厳に禁止する。また、他ドライバーより優位に立つため、ソフトウェアのバグを利用することも許可されない。
2.8 テレメトリデータ(MoTeC)
我々は特定の状況下において、個別のケースでテレメトリーデータ(MoTeC)を要求する権利を有する。要求の明示後、その後のレースでテレメトリデータを提供できない場合は、永久追放と全シーズンポイントの削除につながる可能性がある。
ACC:
テレメトリデータは、レース終了後最大72時間以内に提供されなければならない。ドライバーが不審な行動をとり、要求されたテレメトリデータを提供できない場合、各レースのシーズンポイント、Eloポイント、SRポイントがすべて削除される可能性がある。
ACCでテレメトリデータを記録するためには、カーセッティングの「エレクトロニクス」セクションで「テレメトリーラップ」の回数を「99」に設定する必要がある。テレメトリデータは、通常以下のフォルダに保存される。
"C:\Users\***\Documents\AssettoCorsaCompetizione\MoTeC".
rF2:
各個ケースにおいて、LFM Race Comission(以下LRC)は特定のドライバーにテレメトリデータの記録を要求することができる。これらは、レース終了後最大72時間、特別に通達された形式で利用可能な状態を保持しなければならない。
2.9 アンツポーツマンライク行為
行動規範に明示されていなくても、アンスポーツマンライク行為とみなされた場合、それに応じてペナルティを受ける可能性がある。
2.10 未規定事象
ルールに規定されていない問題がシーズン中に発生した場合、LRCが決定を下す。
2.11 技術的問題
レースへの参加可否を時間内に確認することは、各ドライバーの責務である。技術的な問題(例:ハードウェアの不具合、WindowsやSteamのアップデート、インターネット障害)、またはその他の問題が発生した場合は、例えばEloレーティングを下げないようにするために、自分自身で時間内にレース登録を解除する必要がある。
LFM側の技術的な問題によりレースセッションが通常通り開始されない場合、セッション開始が遅れる可能性があり、少なくとも10分間は待機する必要がある。
これにより、意図せず後続のレースと重複した場合は、自身で個別にログアウトする必要がある。
2.12 規則変更
我々は必要に応じて規則を変更、または拡張する権利を有する。これはシーズン中も可能とする。
変更は我々のDiscord(https://discord.gg/lowfuelmotorsport)、およびウェブサイトで発表される。
3. サーキットにおける所作
最初に、我々LFM-Seasonsは、全ての人に素晴らしいレーシングエクスペリエンスを提供したいと考えている。
我々はコース上において、あらゆるドライバーが敬意を持って行動することを求める。我々のコミュニティは多様であり、それはまた、各ドライバーの強みとして顕現する。全てのルールは、あらゆるドライバーによって尊重されなければならない。
3.1 予選中の所作
a) イン/アウトラップ中のドライバーは、ホットラップ中のドライバーに、レーシングラインを譲ることが義務付けられる。注意深く行動し、ホットラップ中のドライバーにも目を配ること。
b) 全てのドライバーは、ホットラップで前方車両に追いつかないよう、十分なスペースを開ける必要がある。
c) ホットラップ中のドライバーは、より速いドライバーにスペースを与える必要はない。
d) ホットラップ中の速いドライバーは、同じくホットラップ中の遅いドライバーに追いつく際、遅いドライバーに進路を譲らせてはならない。
3.2 レース中の所作
a) オーバーテイクを行うドライバーは、クリーンなオーバーテイクを行う義務がある。ただし、オーバーテイク中は両ドライバーが注意深く行動しなければならない。
b) 危険な、あるいは無謀なダイブボム*は、(ポジション争い、ラッピングのいずれにおいても)禁止される。
*ダイブボム:過度なレイトブレーキによるオーバーテイク、接触。
c) バトル中、ドライバーはお互いに十分なスペースを与えなければならない。他車をコース外に追い出すことや、故意に突っ込むことは許可されない。
