心(TVドラマ)1980年 TBS系 全40話(BS11) | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

2024/1月現在、BS11で再々放送中(コチラ

 

原作(脚本)  橋田壽賀子
プロデューサー 石井ふく子

キャスト
一村平(まさる):宇津井健
一村糸(いと)   :山岡久乃
一村友(とも)   :長山藍子
一村寛(かん)   :篠田三郎
沢木喜和            :赤木春恵
沢木佐和(長女):大空眞弓

沢木三和(次女)                 :沢田雅美
若林哲子(従業員)              :杉田かおる
宮寺順一(友の駆け落ち相手):前田吟
孝子(恵一・太一の実母)      :波乃久里子

宮寺恵一(宮寺の長男)         :田原俊彦
宮寺太一(宮寺の次男)         :吉田紀人

長谷川志津 (「川本」オーナー)  :山田五十鈴
長谷川伸子(志津の長女)              :東てる美
大橋千代 (川本の手伝い ちぃばぁ):大鹿次代
滝村圭造(滝村医院院長)  :桜井センリ
滝村ハナ(圭造の妻)        :岩本多代
花輪大介(圭造の甥 )       :おりも政夫
高田加奈(滝村医院看護婦) :上村香子
三條(伸子の実父)             :山村聡
峯子(平の婚約者)             :松原智恵子
野村(孝子の交際相手)         :大出俊
八田鶴次郎(八百屋)            :小倉一郎
吉沢浩介(糸の幼なじみ)      :岡田真澄
工藤慎吉(佐和の見合い相手):江藤潤
文子(喜和の幼なじみ)   :野村昭子


感想
放送当時はまだ独身だったので時々観る程度であり、今回の放送も途中で知って観始めた(BS11による再放送)
橋田壽賀子のドラマは「渡る世間は鬼ばかり」を最初から観ている。好きな面、嫌な面取り交ぜて良く承知しているが、まあややこしい話をよく作るものだ。
話の軸になるのが友。妻子ある宮寺と不倫の仲になり、妻孝子は子供を残して逃げ出す。相手の宮寺も仕事がうまく行かなくて蒸発。行くところがなく子供を連れて実家に戻った友。
そして次から次へと起きる中小トラブル。さすが橋田壽賀子。
ただ、恵一ら子供の戸籍上の扱いが一体どうなっているのか、その辺りが棚上げにされていて、どうもナットク行かない。
孝子は離婚したわけでもなさそうだし、宮寺も友と結婚してはいないみたい。ただ子供たちの住民票は動かした様だから、普通は地域の民生委員が放っておかないだろう。
そして友が連れて来た長男が恵一、次男が太一。これってどうよ。どっちにも一が付いている理由の説明がなかったが・・・

細かい事を言い出せばツッコミどころは多々あるが、なるほどホームドラマって面白いんだナー、と実感。

あらすじ
第1話「結納の日」
東京・神楽坂のとんかつ店「一村(いちむら)」を舞台に、互いを思い合う姉弟愛がテーマ。
一村糸(いと:長女)、平(まさる:長男)、寛(かん:次男)友(とも:次女)という4人のきょうだい。糸と平は両親代わりとなって年の離れた寛と友を育ててきたが、友はお客と駆け落ちし、家を飛び出していた。仕事に追われ40歳まで独身を貫いてきた平が、ある日結納の日を迎えることに。

仲人と共に結納に出掛ける平と糸。
小料理屋「佐和」の女将・喜和は長女の佐和、次女の三和との三人暮らし。沙和は昔平と両想いだったが、駆け落ちする勇気がなかったと三和に話す。
寛は糸、平の援助で大学を出た後研究室で働いており、同じ大学の学生 長谷川伸子と親しくしている。
帰って来た平が吐いて苦しみ、滝村医院の滝村圭造院長の往診を受ける。手伝いに来ていた、大学病院勤務の甥 花輪大介も同行。結納が精神的負担だったとの診立て。
寛が平に「一村」の嫁じゃなく兄貴の嫁だぞ、と言うが「結婚する」と言い張る平。
八百屋の鶴次郎が、自分の家に入れない友を見て声を掛け、喫茶店に誘った。



