新ビルドリリースもあって今回も延期かと思っていた、Competition System(CS) Blogが更新されています。今回のCSブログには、Marcel Offerman氏からのCSを含めたrFactor2開発メッセージも含まれているとのこと。本稿では、冒頭部分のMarcel氏の書いた部分を和訳し、Q&Aの部分については、いつもどおり我々国内ユーザーに関連する部分を中心にピックアップしていきます。
※誤訳、間違いなどありましたらご指摘ください。
1年の半分が終わりに近づいており、我々はローンチで公開した最初のロードマップを見直す良い機会と考えます。ユーザーフィードバックにおいて何が変わったかを確認し、そして、このベータ開発プロセスのシステムの初期段階の間に、どのようにシムレーシングコミュニティが関与していたかについて、詳細な分析を行いました。
それでは、我々の昨年末の初期ロードマップポストからシフトした、いくつかの優先事項について紹介します。
More competition formats(より多くのコンペティションフォーマット)-我々は、いくつかの異なるCSフォーマットの一部を前倒しで進めることを決定し、そして第1回のCSによるGT Challengeを終了しました。これにより、システムのさらなる自由度が必要であることが分かり、そして、rFactor2の既存そして新規のプレーヤーにとって重要な、異なるスタイルとレーシングフォーマットをどのように取りまとめる事ができるかについて、いくつかの貴重な情報を得ました。このナレッジデータバンクの成長により、我々は当面の間、このエリアにさらなる時間を充て続けることを選択しました。とはいえ、これはおそらく継続タスクになるため、今後数カ月間、更に多くのフォーマットが登場することでしょう。
Protests and decisions(プロテストと判定)-我々は、これを2つの異なるパーツに分割することが、最良のマネージメントであると決定しました。最初のパートは、プロテストのハンドリングとレースコントロールによる判定を確実にしする、基本的な仕組みが出来上がっており、今後明確な傾向と要求が明らかになり、システムが成熟すれば、監視、テスト、拡張を続けていくことになります。我々はこのシステムの計画を成し遂げ、どのように見えるのかについて、いくつかの確固たるアイデアがあります。しかしながら、我々はコミュニティからの素晴らしいフィードバックを吸収することに価値を見出しており、フィードバックは製品を前進させる上でインパクトになることを疑問に思いません。
Stewarding(スチュワード)- これは議論のもう一つの論点の多いトピックで、そしてあらゆるシムレーシングプラットフォームでレーシングイベントを進める上で、最も大変な作業側面のひとつなのは間違いありません。我々がrFactor2にCSのアイデアを導入した際、1つのプラットフォームの目標になる鍵は、ドライバーと参加者のLOQを落とす不必要なレベルの管理を行わず、イベントオーガナイザーがレーシングアクティベーションを最高品質にする方法を簡単にすることでした。このことを念頭におき、我々はシステムにおいて膨大な量の自動化を提供することを常に切望しており、プロテストと判定などは合理化を行っている重要なエリアの一つです。もちろん、これはむしろ大きいエリアの議論であり、システムがこの中で発展と開発を継続すると、更にこれらは個別に拡張していくでしょう。我々のゴールは、ゲーム内システムがたくさんの(簡単な)作業を行い、トラックカットや他の違反を行う場面を監視し、直接ペナルティを与えることにあります。同時に、我々は全てをロボットで行うことが不可能であることにも気付いています。
Broadcast integration(配信システムの統合) -最初は内部的に、そしてオーバーレイパッケージの一部としてこの機能を徐々に導入しているため、大きな変更はありません。いくつかのことは、ここ数ヶ月間でGT ProとChallengeで見られています。このゴールは、競技においてオーバーレイが表示する 順位、ポイント、参加者、カレンダーが正確に反映されることを確認することです。
Roles and team based driving(役割とチームベースのドライビング) -この機能については、ここ数ヶ月間、rFactor2のCSにおいてコミュニティから多くのリクエストが寄せられており、そして我々自身が熱狂的な耐久レースファンであることから、このような機能を搭載し、皆さんにシステムを楽しでもらいたいと切に願います。現在のところ、我々はコンペティションの中で、複数のドライバーもしくは車両の”エントリー”が可能になる機能の追加作業を行っています。さらに、我々はシステムにおいて役割の定義を行っており、これは例えばレースマネージャーのような特別な役割を、チームが選出できることを意味しています。他の役割には、スチュワード、レースコントロール、配信を円滑にするカメラマンがあります。
