発表期間 1983年4月1日~1984年3月23日
話数 全52話
原作 高橋良輔
監督 高橋良輔
脚本 五武冬史、高橋良輔他
メカニックデザイン 大河原邦男
音楽 乾裕樹
キャスト
主人公周辺
キリコ・キュービィー - 郷田ほづみ
プロト1 / フィアナ - 弥永和子
ブールーズ・ゴウト - 富田耕生
ココナ - 川浪葉子
バニラ・バートラー - 千葉繁
ル・シャッコ - 政宗一成
秘密結社関係者
イプシロン - 上恭ノ介
ギムアール・イスクイ - 屋良有作
セルジュ・ボロー - 緒方賢一
アロン・シュミッテル - 野島昭生
グラン・シュミッテル - 二又一成
アルベルト・キリイ - 亀井三郎
ギルガメス軍関係者
ジャン・ポール・ロッチナ - 銀河万丈
ロイル・バッテンタイン - 戸谷公次
クメン編登場人物
ゴン・ヌー - 玄田哲章
カン・ユー - 広瀬正志
ヒロラム・カンジェルマン - 寺田誠
ポル・ポタリア - 速水奨
ブリ・キデーラ - 郷里大輔
モニカ・マーカス - 鵜飼るみ子
サンサ編登場人物
ゾフィー・ファダス - 山口奈々
クエント編登場人物
ゲッコ - 上田敏也
ハゼガー - 加藤治
クエント人代表 - 玄田哲章
ざっくりとしたストーリー
アストラギウス銀河のギルガメス、バララント両国で続く百年戦争。
その中でギルガメス軍の秘密兵器「素体」が奪われた(ロッチナが画策)。その強奪に知らずに参加させられた、元レッド・ショルダーのキリコ。素体はパーフェクト・ソルジャーと呼ばれる女性。
教育を施される事で完璧な戦士となるが、無の状態でキリコを見た事で、彼に対し精神面での依存を高める。
秘密結社の手に渡った素体(フィアナ)は兵器としての能力を発揮するが、戦いの中でキリコを攻撃出来ず、キリコもまたその事情を知り彼女を愛するようになる。
展開する戦闘の中で近づき、離れるキリコとフィアナ。
この戦争とは別の次元で、パーフェクト・ソルジャーに対する秘密が明らかになって行く。その背後にいたのがワイズマン。
クエント星の歴史の中で三千年前、神を名乗り現れた者。
クエント人はその支配から守るために神を暗黒に追いやり、それと引き換えに自らの未来を葬った。
その神「ワイズマン」はクエント星の地下深くで生き延び、自身の未来を託すべきパーフェクト・ソルジャーを探し求めていた。
それがキリコ。
この銀河の絶対支配を目指すキリコは、ワイズマンと接触する。
最後の局面で、フィアナと協力してワイズマンの記憶モジュールを抜き機能停止させるキリコ。
感想
「ガンダム」放送当時は二十代半ばだったが、丁度長期入院からの脱出期で、アムロの成長に自分を重ねていた様なところがあった。
それから数年後。このボトムズが始まった頃は結婚前後だったのでアニメどころではなく、リアルタイムでは観ていない。
その後再放送を歯抜けで観たりしていたが、イマイチ内容を理解していなかった。
今回本腰入れて視聴し、ようやく全容を理解。
ハードっぽいけど、完全に恋愛ドラマ。フィアナの立派な全裸映像とか、土曜18時の放送にしては踏み込んでいた。
しかし最終回でワイズマンの記憶モジュールを抜いて行く作業は「2001年宇宙の旅」でボーマンがHAL9000を停止させる行為そのまんま(まあいいけど)
ロボットアクションものではあるが、設定で見せるアニメ。
しかしキリコが18歳というのには恐れ入る(酒グビグビ飲んでるし)
このTVシリーズの音楽も印象的だった。エヴァンゲリオンに鷺巣詩郎がいた様に、ボトムズには乾裕樹がいた。残念ながら2003年に亡くなっている。本人演奏によるテーマ曲
オマケ1
この対戦している国名読むと「ギルガメッシュないと」を思い出してしまう。イジリー岡田とか、ランジェリー歌謡祭とか・・・
細川ふみえや飯島愛も良く見たな。
オマケ2