第2話「妹よ」
平と結納を交わした峯子が店を手伝いに来た。


だが従業員の哲子(中卒で就職)を辞めさせた方がいいとか、店内の改装まで言い出し、糸は困惑。
店の閉店後、鶴次郎が友を連れてきた。駆け落ちした相手が逃げ、その子供恵一(中2)と太一(小3)も一緒。
その時太一が倒れ、滝村医院に連れて行くと栄養失調の診断。

病院から戻った友らを見て戸惑う峯子。
翌日、仲人を通じて婚約解消を言って来た峯子。

第3話「他人の子」
友が居たアパートへ行った平。ガス、電気も止められていた。
逃げた男 宮寺をかばう友。また宮寺の妻も今は行方知れず。

母親から奪ったとの思いで、余計子供を手放したくない友。
平は友に50万を渡して借金整理するよう言った。
小料理屋「佐和」で、つい友の事を話した鶴次郎。飛んで来た喜和に冷たい糸。
夕食後、子供を巡ってきょうだいでの話し合い。
別れるなら今のうちと言う平、寛に「冷たい」と怒る糸は、子供たちの親が迎えに来るまでは手許に置くと言った。
芸者置屋「川本」:女将の長谷川志津は伸子の母。
仕入れに行く佐和と話をする平。佐和も友の事を気にしている。
店にやって来た仲人の佐伯に、縁談を断ってしまう平。

第4話「家族のつぐない」
太一を連れ、小学校へ転校の手続きをしに行く友。
早速店を手伝い始める友。昼休み、店に佐和が訪れて友と話をした。宮寺の事や子供への思いを話す友。
平の縁談が壊れた事を内心で喜ぶ佐和。
佐和が帰った後、糸に平と佐和の仲を聞く友。
落ち着いたら、喜和に(結婚の事を)話すと言う平を断る佐和。
恵一が帰らないので学校に電話した友。半月休んでいる。
帰宅した恵一。毎日父を探していたという。
滝村医院で十二指腸潰瘍と診断された友。
結局恵一も転校する事になり、平が手続きを行った。
太一が登校拒否になる。

第5話「子供の気持」
恵一の初登校日。誰が送るかで揉める(結局一人で行く)
供に仕入れに行く平と佐和。深入りするなと釘を刺す喜和。
大学の精神科へ太一を連れて行った友。
診断は「孤独が原因」友との不倫が原因で母親が家を出て、宮寺も一時不在の時、恵一と太一は2人きりの生活をした。
愛情をかけてやるしかない。友が学校まで付いて行き、見守る約束をした事で登校する様になった太一。
そんな二人の様子を窺うヒゲ面の男 宮寺は、平に気付かれて殴られる。

第6話「姉弟喧嘩」
平は、子供は引き取るが友には会わせないと言った。通信販売の仕事に躓いて借金が嵩んだと言う宮寺。子供らは施設に預けるから連れて来て欲しいと言われ、頭を抱える平。
店で宮寺に食事を食べさせる平。そして彼に弁当の注文を取る仕事を提案。店兼住居も提供すると言われ、涙する宮寺。
喫茶店で三和が寛に誕生日プレゼントを渡す。
それと入れ替わりで今度は伸子が来てプレゼントを渡した。
平が50万要ると言うが、理由が聞けなくてイラつく糸。
佐和の店に融資するものと思い込んでいた。

第7話「お前が大事なの」
平に渡す50万を用意し、渡した糸。
相変わらず「佐和」への援助と思っていた。
宮寺に金を渡した平は、しっかりカタがつくまで子供にも会わないと約束させる。
糸の方から佐和に連絡して、話し合いの場が持たれた。
融資した50万・・・と聞いて驚く佐和は早々に立ち去った。
翌朝、佐和を待っていた平は謝るが、佐和は黙って行ってしまう。
翌日、宮寺が女性の代理電話「田中」でアパートを借りた事と、その住所を平に知らせたが、電話を受けたのが糸。
ますます平に不信感を持つ糸。

第8話「兄の秘密」
父親捜しを続けている恵一を叱る友は、思わず手が出る。
勉強に付いて行けないと言う恵一。高校進学を巡って皆で話し合う。勉強を見てやると言う寛。糸と二人になった時に、あの50万は競馬でスッたと思ってくれと言う平。
太一は友達とのケンカを機に学校へ行ける様になる。
店の経営について対立する喜和と佐和。三和は傍観。
教授に就職先の斡旋を頼む寛。残念がるが引き受ける教授。
友は鶴次郎に誘われ太一と遊園地へ。気にする平を笑う糸。 
急に恵一と太一をポラロイドで撮る平。それを宮寺に渡した。
糸に外出を咎められた平は、外に女性が居ると嘘をつく