d)自身のポジションを守るドライバーがストレートでブレーキングゾーンに近づいた場合、追い越そうとする車の「主要部分」が自分の隣にない場合に限り、レーンチェンジの際にコース幅をフルに使うことができる。この場合、ドライバーは自身のポジションを守るために、正当な理由なくラインを外れてはならない。誤解を避けるため、「主要部分」とは、追い越そうとする車両の前輪が相手車両の後輪の隣に位置することを意味する。[1]
e) バトル中、先行するドライバーは、防御のために一度だけレーシングラインを変更することが許可される。ポジションを守るためのラインチェンジは、(ブレーキまでの)時間内に行わなければならない。直接的なスリップストリームにいるアタッカーのライン変更に反応することは許可されない(ブロッキング)。スリップストリームを破るための複数のライン変更(ウィービング)、およびブレーキングゾーンでのライン変更(ブレーキング中の移動)は禁止される。
f) ブレーキテスト、チョッピング、プッシングによる追い越しは禁止される。
g) 各ドライバーは青旗を尊重しなければならない。青旗が無視された場合、ペナルティを科す場合がある。また、青旗のドライバーを追い越す際には、コース上の適切な区間を利用すること(例:マウントパノラマでは、ストレートは適切であり、丘の上区間は適切ではない)。
h) ピット出口のホワイトラインカット禁止。
i) 逆走禁止。
j) ヘッドライトフラッシングは、周回遅れの車両に注意を喚起するために使用することができる。
バトル中、相手ドライバーに自分の方が速いことを知らせるため、フラッシュを使用することは許容される。過度なフラッシュ使用は禁止されており、警告や罰則の対象となることがある。
k) 黄旗は尊重されなければならず、黄旗区間では慎重にドライブしなければならない。ダブルイエロー*の際は追い越し禁止。事故車両は追い越し可能である。
*ダブルイエローはrFactor2には存在しないため、今後修正される可能性あり。
l) ドライバーは事故に巻き込まれた場合、他のドライバーにとって予測不可能な障害とならないよう、状況に応じて直ちにブレーキを踏んだり保持したりしなければならない。コース上で車が停止した場合、ドライバーは安全が確認されるまで待機しなければならない。
m) コースを離れたドライバーは、その動作が他のドライバーに危険や障害を与えない場合にのみ、再出走することができる。[1]
n) 状況によっては、コースアウトによって永続的な利益を得たドライバーに対し、ペナルティが課せられることがある。[1]
o) ピットレーンを離れる際には、(コース上の)他ドライバーの妨げにならないようにしなければならない。特定のサーキット(例:ドニントン、スパ)では、状況に応じてベストラインを残す必要がある。これにより、(ピットアウト中の)他ドライバーは妨げられることなくコースに復帰できる。
p) フォーメーションラップ中、特にレース開始直前には、与えられたポジションを維持しなければならない。意図的な後退(最後尾からトップへのチャレンジ)、予測不可能な減速、ラインの変更を厳に禁じる。
q) フィニッシュライン通過後は、他のドライバーに注意を払い、予測不可能な行動は避けること。また、車両は他ドライバーの邪魔にならないコース脇の安全な場所に停める必要がある。他ドライバーに対するレース終了後の不要な衝突は、ペナルティを受ける可能性がある。
4. レース外の所作
我々Low Fuel Motorsportは、あらゆる人が社会的規範と価値観を尊重することを望んでいる。そのためには、誰もが自分自身の力で貢献しなければならない。よって、以下の指示を遵守すること。違反や無視はゲーム内チャット、ウェブサイトチャット、Discordのいずれにおいても違反の重大性に応じて処罰され、我々のプラットフォーム全体からの排除に繋がる可能性がある。
a) あらゆる種類の侮辱は禁止される。
b) 差別的、人種差別的な発言は禁止されており、常に永久追放される。
c) 政治的、宗教的な内容を広めることは禁止されており、過激な発言をした場合は永久追放となる。