Offline Championships(オフラインチャンピオンシップ)-私は開発の注目の多くが、rFactor2のオンラインエクスペリエンスの改善にフォーカスしていることを確信しています。しかし、これらの変更により、我々はプレーヤーベースのオフライン部分に恩恵のある、新しい機能の導入も視野に入れています。我々は既に、コアシミュレーションにおいて多くのリクエストがある、オフラインチャンピオンシップモードを実現する方法を確立しています-これはオンラインパーツがスムースに実行された後に追加されます。我々はCSの一部として導入した機能を利用し、プレーヤーがカスタムチャンピオンシップツールを利用し、AIとのレースが可能になるようにします。これは長い時間、rFactor2に来ることが待ち望まれていましたが、待つ価値があったことを望みます。
Integration(統合) - このトピックは現在、Studio397とrFactor2の新しいオーナーであるMSGと活発に議論されており、rFactor2のエンジンが多くの新しいゲームのベースとなることから、CSについてのレビューと検討、及び統合Traxion.ggウェブサイトへの統合が行われています。これらはまだ決定されていません。我々は時間経過と共にアップデートしていくでしょう。
現時点のCSの最新情報と開発の未来については、これぐらいでしょうか。それでは、恒例の、ここ数週間でコミュニティから寄せられたいくつかの質問に移行しましょう…
Q&A PICK UP
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ショールームは、将来は更新、追加される可能性がある。サードパーティー製もあるが、難しいのは照明であり、修正候補の一つに上がっている(実際にはかなり後方に並んでいる)
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CSについて、将来的には個別サーバーでのホスティングや、オフラインコンペでも利用できるものとしたい。
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(上述の通り)耐久レースにおいて、チーム機能を導入し、CSでも利用できるようにしていく。既にシステムは数百人に対応できるように変更が進んでおり、昨年は耐久レース向けの問題解決に時間を費やしていた。
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アメリカ、オーストラリア/アジアのタイムゾーンへの対応を行う。
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CSでのストックカーレース(オーバル)について、現在ライセンス契約を結んでいる。いくつかのコンテンツが追加される予定。
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CS(ゲームシステム)への配信システムの統合を行う予定。配信のみでもデータにアクセスできるよう、現在オーバーレイの調整を行っている。
まとめ
今週のCSブログの冒頭部分では、CS(そしてrFactor2)の将来についての文章が掲載されています。おそらくは、こちらがStudio397のツイートにも記されていた、Marcel Offerman氏の文章かと思われます(PJの文は読みやすいので😁)。
基本的には、昨年末のロードマップと現在を見比べるレビューとなっているので、これまでのCSの変遷を綴ったものが多く、プロテスト、ペナルティなどについては昨年末よりも踏み込んだ内容になってきている印象です。
一方、チーム機能の導入、オフラインチャンピオンシップの導入、そして最後に少しだけ書いてあるMSGとの関係性は、昨年末にはあまり重要視されていないトピックだった気がします。特にMSGとの統合については、ここ数ヶ月の間でも昨年末とはかなり事情が変わっていることが伺えます。
実は、MSGとStudio397との関係は、2年前には既に始まっていたことが様々な資料から分かってきています。そして、その関係性は少し前に発表されたMSGの決算報告や、どらいばーずみーてぃんぐ3月号で特集した有識者アンケートで語られていたもの以上であったことも判明しています。
その一部となる部分は、実はQ&A内で少しだけ触れられています。もちろん、詳細については現時点では不明ですので、その辺りは(近々あるであろう)今後の発表を待ちたいと思います。
しかし…なんだか大きな話になってきた気がします😓