第9話「みんな勝手」
糸が哲子に弁当を持たせる。彼女は5人兄弟で親はなく、兄嫁に気遣いしており、糸が気を利かせていた。
平は今後毎日弁当を50個作ると宣言(宮寺に回す分)
寛の就職先になるかも知れない、東西工業の社長を接待する伸子。その後「一村」に連れて行くが、事情を知らない糸が就職を断ってしまった。寛から独立すると聞かされて怒る糸。
平の弁当作りが、突発で入った折詰め150個の注文でパンク。
結局その分を「佐和」に頼んで凌ぐ平。

第10話「ひとりぼっち」
恵一の勉強に力を入れる寛。一方所在ない太一。
多忙な友は相手をしてやれず。
遊園地で「一村」のとんかつ弁当を売る宮寺を見る平。
滝村医院の看護婦 加奈の家事修行を引き受ける糸。
伸子はまだ東西工業社長の三條と繋がっていたが、寛は自分で就職先を見つけると断る。三條との会食で甘えを見せる伸子。
翌日、神社の階段に座っていた太一が、鶴次郎に声を掛けられてどこかへ行ってしまった。探し回った末落胆の友。

第11話「弟よお前もか」
町田の警察から連絡を受け、平と友が太一を引き取りに行った。町田は宮寺の家があった所。戻った友は太一を避ける。
その後は糸が太一の世話をした。
芸者置屋「川本」:母の志津に、中年男性と会っていた事を咎められる伸子。相手が東西工業の社長と聞き驚く志津。
寛が、平と糸に就職を決めたと告げる。内心寂しい糸。
平は、糸に想い人が居た事を知っていた
宮寺からの連絡で、次の日曜に若者のイベントがあるから300個出るという。準備に張り切る平。
喜和が、佐和の見合い相手を決めて上機嫌で帰宅。
そして日曜。雨となり慌てて傘をさして外に出る平。

第12話「何のために!」
雨のため鶴次郎が恵一と太一を室内プールに誘う。糸に言われて哲子も参加。その時哲子に、友は許せないと話す恵一。
イベントは中止となり、大量に売れ残った弁当。
廃棄する様言う平に、必ず売れると豪語する宮寺。
見合いを嫌がる佐和だが、店へその相手 工藤を呼ぶ喜和。
行き違いで普段着のまま相手をした佐和を気に入る工藤。
糸は、滝村院長の妻ハナに、加奈を平の妻にどうかと相談。
三條に会いに行った志津。親しく話し合う二人。
保健所の職員が「一村」の折り詰めで食中毒が出たと通告。
宮寺に連絡を入れる平。
悪びれる事なく翌日売り切ったと言った宮寺。

第13話「どこへ行くの!!」
「一村」に休業お詫びの張り紙。
ここまで来ても平は宮寺のことを話さない。
平に詫びる宮寺に「勤め口を探せ」と言う平。
幸い営業停止は10日間ほどで済みそう。
伸子の父親は三條だった。振ったのは志津。
一方で寛の住むマンションの事を、不動産部門も持つ三條に相談する伸子。
学校帰り、公園に居る哲子に会う恵一。お互い両親の話をする。仲が良かった両親をぶち壊したのはあの女、と言う恵一。
例の女「田中」からの電話を受ける平。
宮寺がガス自殺を図ったという。 

第14話「尽しても尽しても」
病院に駆け付けた平。一時危ぶまれたが助かった宮寺。
暗い宮寺に、子供たちを中庭に連れて来ると約束した平。
喜和に10万の借金を申し込む平。渋る喜和の代わりに佐和が金を渡した。それで宮寺の入院費を払う平。
ナイター見物を理由に恵一と太一を連れ出した平は、口実を作って病院の中庭に2人を残した。それを見る宮寺。
父に気付いた恵一。帰る途中で病院に戻るが宮寺は退院。
息子だと言って住所を訊き出し、訪れるが不在。
あとを追って来た平は、残された書置きを恵一に見せた。
平に殴りかかる恵一。

