半沢直樹 第二期 5~10話 TBS系 2020年 8/16~9/27放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

1~4話

脚本    丑尾健太郎 金沢知樹
演出  福澤克雄 田中健太
原作    池井戸潤『銀翼のイカロス』  
放送  2020年8月16日~9月27日

キャスト
半沢直樹(はんざわ なおき)    - 堺雅人
半沢花(はんざわ はな)        - 上戸彩
渡真利忍(とまり しのぶ)        - 及川光博  半沢の同期
近藤直弼(こんどう なおすけ)    - 滝藤賢一  半沢の同期
中野渡謙(なかのわたり けん)   - 北大路欣也 東京中央 頭取
大和田暁(おおわだ あきら)      - 香川照之  東京中央 役員
黒崎駿一(くろさき しゅんいち)     - 片岡愛之助 金融庁
智美(ともみ)                   - 井川遥   小料理屋 女将

主に後半のキャスト

白井亜希子(しらい あきこ)  - 江口のりこ 進政党 国土交通大臣
笠松茂樹(かさまつ しげき)  - 児嶋一哉   白井、箕部の秘書
箕部啓治(みのべ けいじ)  - 柄本明   進政党 幹事長
乃原正太(のはら しょうた) - 筒井道隆 再生タスクフォースリーダー
神谷巌夫(かみや いわお)    - 木場勝己  帝国航空 社長
山久登(やまひさ のぼる)    - 石黒賢   帝国航空 財務部長
永田宏(ながた ひろし)    - 山西惇   帝国航空 財務担当役員
丸岡耕二(まるおか こうじ)   - 粟根まこと 丸岡商工 
木滝英雄(きたき ひでお)   - 鈴木壮麻  グレートキャプテン
谷川幸代(たにがわ さちよ)  - 西田尚美  開発投資銀行 次長
東京中央銀行
曾根崎雄也(そねざき ゆうや) - 佃典彦   検査部 次長
富岡義則(とみおか よしのり) - 浅野和之  検査部 部長代理
灰谷英介(はいたに えいすけ) - みのすけ  法人部 部長代理
福山啓次郎(ふくやま けいじろう)  - 山田純大 融資部 次長
深尾貴洋(ふかお たかひろ) - 小松和重 伊勢志摩支店 副支店長
牧野治(まきの おさむ)     - 山本亨   副頭取。10年前に自殺




感想
この、後半の企業再生のモデルは言わずと知れた日本航空(JAL)の再建。まさに「JAL再生タスクフォース」としてウィキペディアに項目がある。

国内最大手の上にあぐらをかいているうちに経営破綻した「帝国航空」。再生タスクフォースと、債権を持つ銀行団との攻防の中で、政治家の暗部が暴かれる。
さすがに国を相手では敵わんだろうと思っていたら、箕部に対する不正融資を糸口に、ホント都合良く秘密が明らかになって行く。
前回まで敵だった金融庁の黒崎が、第9話で突然銀行内の会議室に乗り込んで来て助太刀。

一体どうやって入ったのか。ギャグとしか言いようがない。
突っ込みどころは他にもイロイロあるが、まあそれも含めてサラリーマンのファンタジーなんだからしゃーないか。

白井大臣役の江口のりこ。いつも地味な役が多いが、今回は多分江口史上一番の大物。半沢の債権放棄拒否を目の前にしての、逝っちゃってる目は迫力があった(盆栽ブチ壊しも)。
その相方の秘書役、アンジャッシュ 児嶋も好演。

渡部が自粛で大変な時期だが、こうやって頑張っているのを見ると、励ましたくなる(こんな裏話あり)。
最終話の視聴率は、第一期の42%には及ばないが32.7%と、最近のドラマの中では大健闘。