ワイズマンの記憶モジュールを抜くキリコだが、円筒にピッチリ収まったモジュールは、干渉して内側には引き出せないはず(まあいいか・・)
5分で観るボトムズ(でも全52話で4時間以上かかる・・・)
あらすじ
総集編4部作「ウド」「クメン」「サンサ」「クエント」に章題を付けている。
ウド
第1話「終戦」
アストラギウス銀河においてギルガメスとバララントで続いている百年戦争。小惑星リドへの作戦行動に駆り出されるキリコ・キュービィー。
味方を次々に攻撃する部隊に違和感を感じるキリコ。
部隊の者は金塊を探し出して盛り上がるが、まだ何かを探している。
一人はぐれたキリコはある装置を見つける。開けてみると水槽の中に裸の女。そして目を開けた。あわてて閉じる。
そこに部隊の者が来て、これが探していたものだと言った。
それを運び出す時、爆発により吹き飛ばされるキリコ。
目覚めると捕われているキリコ。取り調べるロッチナ大尉に「ソタイをどこへやった?」と聞かれるが何も知らない。
更に拷問が続く。気絶して牢に収容される時に逃げ出したキリコは、そのまま戦闘機を奪って脱出。
そして両軍の間に休戦が成立。
第2話「ウド」
休戦から半年。ウドの街に紛れ込んだキリコ。
暴走族に捕まりギルガメス軍の労役に投入されたキリコ。
そこではレアメタルのヂヂリウムを採取していた。
それを集める事で食い物にありつく。軍と暴走族が結託。
そこを脱走したキリコは、廃棄物集積場に行きついて眠る。
第3話「出会い」
追う暴走族。ゴウトという男に助けられるキリコ。
壊れたAT(Armored Trooper)を見つけて「俺にくれ」と言うキリコ。仲間のバニラが戻って来る。
キリコの事を「ボトムズ」乗りだと紹介するゴウト。
更に女(ココナ)が入って来る。脱走者で一人だけ残ったキリコを軍が探していると教えた。修理を終えたATで軍と戦うキリコ。
第4話「バトリング」
危ないところをゴウトが助けに来る。
だがその前に消火材を撒いてくれた者がいた。
バトリングを見てみろと言うゴウト。
その途中でリムジンに乗った女「ファンタム・レディ」を見かける。
バトリングとはAT同士の戦闘ゲーム。
だがキリコの対戦相手がリアル・バトルを始める。
戦ううちに少しづつ思い出すキリコ。とどめを刺そうとした男が「あなたはあの時死ぬべきだった、キリコ曹長!」と言った。
「コニー少尉!」と叫ぶキリコ。反撃により相手ATは沈黙。
治安警察がキリコを逮捕しに来る。
第5話「罠」
捕まり、また拷問されるキリコ。捕えた者たちは、キリコがどこまで知っているかを知りたがっている。ゴウトたちがキリコを救出する。
ゴウトに、キリコをリアル・バトルで戦わせろとの指示が来る。
それを受けるキリコ。
敵と戦う中で、相手が先の作戦の時の上官だと気付くキリコ。
白状させようとしたが、敵の攻撃で彼は死んだ。
その時、遠くで窺っていたリムジンが去って行った。
第6話「素体」
治安警察に単身乗り込み、敵の指令官に真相を言うよう迫るキリコ。
その「素体」があるというチヂリウム保管庫に向かうキリコと司令官。
ちょうどゴウトたちもそこに向かっていた。保管庫では迎撃準備が進み、そのスキにゴートたちが潜り込む。
合流したキリコたちがある部屋に入ると、黒髪の女がシャワーを浴びていた。それは半年前、あの作戦の時キリコが見た女。
シャワーから供給されているのはヂヂリウム。気付いて逃げ出す女。女は見つからず、ヘリで脱出するキリコたち。
第7話「襲撃」
ファンタム・レディに、キリコと会っただろうと責める幹部ボロ-。
それを止めるイスクイ署長。素体が会っていないと言っている・・
一方、街の食堂でヂヂリウムが空港から運び出される事を知るキリコたちは、その奪回作戦を実行する。素体と関係がある筈・・・
第8話「取引」
奪ったヂヂリウムを治安警察に売りつけようと画策するゴウト。