第15話「新しい父さん」
公園で恵一を慰める平は、父の自殺未遂を自分のせいだと言う恵一に本当のことを話した。宮寺を庇う平。
もう父は探さないと言う恵一は、平を殴りかけるが抱き付く。
別々に帰った二人。女に振られた事にして糸を躱す平。
営業停止が解け、店に活気が戻る。皿洗いを手伝う恵一。
伸子が三條に世話を頼んだというマンションを一緒に見る寛。
そのマンション購入の事が糸に知られる。財産分与代わりに買ってやってもいいと言い、それに賛成する平と友。

第16話「姉さんは邪魔者」
糸はマンションの素性を調べようとするが分からず。見に行った限りではいい物件。寛に300万渡し、世話してくれた人に借金を返せと言う糸。相手の事を話さない寛。
伸子に300万を返す寛。ソファーをプレゼントすると言う伸子。
マンション調度の世話を焼く糸。引っ越し準備に入る寛。
運び込まれたソファー類が伸子からのものと知り、怒る糸。
寛は伸子との結婚を口にするが、芸者の娘だと大反対の糸。
糸と志津の話し合い。双方で結婚に反対し物別れに。
夫々一人になった時、涙を流す糸と志津。

第17話「突然です」
三和が寛のマンションを訪れて料理を作り始める。
寛は芸者とは一緒になれない、と言う三和。
入った会社へ出勤を始めた寛。
糸が喜和の店を訪れ、平と佐和を結婚させて欲しいと言い出すが反対される。佐和も工藤との結婚が店のためと考える。
店の者を集め、自分で買って来た下着や衣類を渡す糸。
そして従業員に小遣いを、平と友にはボーナスを渡した。
店は全て平に任せると言って権利書も渡す。
店を訪れる男 吉沢浩介。

第18話「結婚したいの」
25年ぶりにフランスから帰国した浩介は、糸の初恋の人。
昨年妻を亡くし、帰国したという(圭造との話で判明)
鶴次郎の提案で民宿に出掛ける恵一、太一、友と哲子。
ホテルロビーで浩介と話す平。元々、糸を忘れるために結婚したと言う浩介。糸に結婚を申し込むつもりだと言った。
そして小綺麗にした糸が来た。
「佐和」に平が行くと、先客に見合い相手の工藤がいた。
工藤が作った料理を褒める平。平と佐和の仲を感じる工藤。
糸は家でぼんやり(浩介に結婚を申し込まれた)

第19話「愛のかたち」
浩介の借りたレンタカーでデートに出掛ける糸を心配する平。
「佐和」でも糸の事が噂になっていたが、喜和は乗ってこない。
民宿から戻った鶴次郎一行。恵一と哲子の事が気になる友。
昔の浩介を知る圭造が「金にルーズ」と話すが、騙されてもいいと言う糸。ウエディングドレスの採寸をしたと言う。
実家に戻る様言われている大介に、行かないでと言う加奈。
辞めたいと言う加奈を見て、圭造は平と加奈を結婚させる話を糸に持ち込む。返事を渋る平(大介への気遣い)
待ち伏せして平と話した加奈。振られた者同士でいいかも知れない、と糸に話す平。

第20話「かなしい嫁候補」
久しぶりに家へ戻った寛は、働く恵一や加奈を見て驚く。
昼時は医院へ食事を作りに戻る加奈。心配する圭造。
おもちゃを隠していた太一。「秘密にして」と恵一に頼む太一。
浩介を店に連れて来た糸。一旦フランスに戻り荷物整理すると言う。イラつく友。
糸から、浩介のために100万融通してと言われドン引きの平。
それでも何とか小切手を用意した。簡単に受け取る浩介。
新学期になり、学校へ行く恵一たち。
平に相談があると言う糸に、いくらお金つぎ込むの?と友。
店で具合を悪くした加奈が、外の空気を吸いに出て倒れた。

第21話「母さんみつけた!!」
加奈は圭造の診断によれば肝炎。極度の疲労が原因。
入院する事になり、費用は持つと平は約束した。
加奈が嫁にふさわしくないと言い出す糸と友。
また、糸は更に20万を無心。そして浩介に渡した。
カメラを欲しがる太一を宥める恵一。その事を知った哲子。
入院した加奈(大介の大学病院?)は、見舞いに来た平に結婚辞退を告げる。大介も反対。
哲子が、2万の前借りを頼むが糸に詮索され断念。陰で平が渡した。その金を恵一に渡し、カメラを買う様言う哲子。
写真店で恵一がカメラを買っていると、そこに恵一の母が赤ん坊を抱いて男性と入って来た。慌てて隠れる恵一。