あらすじ
第5話「悪徳政治家に倍返し!卑劣な政府から500億を守れ」8/16 視聴率 25.5%
動揺する役員を前にして半沢が狙うのは、債権放棄なしでの帝国航空再生。そのためには最も多くの債権放棄を要請されている「開発投資銀行」との協調が必要。うちがしっかりとした再建計画を立て、銀行団として債権放棄を拒否すればタスクフォースと戦える。
そのために3週間かけて、帝国航空が死に体でない事を見極める、と半沢。

新任の白井国土交通大臣と、タスクフォースを率いたリーダー乃原正太が、帝国航空に乗り込み部屋を確保した。

幹部に、帝国航空は私が立て直すと意気込む白井。
半沢も部下の田島と共に、社内の査定のために入っていた。

従業員の教育が行き届き、プライドを持っているが、伝統が縦割りを助長し弊害となっている。
社内に君臨する「グレートキャプテン」と呼ばれる、業界ナンバーワン機長の木滝英雄。経営危機と無関係に行われる、ユニフォームのデザイン検討を批判する半沢と対立する木滝。

だが半沢の意見を聞く耳も持っている様だ。
比較的協力的な財務部長の山久登に対し、役員の永田宏は、勝手に動いて政府に見捨てられたらどうするんだ、と批判する。
渡真利の話では、永田は本店からの出向者で、ゴタゴタがあって飛ばされたとの話。
担当常務 紀本の人事も不可解。

あの年齢で本部に返り咲くのは異例中の異例。

乃原を伴って、長老で進政党幹事長の箕部啓治へお礼の挨拶に行く白井議員。この人事のため、総理に土下座した箕部。
乃原から東京中央銀行が動いていると聞いて、鼻で笑う白井。

2週間の調査を終え、自力再建が可能と判断した半沢は、帝国航空幹部に再建計画を見せ説明した。
それは経営陣や社員に痛みを伴うものであり、最初は反発された。
だが辛抱強く順序立てて説明し、神谷社長は「お願いします」と頭を下げる。しかしこの再建案が、全社員への一斉メールでリークされた。

しかも社員に負担をかける点ばかりが強調されている。社員だけでなく、協力を得られそうだった木滝からも反発を受ける半沢。

社員とのトラブルを起こしてしまった半沢に、メインバンクである開発投資銀行の谷川幸代が説明を求めた。反論する半沢だが、メインバンクはウチだと釘を刺される。また、帝国航空内に不穏分子がいるからうまく行かない、と忠告する谷川。
スパイラルの瀬名が、メール発信者の個人情報を突き止めてくれた。だが犯人とは断定出来ない。
その住所である伊勢志摩市の雑居ビルを訪れる半沢。

「丸岡商工」との看板を掲げる一部屋だけの事務所。

事務の女性から巧みに社長 丸岡耕二の所在を聞いた半沢は、とんぼ帰りで東京に向かい、その会場に駆け付けた。
そこは進政党議員 永田栄一のパーティが開催されており、白井議員や箕部も出席。そこに居合わせた帝国航空の永田。

彼は永田議員の弟だった。丸岡の顔も確認した半沢。

帝国航空の山久に、丸岡商工との付き合いについての調べを頼む半沢。永田の紹介で取引きを始め、現在の取引額は年9千万。
一方、以前伊勢志摩支店時代に永田が、融資案件を悪用して兄に政治献金をしていた疑いがあり、帝国航空への出向で収めたという経緯があった。
丸岡の尻尾を掴むために、社有車のドライブレコーダー利用を木滝に依頼する半沢だが、拒否される。

再建のための社員説明会を、何とか開いてもらった半沢。

流出した再建案は、現場だけの一部を切り取ったものだと説明して理解を求めた。
だがそれを遮って社員を煽る永田。同調する現場社員たち。

 

丸岡商工の名前を出し、水増し請求の実態も明らかにした半沢。
言い逃れる永田に、ドライブレコーダーの映像を出させる半沢。
丸岡と永田が話している映像。例のメールの件では悪かった、と永田。それにもシラを切る永田。

更に映像は続き、永田が去った後、半沢が丸岡を締め上げ、更に木滝も参加して、丸岡は全てを自白した。

 