交渉成立し、トレーラーでそれを引き渡したココナ。
だが署長は交渉などするつもりはなく攻撃。
それは想定内であり、キリコのATとバニラが反撃して金貨を奪った。
キリコは署長に迫り、なぜ自分を狙うのかと問い詰める。
だがそこに赤いATが現われ、戦いを仕掛ける。
驚異的な運動能力で倒されるキリコ。操縦しているのは女。
第9話「救出」
治安警察に捕まったキリコ。ゴウト、バニラは諦めると言うが、ココナが助けようと主張。奪った金貨を空からバラ撒いて混乱させ、キリコを救出。珍しく「ありがとう」と言うキリコ。
第10話「レッド・ショルダー」
攻撃を受けてアジトに閉じ込められるゴウトたち。ギャオアの戦いで同様に閉じ込められた、とゴウト。装甲騎兵が数百人も死んだという。
そこで生き残ったのは三人。
レッド・ショルダーだったという。機甲特殊部隊の殺し屋。
皆を使って地面を掘らせ、通路に脱出するキリコ。
あの女の秘密を探りに行く、と言うキリコと別れる残りの者。
だが結局ココナに引っ張られて同行する事になる。
ATに武器を装備しているキリコを手伝うみんな。
キリコは自分がレッド・ショルダーだと明かした。
メルキア戦略装甲騎兵団、特殊任務班X1(別名:吸血部隊)
そこへ敵が襲撃して来た。
第11話「逆襲」
女にキリコ抹殺を命令する署長とボロー。
「パーフェクト・ソルジャーとしての力を見せろ」 だが女は拒否した。
女の脳波を調べる署長たち。その結果、プログラミングされる前にキリコを見た事で、意識の中に刷り込まれてしまった事が判明。
女に、キリコは殺さず武器を無力化せよと命令するボロー。
新たなATで戦うキリコの前に再び現れる赤いAT。戦力が違いすぎ倒されたキリコは気絶するが、それは偽装。捕えられる女。
女に名を聞くキリコだが、ずっと「プロト1」としか呼ばれていなかったという。
俺の運命を狂わせた彼女は、もう敵ではなかった。
次いで先への不安と共に湧き上がる生への願望。
第12話「絆」
女に、なぜ自分を殺さないのかと聞くが「分からない・・・」
署長たちの追撃が迫り、女が脱出の手引きをする。
上層部から指示を受けるメルキア軍事機構のロッチナ大尉。
イスクイ署長がイドの研究所を襲って素体を奪ったと判明。
共にATで逃げるキリコと女だが、攻撃で女が外に投げ出される。
思わず「フィアナ!」と叫んで助けるキリコ。
名をつけてくれた事を喜ぶフィアナ。
だが更に攻撃が激しくなり、キリコのATも破壊されて、彼女が再び奪還された。
第13話「脱出」
その時、ロッチナ大尉率いる兵団が治安警察に攻撃をかける。
上からの指示で徹底抗戦を命じられる署長だが、爆撃を受け死ぬ。ボローがフィアナと共にヘリで脱出した。
クメン
第14話「アッセンブルEX-10」
クメン王国の傭兵基地アッセンブルEX-10に入ったキリコ。
通関後ゴウトと会う。ここでは武器商人で顔役だった。
だが責任者のカン・ユーに連行されるキリコ。体にビーコンが埋められている事が判明。だが一応敵ではない事が分かり解放される。そしてバニラ、ココナとの再会。
敵襲を受け、キリコも戦いに駆り出される。反乱軍ビーラーの中で飛び抜けて動きの早い青いATとの戦い。
フィアナだと確信しATから降りて声をかけるが、構わず攻撃される。
第15話「疑惑」
キリコがATから降りた事を咎めるカン・ユーだが、相手がPS(パーフェクト・ソルジャー)と聞いて上官のコン・ヌーは見逃す。
対PS用のプログラムを作るキリコ。
カン・ユーの部隊に加わるキリコ。新たな仲間ポル・ポタリア、ブリ・キデーラ、そしてクエント人傭兵のル・シャッコ。
新型ATの護送作業中に再び現れた青いAT。
新プログラムにより、ほ互角に戦ったキリコだが、なぜフィアナが攻撃して来るか理解出来ない。
第16話「掃討」
ゲリラの襲撃を受け、その拠点をソンム村と断定して部隊が送り込まれた。キリコも攻撃メンバー。