第22話「裏切り」
遅く帰宅した恵一は、映画を観ていたと言う。友を止める平。 
カメラを太一に渡す恵一、だがさほど喜ばない。
太一は、引き出しにもう一台のカメラを隠し持っていた。
恵一は哲子に、自分のバイト代で足りたと2万を返す。母親を見掛けた事を話した。家まで尾行したが声を掛けられず。
レストランで三條と話す寛。伸子と一緒になって欲しいと言い、自分は実父だと打ち明けた三條。伸子に言うつもりはない。
着るものを買ったから取りに来いと言う糸の電話。断る寛。
佐和に、他に想い人が居ると感じて身を引く工藤。
恵一は学校の帰り、母親の家様子を見に行っていた。
太一が万引きで捕まる。店を訪れた刑事。

第23話「おもいお荷物」
刑事の話。太一が万引きグループの一員で、実行犯ではないが、山分けしたものを貰っていた。陰で話を聞く恵一。
太一のおもちゃを全て処分した恵一。
太一を連れて帰った友。家で引き出しを探すが盗ったおもちゃは見つからず。恵一と二人になった時、リーダに命令されるままだったと言う太一。仲間外れにされるのが嫌だった・・・
子供たちの両親を探すと言い出す友。
店の切り盛りを押し付けられてキレた佐和は、平を呼び出して結婚したいと伝えるが、親子喧嘩の勢いだと取り合わない平。
太一が、鶴次郎の八百屋を手伝いたいと言って働き出した。
出張用のバッグを取りに来た寛に、三和も伸子も近づけてないなとダメ押しをする糸。言い返す寛。
訪問に来た恵一の担任に、成績が落ちていると言われる友。
赤ん坊を抱いた母 孝子に「母さん」と声をかける恵一。

第24話「愛のめばえ」
夜、恵一の引き出しを開けてノートを漁る友を止める平。
母 孝子を訪れ話す恵一。太一をここへ置いて欲しいと言う。
宮寺の失踪を聞き驚く孝子は事情を話す。宮寺に拒まれて子供を残して出た。辛さで死のうとしたが、今の相手に出会った。
帰る恵一と入れ違いに帰宅した野村。
三條が「一村」を訪れ、伸子と寛の結婚を許して欲しいと言う。
皆の前で、伸子と結婚する事を宣言する寛。
芸者をやる者はダメと言う糸。伸子の実父だと告白した三條。
哲子にノートを渡す恵一。そこには強い思いがびっしり。
交換日記の提案。すぐ返事を書き始める哲子。
三條が帰ると寛をビンタする糸。寛の嫁取りには夢があった。

第25話「諦めました」
姉弟4人が伸子を巡っての話し合い。話がエスカレート。
三條は志津を呼び出し一緒に飲む。志津と結婚出来なかった事を後悔し、ほだされた志津は「酔わせてもらいます」
酔って帰った志津は、伸子に結婚を認めると伝えた。泣く伸子。
志津はその後糸にも承諾のことを話し、意気投合する。
恵一にノートを渡す哲子(やっぱり直に渡さないと)
圭造に浩介の嫌味を言われ泣き出す糸へ、彼からの手紙。
借金は糸の口座に振り込んだという。喜ぶ糸は皆に奢る。
恵一を風呂に入らせている隙に、交換日記を読む友。

第26話「愛のゆくえ」
戻った恵一は交換日記を読まれた事に気付く。「あいつ・・・」
寛に振られた三和は佐和に、平と結婚しなさいと圧力をかけ、店は自分が継ぐと言った。
三和の手配で佐和と会った平は、俺の所へ来てくれと言った。
糸は浩介と住むマンションの事ではしゃぐ。嫌味を言う友。
最近、昼に不在の孝子を気にする野村。妻に死なれ赤ん坊を抱えていた野村を手伝い、自身も救われた孝子。
恵一と哲子が交換日記をしていると糸、平に話す友。糸は哲子に辞めてもらうと言い出す。次の就職先を探す方向に。
佐和が「一村」に嫁ぐと聞いて怒る喜和。応援する三和。
公園で待ち伏せして恵一に会う孝子だが、拒絶する恵一。
哲子を引き受けるという、とんかつ屋からの電話を受ける平。 

