名車再生!「シトロエン2CV」BS11 4/30放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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番組欄で「シトロエン」の文字を見てなんとなく録画。
これがめっぽう面白い!
ディーラー役のマイクが所有車から車を仕入れ、メカニック担当のエドがレストアし、付加価値を付けて高く売るというもの。
これは毎回観ることになりそう・・・・

キャスト
マイク・ブルーワー  :売買時の交渉役
エド・チャイナ       :メカニック

感想
今回はシトロエン2CV。特異な形だが、農作業用という目的だったとは知らなかった。独立懸架サスもそのため。

エドが本当にメカ好きなのが説明に滲み出て来る。
マイクはけっこう調子いい男だが、ルーフの調達等で協力し、いいコンビ。この2CVが153万で買えるなら・・・欲しいナー

内容
元々馬や荷車の代用として開発された2CV(ドゥーシボー)は一世を風靡した。簡単なメンテナンスで動物も運べる。800万台作られた。
マイクはフランスまで買い付けに来た。南西部ならサビの心配もない。
雑誌情報からネット検索に移行し、1958年式を見つけた。

フランスでの車検も通っている。
持ち主に電話して交渉に赴く。
相手は車のディーラー。2気筒425cc。エンジンにはオイル漏れがあり、サスペンションにも問題あり。シートはオリジナルでない・・・
4,000ユーロ(3,300ポンド)で交渉成立。

欧州市場で注目の的になる。買い値の倍で売れる・・・
フェリーで運び、エドに託す。
サスペンションがダメだと言うマイクに、元々耕した農地を走れる様に出来てるからサスペンションが柔かいのは当然だが・・・これはひどすぎる。直すべきだ、とエド。

担当はエドにチェンジ。
本来は農業車でありながら、歴史的な名車と称えられて来た。

どうやって人目を惹く名車に変身させるか。

 

まずはエンジン。各シリンダーの圧力チェックのため、プラグを外した穴にコンプレッションゲージを入れる。一方は110PSIでOKだが、他方は70PSIと低い。
見極めにはエンジン分解が必要。本来エンジンを降ろすのは大変だが、本車は農作業用に作られているため、取り外しは草刈機並みに簡単(ボルト4本で外せた)
次いでシリンダーを外す。

圧力が低かった方は内壁に傷。ピストンリングを外してシリンダーに嵌め込み、リングの合い口スキマを計測。

これが大きいとガスが漏れて圧力が上らない。

通常は0.2~0.3mmだが0.7mmと大きく、これが原因。

修理は高くつく。新しいリング付きのシリンダーがペアで130ポンドで買えるならそうするべき。
 

一方マイクは痛んだルーフの手当てに着手。
ビンテージのプロへ助言を仰ぐ。

当時のフレームに新しい生地を張るのを推奨され同意。
再塗装したフレームに古いシートで寸法を取った生地を張って行く。

ガラスは古いルーフから外して付け替え(パッキンは新品)

料金は220ポンド。

エドはサスペンションに着手。カゴに入れた卵を乗せて畑を走れると言うが、これは度を越している。
50年代としては進歩的な独立懸架式サスペンション。
タイロッドがアームに繋がりスプリングを引っ張る(前と後ろを繋ぐ)
サスがなぜ本来より柔らかいかを探るため、全て外す。
減衰システムには二つの仕組みがある。
一つは慣性ダンパー。中に鉛の重りがあってその下にスプリングがあり、オイルが封入されている。分解不能であり、まずオイルを抜く。

内視鏡確認では中が濡れているから大丈夫。

乾いていたら液漏れであり全交換するしかない。
真空ポンプで古いオイルを全て抜き、LHMオイルを入れる。

あとは汚れを落として再塗装。
もう一つのシステムはフリクションダンパー。

金属ノプレートに摩擦材が付いており、それで制動をかける。

理屈はエンジンのクラッチと同じ。組み込んだスプリングの強さで減衰量が決まる。

フリクションダンパーは代替品が入手出来たのでそれを使う。
前後を繋ぐスプリングボックスは、同年代の部品を調達(180ポンド)
これでサスは完璧なはず。作業は順調。
そして塗装はオリジナルのサテン塗装に変更。
マイクに塗装をお披露目。喜ぶマイク。内装パネルも交換した。
 

エンジンの再組み立て。シリンダーとピストンはセットで交換。

いきなり組むと金属同士がぶつかるので、オイルと添加剤を混ぜたものをあらかじめ塗ってから組み立てる。

ロッカーアームとバルブのスキマは0.15~0.2mm

エンジンを車に戻す。このエンジンは遠心クラッチ内蔵であり、アイドリングでエンジンとギヤボックスが離れる。
ルーフはマイクが手配したものを取り付ける。

ライトの組み立て直し。これはロービームでライト自体が動く。


シートは新品に交換。実はドイツ製(200ポンド)

車にはフック二本で固定。

これで日常的に使えるビンテージカーが完成しました。

費用一覧
                                        円換算(\153/£)
Car                  3,300        504,900
Travel                  200        30,600
Paint Work          1,900        290,700
Engine,TrimParts     600          91,800
Suspention              300          45,900
Total                  £6,300      \ 963,900

卵を車に乗せ、畑でマイクとエドが試乗(快調!)


客へ売り込みをかけるマイク。相手は自動車ジャーナリスト。
まず1万500ポンドから交渉を始めるが彼は

「この車として1万以上は出せない」ときっぱり。
不安を抱えつつも「じゃあ1万で?・・・・」
それでめでたく合意し握手。
買い値の倍で売る計画は概ね成功した。