ヱヴァンゲリヲン新劇場版「Q」 2012年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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2012年11月24日公開の再メンテ


監督    庵野秀明(総監督)
      摩砂雪
      前田真宏
      鶴巻和哉
脚本    庵野秀明
原作    庵野秀明
音楽    鷺巣詩郎
主題歌    宇多田ヒカル 「桜流し」

興行収入 約53億

5分で分かる「Q」


感想
2009年の「」から3年あまりを経て公開された「Q」。
「破」でレイを使徒から救出した筈のシンジ。

それから14年後に目覚めて「浦島太郎」状態。
前作でシンジに「行きなさい!」と言って鼓舞したミサトは、冷たい艦長となって「あなたは何もしなくていい」と言い放つ。
いつの間にかシンジが「ニアサードインパクト」を引き起こした事になっているのがツライ。
確か「破」の終わりで、それはカヲルのエヴァMk6が阻止した筈では? だがその事についての説明はない。
人類補完計画を進めるネルフに対抗する組織として「ヴィレ」を立ち上げたミサト、リツコたち。
冒頭の場面。元はネルフの支配下で宇宙空間に幽閉されていた初号機を、アスカとマリが協力して奪還した。
その初号機は兵器としてではなく、戦艦「ヴンダー」の動力(主機)として利用されることになる。
シンジが助けた筈のレイは、初号機からは発見されなかった。

疎外感に耐えられず、救出に来たアヤナミ(レイとは別人格)に付いて行ったシンジは、彼女があのレイではないと知って混乱。
父から、共に13号機に乗るとして紹介されたカヲル。
壊してしまった音楽プレーヤーの修理をして渡すカヲル。
この音楽プレーヤー(カセットウォークマン?)、前作からちょくちょく出て来る。TV版や「序」でシンジが持っていたS-DATプレーヤーとは明らかに違う。

結局これが「シン・エヴァ」のキーアイテムになるのだから、庵野監督にとっても重要なものだったのだろう・・・

そしてカヲルからニアサードインパクトによる惨状を見せられるシンジ。
シンジとカヲルのダブルエントリーとして起動した13号機は、セントラルドグマの爆心地で、ロンギヌスとカシウス二本の槍で封印されているリリス(元はエヴァMk6)に辿り着く。二本が同じなのを訝るカヲルだが、強引にそれを抜いてしまったシンジ。
4thインパクトを阻止するため、自らDSSチョーカーで自爆したカヲル。

ゲンドウの意味深な言葉を残して、ドラマは「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」に続く・・・


あらすじ
成層圏上空。アスカのエヴァ2号機とマリの8号機が、十字型のコンテナを追っている。強奪するためにアスカが接近するが、コンテナから使徒が覚醒して妨害。

作戦は失敗するかに見えたが、コンテナが一部爆発して使徒を殲滅。
コンテナ内から光る眼。


目を覚ますシンジ。司令室らしきところに引き出されると、そこには軍服姿の艦長ミサト。副長は赤木リツコ。

2人を始めクルーたちの冷たい視線。
突然の使徒からの攻撃。リツコは撤退を勧めるがミサトは「飛ぶわよ」。
エヴァ2号機を使ってシステム起動し旗艦「ヴンダー」が発進。

 

ヴンダーは使徒4体を引きずり出し殲滅。
シンジが「僕がエヴァに乗る!」と叫ぶが「あなたは何もしなくていい」と冷たく言い放つミサト。リツコは「初号機は本艦の主機として使用中のためパイロットは不要」という。

だが初号機覚醒リスクへの保険のため、シンジに首輪(DSSチョーカー)を付け、いざという時はシンジの命を以ってせき止めるという。

シンジの応対をしていたのは鈴原さくら。

トウジの妹だった。どう見てもシンジより年上。
あれから14年経っている、とミサト。そこへアスカが来てパネルを一撃。怒りと悲しみ。だが体つきはシンジと同じ。

エヴァの呪縛だと言うアスカ。
綾波の行方を聞くが、初号機からはシンジのみ回収されたという。
ネルフのエヴァは全て殲滅するというミサト。

ネルフ壊滅を目的とする組織「ヴィレ」
全く相手にされないシンジは激しい疎外感を覚える。
そこにレイの声が聞こえる。Mk9(外観は零号機類似)で迎えに来たレイ。脱出するシンジ。
ミサトはDSSチョーカーのスイッチを押せなかった。

むきだしになっていたジオフロント。

景色を見て14年の経過を知るシンジ。
ピアノを弾いている少年。ゲンドウと対峙するシンジ。

エヴァ13号機を見せられる。
「時が来たらその少年とこのエヴァに乗れ」。
レイに会うシンジ。募る違和感。助けた筈のレイとは違う?
話すうちに彼女がレイとは別人格(仮称アヤナミ)だと理解する。