第27話「生きてたって」
昼休みに呼び出された哲子。キラクというトンカツ屋が哲子を欲しがっていると話す糸。潔く「お世話になりました」と哲子。
待ち合せの公園で転職の話を恵一にする哲子。怒る恵一。
更に夜7時に待ち合わせようと言った恵一。
夜、荷物をまとめて太一に別れを告げ、出て行く恵一。
哲子も荷物を持って家を出た。
閉店後恵一、哲子を探しに出る友。
恵一と歩く哲子は、死んだ父母の所へ行きたいと泣く。
海を見に行こうと言った恵一。二人は電車で千葉の海へ。
哲子の手持ちは5万。朝まで眠れない一村の家族。

第28話「死をみつめて」
警察から戻る平。哲子の田舎にも連絡なし。パニックの友。
一村の厨房を手伝う佐和。仕事ぶりに感心する糸。 
駅前で倒れていた友を連れ帰った平。付き添う太一。
千葉の海岸を歩く恵一。死ぬのは怖くないと言う哲子。
寛が伸子を連れて来た。手伝いを歓迎する佐和。
泊っている民宿の女主人が二人を疑い出す。海岸で上がった水死体に縋りつく母親を見て動揺する恵一たち。
寛が会社を休んで訪れ、千葉に行く平と友に合わせて民宿に電話を掛けまくった。
海にいる二人。「俺たちキレイなまま死のうっていってたけど・・・」
と言う恵一に目を閉じる哲子。
 
第29話「ふれあい」
民宿に向かった平、友と太一。散歩から帰った二人。友が取り乱して恵一に殴りかかる。平がビンタをして落ち着かせた。
その晩は旅館に泊まり、友は哲子と話をする。
圭造が糸に平と佐和の仲人を頼まれ「佐和」に出向いた。今でも反対だという気持ちの喜和に寄り添い、一任される圭造。
話を決めて「一村」に戻った圭造は、いろいろ文句を言う糸を一喝。送り出す者の気持ちになれ!と言われ反省の糸。
後に糸は喜和を訪れ、佐和を嫁にもらうお礼を言った。


帰った恵一は友に対して心を開き、手伝いもする様になった。


一方野村の家。彼に問い詰められ恵一と太一の居場所が分かったと話す孝子。子供たちを引き取るためここを出たいと言った。
平と佐和の結婚が11月12日に決まった。

第30話「結婚したけれど」
「一村」に通いで手伝う佐和。複雑な友。
退院する加奈を見舞う平。結婚を聞いて祝福する加奈。
レストラン。三條に、平の結婚式に招待されない事を愚痴る伸子。そこで三條が倒れ救急搬送される。駆け付けた妻 里子。
結婚式当日。白無垢姿の佐和。式は滞りなく終わった。
ホテルの部屋にいる平と佐和。旅行代わりの一泊。
鶴次郎に、以前告白された事を聞き直す友。感激の鶴次郎。
三條を見舞う寛。軽い狭心症だった。自社に入る事を打診される寛。いずれ伸子と共に養子にしたいと言った。
ホテルを切り上げて戻った平と佐和は仕事を始める。

仕事の配分をどうしようかと友に相談する佐和。

それを曲げて解釈される。
「川本」の前で様子を窺う三條の妻 里子。

第31話「別れ」
「川村」を訪れた里子。志津が居留守を使うので伸子が対応。

三條が伸子の父親だと告げてしまった里子。ショックの伸子。
志津が「一村」を訪ねて糸、平に事情を話す。
頼まれて伸子に両親の事情を話しに行く平。
野村が個人の託児所を見つけたので、それを機に家を出た孝子。
寛は伸子に、三條の会社には行かないと宣言。だが伸子は別れを切り出す。母の苦労を知り、芸者を継ぐと言った。
浩介の荷物が税関に届いたとはしゃぐ糸。相談の余地ない寛。