村で捕えた女と、この村の出身だったポル・ポタリアが幼なじみだった。ゲリラでないと言うよう諭すポタリアだが、それを拒むモニカ。
隠れていた敵ATが姿を現し戦闘になる。再び青いATと戦うキリコだが、相変わらずフィアナだと思い込んで交信を試みる。
とうとうATから降りて声をかけるキリコ。
だがボディを開いてヘルメットを取った相手は男だった。
第17話「再会」
男(イプシロン)は自らをPSと名乗り、プロト1を狂わせたのはキリコだと決め付けた。
父、兄に逆らい神聖クメン王国を興したカンジェルマン殿下が語る。PSはバンヌーの神が遣わした・・・
神聖クメンは秘密結社、ビーダーゲリラと手を組んでいた。
侵入に失敗して捕まったキリコ。
その処刑を任されたイプシロンが槍の格闘でキリコを難なく倒す。
とどめを刺そうとすると、それは自分がやると言ってプロト1(フィアナ)が歩み出た。そしてキリコを刺すが致命傷ではなかった。
牢に入れられたキリコを救い出すフィアナ。
キリコが一緒に逃げようと言うが、フィアナは残った。
第18話「急変」
ギルガメスとバララントの間で休戦協定が結ばれることになり、危険を感じたビーダーがアッセンブルに攻撃を仕掛ける。
だがそれは陽動。キリコたちは拠点であるニータンに向かう。
第19話「思惑」
ロッチナ大尉と密会するコン・ヌー。ニータンが攻撃されるのを承知していた。ニータンのバニラの店も焼かれた。軍に入る決心をするバニラ。
大戦果を挙げたがカンジェルマンは撤退を命じた。不満のイプシロン。
コン・ヌーがキリコを呼んでロッチナ大尉に引き合わせた。
PSの秘密が語られる。最新技術により筋肉、神経を通常人より大幅に発達させ、それを遺伝的に定着させられる様になった。
第二に脳にも手が加えられた。
PSは一切の脳活動を停止させて発育し、成人後に戦闘プログラムを与えられる。初めて与えられた知識は潜在意識の中に定着し、後天的な学習により強固なものとなる。
このプログラムの所要期間は二十日間。
キリコが見た素体はプログラムされる直前のものだった。
謎の組織にプログラムごと奪われたため、我々の研究は中断した。PSはもう一体あり、それがイプシロン。
第20話「フィアナ」
今までのストーリーのおさらい。
第21話「溯行」
ビーラー本拠への奇襲作戦リーダーとなるキリコ。
だがそれが面白くないカン・ユーは、隠密作戦にも関わらず拠点のラモー寺院を襲撃して、作戦を台なしにする。
そこへ配属されたバニラが、キリコとの再会を喜ぶ。
第22話「触発」
侵攻するキリコたちに対し、反撃の作戦を指示するカンジェルマンだが、その裏でボローに指令するアルベルト・キリイは、プロト1のトラブルを解消するため、彼女の目の前でキリコを殺せとイプシロンに命令。
そしてキリコとイプシロンの一騎打ち。
対PSプログラムでも歯が立たず、危機に陥るキリコだが、戦いをボローに見せられていたフィアナがヘリから操縦を奪い、イプシロンに攻撃をかける。辛くも助かるキリコ。
第23話「錯綜」
落ちたヘリがら逃げ出すフィアナ。
カンジェルマンにフィアナを殺すよう進言するボロー。
危ないところをキリコが助けるが、カン・ユーに捕まってしまうフィアナ。キリコとカン・ユーとの戦いが始まり、カン・ユーは川に落ちて流された。フィアナに巡り合えたのに、まだ戦おうとするキリコ。
第24話「横断」
味方と合流したキリコは、共にいるフィアナの事情を説明した。
そしてフィアナの先導で宮殿に向かう。
フィアナが宮殿側のATを奪って攻撃し、キリコたちがそれに続く。
一方キリイは、PS専用に作られたATをイプシロンに与えると言った。
第25話「潜入」
宮殿に潜入するキリコとフィアナ。
一方カンジェルマンはボローの前で簡単に敗北を認める。
宮殿に潜入した時、モニカと出会うポタリア。