カヲルに連弾を持ちかけられ、少しづつ上達して行くシンジ。

様々なエピソードと共に親しくなっていく2人。
「僕は君と会うために生まれて来たんだね」とカヲル。

14年間眠っていた間にみんながどうなったか。
「知りたいかい?」長い階段を降りて行く2人。

霧が晴れた先に広がる惨状。
君が初号機と同化して起こしたサード・インパクトの結果だという。
自己を人工的に進化させるための儀式。

全てが太古よりプログラムされていた絶滅行動であり、ネルフではそれを「人類補完計画と呼んでいた」とカヲルは言う。
「父さんは何をやっているんだ」混乱するシンジ。
全てのきっかけはジンジだと言う。ガフの扉を開いたエヴァ初号機はサード・インパクトのトリガとなってしまった。

リリンの言う「ニア・サード・インパクト」
ショックを受けるシンジ。

冬月がシンジを将棋に誘い、その折りに母親の話をする。
綾波ユイ。今ではエヴァ初号機の制御システムとなっている。

コアへのダイレクト・エントリーを自らが被験者となって試みたが、ここで彼女は消え、彼女の情報だけが綾波シリーズに残された。

君の知っている綾波レイはユイ君の複製品の1つだ。
その彼女も今、母親同様初号機の中に保存されている。
「最後の契約の時が来る。もうすぐ会えるな、ユイ」と呟くゲンドウ。

シンジが壊してしまった音楽プレーヤーを修理してくれたカヲル。
エヴァ13号機 起動の時が来た。が、シンジは拒否する。

エヴァにのると首のもので死ぬと言われていた。
「リリンの呪いとエヴァの覚醒リスクは僕は引き受ける」とそれをいとも簡単に外し、自分に装着するカヲル。
君の希望はドグマの爆心地にある2本の槍だけだ。それが人類補完計画のキーとなっている。その槍を手にすれば4thインパクトも防げるし、世界の修復も可能だ、と言われて搭乗を決めるシンジ。

13号機はダブル・エントリーシステム。


ヴンターが13号機の起動を確認した。
Mk9が援護につく。
降下の途中にある巨大な人形の様な残骸。「全てインフィニティのなりそこない。君は気にしなくていい」
リリスの結界に到着。2人でテンポを合わせて結界を突き抜けて行く。


「これが、リリス」「だったものだ、そのむくろだよ」
近くにはエヴァが。「そう、Mk6。リリス型に改造され、リリンに利用され
た機体のなれのはてだ」という。
リリスには2本の槍が刺さっていた。「ロンギヌスとカシウス。2本の槍を持ち帰るには魂が2つ必要なんだ」
だがカヲルが異常に気付く。「おかしい。形状が揃っている」
早く槍を抜こうと先走るシンジ。
そこへ到着したMk2のアスカ。またサード・インパクトを起こすつもりかと迫る。「本当に、ガキね」
「やめよう、シンジ君。いやな予感がする。あれは僕らの槍じゃない」
だが突っ走って槍を抜こうとするシンジ。

追加の腕が更に2本出て、槍は引き抜かれた。
ガフの扉が開き、大きな渦の中心に引き上げられる13号機。


ゼーレのメンバーの電源を落とし、次々と抹殺して行くゲンドウ。

「我々に文明を与えてくれた。人類を代表し、感謝します」

「何だこれ?僕が槍を抜いたから?」戸惑うシンジ。
「4thインパクトの始まりの儀式」とカヲル。
そこへヴンターが13号機めがけて突っ込む。
「何としても4thの発芽を食い止める!」とミサト。
ヴンターにMk9が取り付く。「アダムスの器か」
そしてヴンターの制御系を侵食。
そこへMk2のアスカが駆け付ける。ビーストモード等手をつくすが撃退出来ず、自爆してその目的を果たす(直前でアスカは脱出)。

4thインパクトに進みつつある状況。
「君のせいじゃない、僕が第13の使徒になってしまったからね。僕がトリガーだ」
「ごめん、これは君が望む幸せじゃなかった。ガフの扉は僕が閉じる」
カヲルが何を言っているのか理解出来ないシンジ。扉は閉じない。
「縁が君を導くだろう」と言い、カヲルはDSSチョーカーにより絶命。
マリのMk8がシンジが乗るエントリープラグを射出させると、ガフの扉は次第に閉じる。「しっかりしろ、わんこ君」

「ひどい有り様だな」と冬月。
「だがゼーレの少年を排除し、第13号機を覚醒へと導いた。葛城大佐の動きも計算内だ。今はこれでいい」
副長のリツコが言う「誰のおかげか判らないけど、今夜は止まった。ミサト、今はそれで良しとしましょう」

エントリープラグの中でうずくまるシンジを引きずり出すアスカ。

 

アヤナミも近づいて来た。
「さっきのパイロットね。綾波タイプの初期ロットか」
「リリンが近づけるところまで移動するわよ」
3人がとぼとぼと歩く中でエンドロール。
シンジが落とした音楽プレーヤーを拾うアヤナミ。