第32話「待ちびと」
お座敷に積極的に出るという伸子に困惑の、志津とちいばぁ。
全てを三條に話す寛。妻に知られていた事にショックを受ける三條だが、伸子を見捨てないで欲しいと頭を下げた。
「佐和」で三和は、伸子が芸者を再開した事を怒っていた。
合間を縫って佐和が喜和に、店で聞いた寛と伸子の破局を伝える。佐和も三和の想い人が寛だったのを初めて知った。
マンションに荷物を運び込んだ糸。手伝いに来た平。
友、恵一、太一、鶴次郎が鍋をつつく。食後友が片付けをしている時、鶴次郎は友の事を以前から好きで、二人の父親になりたい事を告げる。太一は概ね賛成だが恵一は部屋に上がった。
糸にニューヨークの浩介から電話。12月の初めに帰るとの事。

第33話「居場所のない家」
糸が業者に頼んで明日から工事が始まる。いらつく友。
恵一が哲子に鶴次郎と友の事を話す。ただ聞くだけの哲子。
鶴次郎を手伝う太一を見て自分なりの答えを出し、友に結婚してもいいと話す恵一。それを友の口から聞き小躍りする鶴次郎。
おつかいの帰り芸者姿の伸子に会い、寛と別れた事を知らされた三和は、帰っても喜和から小言を言われ部屋に引き籠った。
店が開けず、佐和に電話をする喜和。助けてやってと言う平に不満顔の糸。結局その日は佐和が「佐和」を手伝った。
背広を着た鶴次郎が「一村」を訪れ、友を下さいと申し込んだ。
糸は賛成するが、平は子供たちと離れるのが寂しい。
浩介の顧問弁護士が訪れ、彼が帰って来れないと言った。

第34話「かえらぬ人」
顧問弁護士は、浩介がニューヨークで交通事故に遭い亡くなった事を告げに来たもの。全く信じない糸は、騙さないでと怒る。
糸は浩介と住む筈だったマンションに行き、座り込む。平が弁護士から預かった鍵でケースを開けると、ウエディングドレスが出て来た。それを抱きしめて浩介の死を実感し泣き崩れる糸。
平が代理で受けた浩介の遺産が糸に渡される。

要らないのに、と気力のない糸。葬式、納骨を終えた糸は、再びあのマンションに行き引きこもってしまう。
佐和は、以前から声をかけていた友人に手伝いに入ってもらう事を平に話す。そして勤めることになった幸子。面白くない友。
友がマンションを訪れ、糸にグチをこぼすが無反応。友はお姉ちゃんがダメになると訴えるが、平や圭造は一人にしておく考え。
久しぶりに糸が戻って来た。店から入り、様子を見てから奥に。
佐和が大口の注文を受けたり、手伝いが入っていることを叱責。

第35話「男はつらいよ」
一村の兄弟が飲んでいるところへ圭造がとりなしに来る。平が一緒に宥めるが頑なな糸。浩介と住む筈だったマンションは既に手放し、家具を売った金も含め施設に寄付すると言った糸。
バイトの幸子に、もう来なくていいと断る糸。
翌日挨拶に来た幸子から話を聞いて「一村」に押し掛ける喜和。佐和を連れて帰ると言う喜和に買い言葉で「どうぞ」と糸。
平も腹を立てて家を出て行ったが、行くところもなく寛のマンションに行った。歓待する寛。
翌日圭造と寛が話しに行くと、もう店に出ないと言い出す糸。
結局一村の前でうろついている平は、佐和と落ち合い店に入る。
働く糸は、哲子が仕出しの注文を受けるか訊くと、平と佐和ちゃんに聞いてと突き放す。

第36話「突然の贈物」
糸はカウンターに入らず接客。店には一切口を出さなくなった。
平の佐和は兄弟に新婚旅行(ハワイ)には行かないと言った。
旅館で、同僚らが話す子供へのクリスマスプレゼントの事を聞いている孝子。そこへ野村が来て、坊やたちにと金を渡す。
鶴次郎が皆を連れてスキー旅行に行くと言うので、喜ぶ恵一と太一。また閉店後の店でクリスマスパーティーをするための準備。
そこへデパートから太一宛てに自転車が届く。鶴ちゃんからのプレゼントだと喜ぶ太一。添付のメッセージカードを隠す恵一。
恵一は孝子のアパートに行くが不在。戻った野村に拒絶の意思を伝えると、赤ん坊は亡くなった妻の子で助けてくれたのだと話す野村。そして君たちを引き取るために自分とは別れたと言った。
店で医院の皆も呼んでのパーティー。サプライズで寛が平と佐和にハワイ行きのチケットをプレゼントした。
その様子を店の外から窺う宮寺。

