コズミック フロント☆NEXT「極地大冒険 氷から見える地球史 」9/9放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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コズミック フロント☆NEXT「極地大冒険 氷から見える地球史 」
2020年6月放送の再放送  9/9前編、9/16後編


感想
今年のノーベル物理学賞に選ばれた真鍋淑郎氏の功績がCO2(二酸化炭素)の地球温暖化に与える影響のモデリング。
まさに今回のテーマそのものであり、タイムリーな時期に番組を観ることができた。
地球が温まったり冷えたりする周期は、太陽との距離や地軸の傾き等の要素があるが、最も支配的なのはCO2の大気濃度。
80万年バランスを保っていたのを人類が50年で崩した。
今年初めのNHKスペシャル  2030 未来への分岐点 
第一回「暴走する温暖化”脱炭素”への挑戦」でも提言が。


内容
前編(9/9放送)
北極を調べるスミソニアン国立自然史博物館長カーク・ジョンソン。
場所はカナダ エルズミーア島。木の切り株の化石が多数見つかる。

ここは5,000万年前は沼地。この時代に氷はなかった。


南極はどうだったか。大陸全体が氷に覆われている。

最低気温-98℃、氷の最大厚さ4,800m。雪が圧縮されて氷になる。
化石を探す。太古のブナの葉が見つかる(落葉広葉樹:温帯の木)
ここは8,300万年前は森だった。
プレートテクトニクス説。

全世界の土地は最初一ヶ所に固まっており、離れて行った。
南極、北極とも動かず5,000万年前、氷はなかった。

ホットハウスとアイスハウス
カリフォルニア デスバレー。地球で最も暑い地域。ある時期ここも凍っていた痕跡がある→地球全体が氷(スノーボール)
地球はホットハウスの時期の方が長い。

現在はアイスハウスの状態(極地に氷)

極地に氷があったのは全体の25%。手掛かりは金星にあった。
1967年 ソビエトのベネラ4号の金星探査でCO2が95%だと判明。

太古のCO2量を知る
イチョウの木は2億年形態が変わらない。CO2を変化させて育てると、各濃度で気孔の数に変化が出る(CO2濃度が上がると気孔が減る)

世界中のイチョウの化石を調べた。時期によりCO2の濃度が変化。
CO2上昇→雨がCO2を吸収しミネラル(石灰、カルシウム)を溶かす。
ミネラルが生物に吸収され貝となり岩に閉じ込められる→CO2低下。

 

アイスハウスの時代はCO2濃度が低い


アイスハウスは南極から始まった
南極に繋がる経路が断たれた時「ドレーク海峡」が出来て南極環流により南極が孤立→冷えて行く。

北極が凍るのはその数百万年後。

氷は広がり地球はアイスハウスに突入。

後編(9/16放送)
6億年前はアイスハウス。

途中ホットハウスを経て3,400万年前からアイスハウスとなっている。

アイスハウスの気候変動サイクルを知る
350万年前、隕石が北極圏に落ちた。ロシア北のベリギトリン。
クレーターの直径16キロ。ここに大気の浮遊物が堆積。

コアを掘り出す作業が2009年に行われた。350万年分の気候の記録。

260万年前に異変→動植物見つからず(凍った)

氷は成長、縮小を繰り返す。
太陽から地球が受けるエネルギーには変動がある。
公転軌道の変化→10万年周期で変動。他にも二つの要素。
①地球の傾き→4.1万年周期 ②地軸回転→2万年に1回
以上を総合し何十万年単位で変動→ミランコビッチ・サイクル


人類の転機は1万年前。氷河後退、海面上昇により河口氾濫。
豊かな土壌により農耕が始まり文明が広がる。
今が最適の時期。間氷期の現在、最適の筈だが乱れ始めている。
人類の営みがこのサイクルを乱している。氷河は地球の温度計。
グリーンランドのヤコブスヘブン氷河を定点観測。

氷河が10年で16キロ後退した。犯人は海水。温暖な海水の流入。

北極圏の縮小(1984→2016)

南極でも調査。棚氷に穴を開け、深さによる海水温を測った。

南極でも海水温が上がっていた。


原因は何か
グリーンランド東部基地で、深さ方向に円筒の氷を掘削する作業が行われた。氷に閉じ込められた大気を調べCO2濃度を知る。

 

80万年分のデータ。
高値でも300ppmで上下していたが、最近大きな変化(400ppm超)
過去80万年の最高値を上回る。直近の50年間でそれは起きた。


CO2上昇は温暖化の原因となるが、今までは火山がその要因。

今回の原因は人類。それほど多量なのか?信じられない人もいる。
もし車から出るのが炭素の固まりだとしたら・・・

毎日車だけでも300万トンが出る。

人類の出す総炭素量は年間125億トン
1,600mの炭素の山。火山が40年以上かけて出す量を1年で出す。


一体どんな未来が待ち受けているのか
カナダロッキー山脈に地球の未来が覗ける洞窟がある。
永久凍土だが、溶けるとCO2が放出され温暖化か加速する。

ホットハウスへと突き進む。

これまでそういう変化があったか?それが分かれば未来が分かる。
地球のCO2濃度が400ppmあった時期は、海面が今より18m高かった。
オーブンに冷凍食品を入れる。いずれ海面は上昇する。

溶けるまでの時間は?
5,600万年前、気温の急上昇があった。

その当時いた馬は今の犬ぐらいの大きさだった。
その頃の気候イベントは赤い地層に代表される(人の頭付近の帯)

CO2が2,000ppmになると馬は更に小さくなった。
なぜか?→小型化する事で熱を放出し易くなり、乾燥にも強くなる。
海水が酸性化することで海洋生物が絶滅する。
それが今後数百年で起こる。

人類、動物はどうなるか?食料不足、海面上昇。
海岸線の後退、都市の水没。今我々は転換点に立っている。
手掛かりは北極と南極にある。
今こそ問いかけたい。生きていたい。
私たちのせいで不安定になった。
初めて地球を劇的に変えてしまった。
元に戻す賢明さがあるだろうか?