だがモニカは撃たれ、ポタリアに抱かれて息を引きとった。
第26話「肉迫」
部下のシャッコに助けられたカン・ユーは部隊を率いて宮殿を攻撃。
イプシロンは新たなATを与えられ、それらと戦う。
シャッコをキリコと思い込んで戦うイプシロン。
不眠で指揮していたカンジェルマンが寝室に入った時、ポル・ポタリアが彼に銃を向けた。実は身分の違いを越えて二人は親しくしていた。
銃を捨て、槍で戦うポタリア。
古い体制を捨てねばならぬという言葉が理解出来ないポタリア。
その戦いの最中、胸を刺されて倒れるカンジェルマン。
第27話「暗転」
宙づりになったボローを問い詰めるキリコは、PSたちが実験用だと知って驚く。そこに迫るイプシロン。
その後ろから攻撃を仕掛けようとするブリ・キデーラだが、返り討ちにされてしまう。崖から落ちるキリコとイプシロン。
そこで素手の決闘が始まるが、それを止めようとするフィアナがイプシロンを銃撃した。驚くイプシロン。
救援に来たバニラにより脱出するキリコとフィアナ。
バニラが、ポタリアから預かった脱出シャトルのキーをキリコに渡す。
脱出を阻止しようとするカン・ユー。
PSを引き渡す事でメルキア軍への鞍替えを狙っていた。
その汚さに激怒したシャッコが、カン・ユーを崖下に投げ落とす。
生き延びる値打ちが私にあるの?と問うフィアナを慰め、脱出シャトルを発進させるキリコ。
第28話「運命」
今までのあらすじ。だがシステムではキリコの事をプログラム1と言っている。彼女はPSと呼ばれる軍の最高機密だった。
キリコはPSを奪取した謎組織を嗅ぎ出す猟犬の役を負わされていた。
軍事機密を守るため、街が沈んで行く。だがそれさえもキリコに課された運命のプレリュードにしか過ぎなかった。
フィアナを乗せてクメンを脱出するキリコ。
第29話「二人」
脱出はしたものの、ここが一体どこなのかが分からない。
大きな船に拿捕された様子。降りてフィアナと二人で調べるキリコ。
指令室の様な所へ来た時、スクリーンに見覚えのある風景が映る。
それは自身の、レッド・ショルダー時代の殺戮場面。
フィアナが見る。教育プログラムで見た「吸血部隊」と呼ばれたメルキア戦略装甲騎兵団、特殊任務班X1。
キリコがその隊員だった事に驚愕するフィアナ。
誰かが、忘れようとしていた過去を思い出させようとしている・・・
酒を煽るキリコ。俺こそ人を愛する資格などない。
だが実際は酒など飲んだ事がなく、むせて笑われるキリコ。
PSとしての私より、過去があなたを苦しめている・・・
そこにバララント部隊からの停船命令。戦闘を始めるキリコ。
第30話「幻影」
戦闘中の会話を傍受したバララントの上層部。
PSの言葉を聞いて、何としても拿捕せよとの命令。
バッテンタイン中将に呼び出されるロッチナ大尉。
キリコ及び素体回収の手間取りによる更迭を言い渡された。
バララント側へ領空侵犯している船の話をして去って行くロッチナ。
戦闘に疲れて眠るキリコを置いて、レッド・ショルダーの記録を見るフィアナ。例えそれを見ても「今の私たちには関係ない」と侵攻して来る敵に向かって反撃に出るフィアナ。
なぜ戦う、と問うキリコ。
第31話「不可侵宙域」
バララント側は、PS二人にATが40機やられた事に驚愕し、何としても拿捕しようとした。
負傷して意識もうろうのキリコに、口移しで薬を飲ませるフィアナ。
船の装甲を破壊し、敵ATが中に入ったが、船が不可侵宙域に入ってしまったため、やむなく撤退。惑星に吸い寄せられる船。
第32話「イプシロン」
重傷のキリコを助けるため、バララント軍に投降すると申し出たフィアナ。だがフィアナが敵船に入ろうとした時に妨害が入った。
それまでの通信を傍受していたイプシロンは、隊を組んで船に向かった。始まる戦闘。フィアナが一人で戦う。放り出されるキリコ。
