フロンティア「不可能を可能にする挑戦」NHKBS 6/11放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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FRONTIERS その先に見える世界
「不可能を可能にする挑戦」NHKBS 6/11放送

感想
障害者に対するアプローチが積極的になっている。
特にBCI。脊椎をバイパスして、足への信号伝達により歩けるというのには驚いた。
あと人工内耳がブルートゥース信号をダイレクトに受信出来ることも。これなど能力の補完というより「サイボーグ化」だな。


内容
Case1 アレックの場合 自然に歩くために
アレック・マックモリス。右足を切断して約10年。
自働車事故によるもの。何気ない動きが恋しい・・
彼が7年前から通う場所。アメリカ ソルトレイクシティ。
世界最先端の義足の被験者として参加している。楽しみ。
トマソー・レンツィ。ユタ大学 生体工学研究所 所長。
従来の義足は受動的で、階段を上がる時など腰に負担が掛かる。
開発中の義足は膝が体重を支えるので健康人の動きを再現。


電子回路を組み込み、自ら考えて動くAI義足。

 

AI義足でも解決出来ない現象がある→幻肢痛
なくなった足をあるかの様に感じる。脳の誤動作。謎が多い。
スイスで、ある技術が開発されている。
スタニサ・ラスポポビッチ チューリヒ工科大学 教授
末梢神経と脳との間で起きる問題。送られて来るべき情報がないため、脳は痛みとして処理する。
→脳へ伝わる筈の手足の感覚を再現
義足の足裏に圧力センサーを付けたインソールを使用。
足に電極を埋め込み神経を刺激(神経義足)

どこが地面に触れているかを知ることが出来る。幻肢痛が軽減。
運動機能も向上する。
靴下型の装置も開発中(皮膚表面から伝える)


糖尿病で両足マヒの患者にも有効。

Case2 ネイサンの場合 たとえ体が動かなくても
ネイサン・コープランド。20年前に脊髄損傷。首から下が麻痺。
着替え、食事等で多くを人に頼る生活。
頭の装置を入れたのは2015年5月4日(スター・ウォーズの日)
何が出来るか。コンピューターゲーム。
ロバート・ガント。ピッツバーグ大学 准教授。
ブレイン・コンピューター・インターフェイス(BCI
脳への直接アクセス。脳が生む電気信号を受け取り、コンピューターや体に伝えて動かす。


ゲームをする時
指を動かす事で、脳に夫々の電気信号が生まれる。その信号をコンピューターに伝え、コントローラーのボタンに対応させる。


頭に思い浮かべるだけでゲームが出来る。
体を動かせない人の「希望の技術」
機械を動かすだけではなく下半身不随の患者で、途切れた脊髄を迂回して脳から信号を伝えれば、歩くことが出来る。


多数の針を埋め込んだ電極が脳の電気信号を拾う。
ネイサンの手術の場合
電極は運動野に配置される。脳の配置と指の動きの相関が判明。

機械からの信号を脳に伝えることも出来る(触れる感覚を得る)

イーロン・マスクも臨床試験を開始。急速な進化。
ネイサンの言葉。BCIの触覚は、以前のものとは異なるが、何かを感じられるのは本当に良いもの。障害者の可能性が広がる。

Case3 サムの場合 光を取り戻す
失明者に対して、視力を取り戻せる装置は存在しなかった。
このシステムが開発されるまでは。


サム・クーズ 18年前に病気で失明。
アッシュ・アッティア。バイオニック・アイ開発メーカ。
カメラで取り込んだ信号をマイクロプロセッサーに繋ぎ、変換した電気信号を網膜裏にある電極に伝える。


視神経を電気で刺激する事で視覚を再現(白い影として見える)


失明者にとっては雲泥の差。
ペネロペ・アレン。オーストラリア眼科研究センター
初めは電気刺激の光に戸惑うが、訓練でモノの認識が出来る。
 
Case4 公美子の場合 夢の技術が暮らしの中へ
安岡公美子。日野記念病院 医師。
人工内耳を両耳に装用して、耳鼻咽喉科医師として働いている。
4歳に難聴となり補聴器を使用(重度感音難聴:内耳の障害)
何を言っているのかが分からなくて、大学の医学部に進むも講義について行けず。努力だけではどうにもならない。医学部教授の勧めもあり人工内耳を装用(電気信号で直接聴神経を刺激)


土井勝美 医誠会国際総合病院。
人工内耳は現在では広く認知され、1歳の子供にも施される。
各メーカで開発している。ブルートゥースとの連携で、直接電子機器からの信号が受けられる。

被験者になるにはリスクもある。同意書には「あなたに直接的な利益はない」との文言がある。貴重な存在。