第37話「女ふたり」
一村の工事も終わり皆で引っ越しの作業。
一方喜和は心細くて愚痴をこぼし、それにイラ付く三和は友人と旅行に出掛けてしまった。
翌朝鶴次郎と一緒に友、恵一、太一、哲子がスキー旅行に出掛け、次いで平と佐和もハワイ旅行に行った。
大晦日。めいめい一人で年越しそばを食べる糸と喜和。
年が明けてばったり顔を合わせた糸と喜和。意気投合して初詣の後一緒に飲み始める。酔って喜和の店で働きたいと言い出す糸。
ハワイからの電話に上機嫌で応対する糸と喜和。心配する佐和に大丈夫と笑う平。
翌日糸を訪ねる喜和。昨日の事はちゃんと覚えていた糸。
孝子に会った野村は、今の生活を壊されたくないという恵一の話を伝える。母と子の絆をかざして納得しない孝子。
出ていた皆が帰って来た。「佐和」で働くというのを皆が反対する中、寛は賛成した。一方の三和は大賛成。
店の前に立っている孝子を見つける哲子。そこに宮寺が来たため逃げ出す孝子。宮寺が追って行った。

第38話「冬のわかれ」
年明けの六日から「一村」も「佐和」も仕事始め。
喫茶店で話す宮寺と孝子。ヨリを戻して子供らと4人で暮らそうと言う宮寺。仕事のメドが付きマンションも借りたという。
閉店間際の「一村」を宮寺と孝子が訪れる。乱れる友。
佐和があわてて糸を呼び戻す。子供を引き取りたいと言う二人。子供たちに一目会わせて欲しいと言う二人に、今日は帰ってくれと言う平だが、糸は「会わせておやり」
店で再会した親子。家に帰ろうとの言葉。沈黙のまま荷物をまとめる恵一に太一も従う。そして店を出て行った4人。
宮寺のマンション。一言も喋らず布団を敷いて寝てしまう恵一の太一に怒る宮寺。それをとりなす孝子。
平は、以前宮寺に弁当を卸していたことを白状した。
友と話す鶴次郎。父親になる事は出来なかったが、それでも一緒になりたい気持ちの応える友。

第39話「一人で歩きたい」
10日経っても子供たちの住民票が移されていないと言う友。
太一が店を覗きに来たと平に知らせる鶴次郎。口止めする平。
帰りが遅い太一に小言を言う孝子。それを庇う恵一。
そこに野村からの電話。感謝しつつも切る孝子。
宮寺が帰宅し、酒を飲んで野村のことを責める。それを隣の部屋で聞いている恵一と太一は手を繋いだ。
閉店前に「一村」を訪れた恵一。店に住み込みで働かせて欲しいと言った。両親の仲は戻らないと悟っていた。太一は両親のどちらかが引き取るだろうとも。
そこにこの場所を聞いた鶴次郎が太一を連れて来た。こちらも八百屋で働きたいと言う。子供らを見て喜ぶ糸と共。
会社を休んで飲んでいる宮寺。孝子をしつこく責める。そこへ一村からの電話。出掛ける支度を始めた宮寺。
「一村」を訪ねる宮寺と孝子。子供たちを追い返してくれと言う宮寺に平が、いがみ合っている親に育てられても、子供は嬉しくも有難くもないと断じる。
しばし沈黙のあと、孝子とやって行く自信がないと言う宮寺は子供を任せたいと言った。自分が引き取ると言う孝子を止める宮寺。子供たちにその話をして帰って行く二人。

第40話(終)「そして春」
「一村」で働き始める恵一。
「佐和」では喜和と糸がいるところへ新しい仕事仲間の文子が訪れる。定年退職して、やることを探していたという。
伸子がお座敷で、懇意にされている社長に襲われそうになる。
伸子が戻った時、志津は既に始末を付けて相手に見舞いを出していた。芸者に誇りを持っていたのにと泣く伸子に、いっそ廃業しようと言う志津。
翌朝寛のマンションに出掛けた志津は、伸子の事を頼み込む。
一村家。寛が伸子と結婚する旨の報告。そこに圭造が来て、大介が加奈と一緒になりたいとの話を相談する。
若い二人を応援する皆。
宮寺から恵一らへの手紙。再び東南アジアで働いており、一村家に二人を託すとの内容。
それぞれの家の様子が描かれる(終)