いつのまにかキリコもATに乗って戦いを始めていた。もう離れない、とフィアナ。キリコとイプシロンの決闘。
第33話「対決」
キリコとフィアナの協力でイプシロンを撃退する。
イプシロンを収容する秘密結社の船。
バララント戦艦の接近で緊張が高まり、結社側との戦いが始まった。
イプシロンたちが再度船への攻撃を仕掛ける。船を爆破させてキャタピラ車で脱出するキリコたち。ここは惑星サンサ。
サンサ
第34話「惑星サンサ」
敵に囲まれATで応戦に出るキリコとフィアナ。
実はその相手はゴウトたちだった。
キリコが脱出した船から、彼の治療記録を見つけ出したイプシロン。それによればキリコが常人の三倍の速さで回復するという事だった。
サンサでゴウトと一緒にいたのは戦場専門のスクラップ屋だった。
アジトに戻るとそこにバニラとココナもいたが、フィアナを見て逃げ出すココナ。不愛想なキリコを見て「戦うだけのマシンだ」と言うゴウト。
イプシロンが来てキリコの引き渡しを要求する。拒否して攻撃を命令するゴウトだが、スクラップ屋のボスゾフィーが、それを止めさせた。
キリコをレッド・ショルダーの一員と知っていた。
この星は彼らに全滅させられ、今の仲間たちも家族を殺されていた。
フィアナを置いてイプシロンとの戦いに出て行くキリコ。
第35話「死線」
イプシロンとの戦いを始めるキリコに加勢するフィアナ。
そこにバララント軍が攻撃を仕掛けて来る。
その混乱を縫って戦場から離脱するキリコたち。
だがフィアナの体が震え出す。それはヂヂリウムの不足。
PSはそれを定期的に補給しなくてはならない。
そんな時にゾフィーがATに乗ってキリコを攻撃して来る。家族の仇。
だが戦いに敗れてATから落ちるソフィー。
女は殺さないと言い、フィアナを背負って去るキリコ。
第36話「恩讐」
執拗にキリコを追うゾフィー。だが気を失って目覚めた時、補充の酸素ボンベが置かれていた。屈辱で更に怒るゾフィー。
酸素が足りなくなり、放棄された拠点で何とか手に入れるキリコ。
そこにゴウトたちが車で救助に来る。ゾフィーも含めて軍の施設まで辿り着く。相変わらずキリコを殺そうとするゾフィーに、あんただけが家族を殺されたんじゃない!と殴りかかるココナ。
カプセルに入れられてヂヂリウム補給を受けるフィアナ。
ゾフィーは出て行った。
第37話「虜」
バララント軍との戦いの中でゴウトとバニラが捕虜となり、皆が連行される。そこにいたのはロッチナ。バララント軍に乗り換えていた。
それでも執拗にキリコを狙う。
仲間を助けたかったらイプシロンと戦えと命令した。
そして二人の戦いが始まった。
第38話「暗闇」
戦いの末に地下坑道に落ちたキリコとイプシロン。
両者のATは動かない。イプシロンは、彼女の事をなぜフィアナと呼ぶのかをキリコに聞いた。
「理由などないのかも知れない・・・」
バララント軍の救助部隊が岩盤を明けてキリコを救出する。
イプシロンは別動の秘密結社の部下がピックアップした。
キリコとフィアナを残し、ゴウトたちは解放された。
第39話「パーフェクト・ソルジャー」
キリコとイプシロンの戦闘結果を分析するロッチナ。バッテンタインに、ロッチナがバララントに鞍替えした事を教えるバラス少将。
再びイプシロンとキリコの戦いがセットされる。
それをフィアナにも見せるロッチナ。一方イプシロンの機能アップ担当のシュミッテル兄弟(双子)も戦いに注目する。
激しく展開される戦いの中で、ロッチナがキリコもPSだと言う。
ヂヂリウムを必要としないから違うと否定するフィアナ。
だがそれはPSの必要条件ではないとロッチナは言った。
戦いを制したキリコ。
それ以上攻撃するのを阻止したフィアナは、キリコがPSだと言った。
瀕死のイプシロンも、そうでなくては死んで行く自分のプライドが許さないと言って息絶えた。