d) 差別的な行動は禁止され、ペナルティの対象となる。
e) フリー走行中は、ゲーム内チャットの使用が許可される。レース中および予選中は、ゲーム内チャットの使用は禁止される。レースに関する両者間の議論は、ホームページのメッセージシステムで行うことが可能である。レース終了後、”good race”等、短文を書き込むことは許可される。
5. 報告および罰則
インシデント発生時、レース終了後にhttps://lowfuelmotorsport.com/seasons
の"My Sessions"から、報告フォームを使用することができる。4時間のクールダウンフェイズの後、レポートを開くことが可能となり、LRCがレビュー・審査し、判定する。判定後、両ドライバーにペナルティに関する通知が届く。
我々は下記のペナルティを適用する:
I. 80 Eloの減点 [+0,5PP***]
a) 予選・決勝時のゲーム内チャットの使用
II. 80 Eloと0.2 SRの減点 [+1P***]
a)ブレーキング中の移動
b)ブロッキング
c) ウィービング
III. 120 Eloと0.3 SRの減点[+1,5P***]
a) ピットレーンを出る車両との接触
b) 予選中の無謀な所作
c) 予選中のピットレーンでのスピード違反(ピットリミッター解除による追い越しなど)。
d) 青旗の無視・防御
IV. 160 Eloと0.4 SRの減点[+1,5P***]
a) 当該ドライバーに重大な影響を及ぼす接触を引き起こした場合
b) 他車のコース外への押し出し
c) 黄旗無視による接触(例:事故車との接触)
V. 200 Eloと0. 5SRの減点 [+2P***]
a) 危険な再出走によるアクシデント
b) 1周目のクラッシュ誘引
VI. 3日間のBAN*、200 Eloと0.5 SRの減点 [+2,5P***]
a) レーススタート時の集団クラッシュ誘引
b) レーススタート前の故意の後退
c) アンツポーツマンライク行為(故意の看板破壊等)
d) チャットでの第三者による広告
VII. 7日間のBAN*、SRリセット**[+14PP***]
a) 同一レースでの複数ペナルティ(3回以上)
b) 高いペナルティ率
VIII. 7日間のBAN*、120 Eloと0.3 SRの減点 [+14PP***]
a) チャットでの侮蔑的な発言(直接的な侮辱ではなくとも)
b) 重大なアンスポーツマンライク行為(例:故意による重大なショートカットなど)
IX. 28日間のBAN*、SRリセット** [+14PP***]
a) 故意のクラッシュ誘引 (初回)
X. 28日間のBAN*、200 Eloの減点と0.5 SRの減点 [+14PP***]
a) 他のドライバーを侮辱(初回)
XI. 永久追放
a) 差別的、人種差別的な発言
b) あらゆるテーマにおける過激な発言
c) 政治的または宗教的なメッセージの拡散
d) 他のドライバーを侮辱(2回目)
e) 故意のクラッシュ誘引(2回目)
*) BANは、LFMレース委員会により報告が処理された直後に有効となり、少なくともそれぞれの日数(完全な日数と禁止令が有効となった日の残り日数)を継続する。その後、禁止令はGMT/UTCの0:00に自動的に解除される(即ち、レース委員会との事前協議はない)。BAN期間がシーズン中断期間に該当する場合は、その時間は考慮されず、中断期間に応じてBAN期間は延長される。
**) SRリセットにおいて、セーフティレーティングは2.0にリセットされる(それまでのSRが2.0以上であった場合)。
***) LFMプロシリーズにおける違反行為に対する罰則として、追加でペナルティポイント(PP)が発行される。
- 1シーズン7PP以上で、シーズンポイントの10%が減点される
- 1シーズン14PP以上獲得した場合、全てのシーズンポイントを剥奪する。
この罰則について、ドライバーに議論の余地はない。各ドライバーには、与えられたペナルティに関する説明文が送られる。
短期間に多くのペナルティを受けた場合、我々は各ペナルティを増加させる権利を有する。
6. 参考文献
[1] ADAC GT Masters、レギュレーション、2018