一人戦闘機で飛ぶキリコ。自分がPSかどうかの確証を得たければクエント星へ行け、そこにお前の過去がある、と言ったロッチナ。
第40話「仲間」
サンサ星のダイジェストが語られる。
クエント
第41話「クエント」
クエントの砂漠で行き倒れるキリコは、車で砂漠を行き来する商人ゲッコに助けられる。ゴモル市でクエント人代表に会うキリコだが、そこを出た時、ハセガーという男に捕まる。
それを助けたのが、あの傭兵のル・シャッコ。ここは彼の母国。
第42話「砂漠」
クエント星上空の艦で、シュミッテル兄弟にキリコ捕獲を指示するアルベルト・キリイ。だがそれはクエント人を刺激しない前提。
かつてはアストラギウス全てを左右する力を持っていたクエント人。それを無視して兄弟はAT5機を仕向けて攻撃。
だがキリコの返り討ちに遭い、AT1機が奪取された。怒るキリイ。地の底のクエント人村に向かうキリコ。
第43話「遺産」
洞窟に入るル・シャッコとキリコ。
長老から、手を加えられた者を恐れよという言い伝えを聞くキリコ。
二百歳を過ぎて瞑想に入った老人の話を聞きに行くキリコ。
電子機器に欠かせないクエント素子がここで取られている。
そして老人に会うキリコとシャッコ。老人の話を通訳するシャッコ。
クエントに黄金時代至りし八万五千年。三千年前のこと、神と名乗る者が現われクエントの民に告げた。全ての民人は神の手によって生まれ変わり、星々を支配せんと。
クエントの民人おおいに驚き、怪しみて神を討ち暗黒へと追いやった。そして自らクエントの未来を葬った。
神とは誰のことだ?それに俺が作られたのかと聞くキリコ。
だが返事はない。
更に奥でクエント素子を見つけるキリコ。
三千年もこれが作られ続けている。
シュミッテル兄弟が部下を連れてキリコを追って来た。
追い詰められて銃で撃たれるキリコ。
だがその時、敵の姿が消えてしまった。
第44話「禁断」
シュミッテル兄弟とその部下は、遠く2,500キロ離れたゴモル市まで飛ばされていた。その顛末をキリイに話し、キリコどころではなくこの秘密はアストラギウス銀河支配にも関わると進言する兄弟。
シャッコを通じて老人に聞くと、クエントを守る力が働いたという。
そして他で立ち入ってはならない場所はゴモル市の上半分。
シュミッテル兄弟は調査名目でAT隊をゴモル市に送り込んだ。
そしてキリコ、シャッコの、ATとの交戦が始まるが前回同様、敵のATが次々に消えて行った。
第45話「遭遇」
シャッコと共に洞窟を歩くキリコだが、ある場所に来た時突然体が浮き、目の前に映像が展開された。
それはクエント文明の歴史を描いたもの。
ロッチナがフィアナを連れてキリコたちの洞窟を歩く。ロッチナの支配者は8万5千年のクエント文明が生み出した謎の意思だという。
その命令で彼はキリコを見張っていた。
それはキリコが装甲騎兵として活動を始めた頃から。
キリコと出会うロッチナたち。フィアナがキリコに抱き付いた。
キリコが謎の意思とのコンタクトを取ったことを知るロッチナ。
フィアナを連れて逃げるキリコとシャッコだが、行く先々で転送され、結局元の場所に戻って来た。
謎の意思からのメッセージを聞くキリコ。
第46話「予感」
クエントを挟んで対立するギルガメス軍とバララント軍。
その間で様子を窺う秘密結社。
ロッチナとバッテンタインの代理レイパードとの直接交渉。素体引き渡しを拒否するロッチナだが、バニラたちが再び捕虜になっていた。
フィアナ引き渡しを了承するロッチナ。
引き渡しの現場で戦闘が起きる。ロッチナはフィアナを乗せて艦で脱出。残されたキリコはバニラたちを救い出した。
第47話「異変」
助けられたバニラたちは船で逃げるが、再びロッチナに捕まる。
その後ロッチナの艦に収容されたキリコ。
次いでギルガメス軍の艦が次々と消滅。
そのうちにバララント軍の艦も消滅を始めた。
これがクエント星の防御システムだと気付いたロッチナは、至急この領域からの離脱を命じた。全てのエネルギーを切るよう指示するキリコ。
小型艇で脱出するロッチナ、キリコたちだったが、秘密結社の艦に拿捕された。
指令室に引き出され「キリイ閣下!」と叫ぶロッチナ。
お互い詮索はやめよう、と言うキリイ。
その時突然艦のエンジンが停止し、ある方向に引かれ始めた。
「ワイズマン・・・」と呟くキリコ。それがクエントの意思の名だった。
第48話「後継者」
秘密結社の母艦はワイズマンに操作されながら、人工天体に入って行
った。
キリイの先導でワイズマンの前まで来たが、面会を許されたのはキリコだけ。その後キリイは処刑された。
体が浮き、ワイズマンの言葉を聞くキリコ。
お前は生まれながらのPS、異能者。
喜んでアンタの後継者になろう・・・
人工天体から出て行くキリコ。
第49話「異能者
アストラギウス歴7214年。ギルガメス・バララント両軍の合同作戦に関する調印が行われた。双方の戦いの歴史は神の子と言われる異能人によって引き起こされて来た。同盟して彼らから取り戻す。
ワイズマン、そしてその後継者を倒す。
クエント星到着を妨害したシュミッテル兄弟。
抵抗した兄アロンがキリコに撃ち殺される。
攻撃を受ける母艦を、半分に分離して犠牲となるよう指示するキリコは「ワイズマンのために命を捨てろ」と言った。
三千年前、クエントを追われたと言われた神の子たちワイズマンは、クエントの地底に潜んでいた。
新しい支配者になるためクエントに行く、とキリコ。
残されたバニラたちは小艇で脱出した。
選ばれた後継者として、自分の宿命を受け入れるキリコ。
第50話「乱雲」
クエントの砂漠を歩くゴウト、バニラ、ココナ、フィアナはシャッコに会うことが出来た。空港へ近づく機体を見るシャッコ。
シャッコが行くとATに乗ったキリコがいた。艦を消滅させた光の制御と動力源を探す手伝いをするシャッコ。場所を見つけたキリコに、ワイズマンの後継ぎになるのかと聞くシャッコ。
戦争により多くの命が失われるが、それで文明も発展する。
だからこそコントロールされるべきだと言うキリコ。
攻撃するシャッコの肩を打ち抜いたキリコ。
ギルガメス・バララント両軍の総攻撃が始まる中、ワイズマン本体に向かうキリコは、ATで追うフィアナを止めた。
秘密結社の母艦に密航していたロッチナは、そこからワイズマンの居る場所に向かった。
最後の戦いが始まる。粉々に吹き飛ぶか、神の座につくか・・・
第51話「修羅」
敵ATと交戦しながら次第にワイズマンに近づくキリコ。
地下プラントの最深部に達したキリコは直接ワイズマンの声を聞いた。
全銀河を敵に回しても、ここに辿り着ける者が後継者。
俺は来た。この銀河の絶対支配、それが俺の望みだ。
第52話「流星」
最後のところで止めに入るフィアナ。
それを倒してワイズマンの信用を得、登って行くキリコ。
ワイズマン自身の内部に入り込んだキリコ。原形質保存装置に蓄えられた、三千年の知識と力を一瞬にして与えられる・・・
その伝達装置を銃で破壊するキリコ。
何故だ? 信じられない・・・
次いで記憶モジュールを次々に抜いて行くキリコ。
その作業の終盤になってロッチナがやって来て、今なら間に合うから修復しろと命令。だがそこへフィアナが来てロッチナを気絶させた。
ワイズマンを騙すため、最後まで本当の事を言えなかったと謝るキリコだが、急所を外した攻撃に、フィアナは全てを理解していた。
二人で協力してモジュールを抜き、とうとうワイズマンは息絶えた。
キリコとフィアナは脱出し、ロッチナはワイズマンと共に爆発した。
一年後、再び始まったギルガメスとバララントの戦い。
バニラ、ココナ、ゴウト、シャッコは戦いとは距離を置いた生活を目指す。
そしてキリコとフィアナはコールドスリープのカプセルに入って、次の世代まで眠りに就く事を選ぶ。