「帝国航空に最も不要なコストはお前だ!」と追放される永田。
その上で、社員たちに再建案への理解を求める半沢。

再生タスクフォースの乃原に呼び出された半沢は、彼らの再建案を渡される。各銀行の債権7割カットの内容。
不満そうな半沢に、裏でこそこそ動いている事に怒りを見せ、トーシローは外で見ていろ!と言う乃原。
それに対して債権放棄拒否を宣言する半沢。

第6話「ついに半沢、敗北!?牙をむいた政府の刺客、黒崎登場!」8/23 視聴率 24.3%
乃原はスピード再建を主張するが、強権発動しての債権放棄命令は出せない筈、と反論する半沢。
だが半沢の提案する帝国航空の再建案は、暗礁に乗り上げていた。人員整理計画に対し約千人の社員が転職を拒否。
そんな中、白井国交大臣が東京中央銀行に乗り込み、中野渡頭取に債権放棄を要求する。半沢の反論に、業務改善命令をチラつかせる白井大臣。担当役員の紀本が謝罪してその場を凌いだ。
後で大和田が、大事なのは頭取をお守りすることだ、と半沢に諭す。

半沢らの奔走により人員整理分の再就職先500名は決まったが、あと500名分が必要。
帝国航空メインバンクの開発投資銀行 谷川に相談する半沢に、賛同するわけではないと釘を刺した上でLCCの「スカイホープ航空」の担当者を紹介した。その担当は、驚いたことに森山。
スカイホープ航空が、開発投資銀行に大型融資を依頼している事から増便計画があると睨む半沢。
森山は、ハワイ路線開拓等の情報を伝え、人員補充の必要を認めた。

白井大臣の意向で、金融庁による与信判断のヒアリングが行われる事になった。帝国航空に行った融資の妥当性判断。問題があれば業務改善命令が出される。白井というより、バックにいる箕部議員の力。
ヒアリング当日に現れたのは何と黒崎。

担当が急きょ変更になったという。
厳しく追及する黒崎に、与信判断は甘かったかも知れないが、全て金融庁の検査をクリアしていると返す半沢。
本当に正しい情報を出していたのね?との問いに前担当の曾根崎を見つめる半沢。
黒崎は、当時東京中央銀行が金融庁に出した資料と、帝国航空が出した債権案の数字が違っている事を明かす。
うろたえ、1時間の猶予をもらった半沢が曾根崎を追及するが、知らないと突っぱねられる。
資料を探すも見つからず、虚しく1時間が過ぎ、黒崎に再度時間を頂けないかと申し出るが、ヒアリングを打ち切ろうする黒崎。
そこに曾根崎が現れ、帝国航空の財務部長 山久に確認したところ、彼らの事務ミスで、検討案を銀行に送ったものだと弁明。
それを受け入れて帰る黒崎。
紀本常務は、ピンチを救った曾根崎に、金融庁への報告書をまとめる様指示した。

中野渡頭取は、半沢を外せという白井大臣直々の電話を受け、紀本常務からも同様の話を聞き、現担当の半沢、前担当曾根崎双方から同時に話を聞きたいと言った。
その席上、曾根崎は山久から預かったという、半沢を担当から外して欲しいという要望書を出す。
一方半沢が、山久から預かったという状況説明書を出した。

そこには、金融庁へ出した数字間違いについて帝国航空は関係ないとの記述が。
どちらかが嘘をついていると紛糾する中、半沢がICレコーダーの音声を再生する。
それは曾根崎が山久を懐柔している現場のやりとり。

タスクフォースに従うからリストラ人員は残せるとの甘言。担当役員から確約を貰っているとも。
その話は一切知らない、と否定する紀本と大和田。
種明かしをする半沢。山久は500人のリストラが解決しなければ訴訟を受ける立場であり、曾根崎の誘いに一人で責任を被ろうとしていた。
スカイホープ航空の人員受け入れについて半沢が話した事で、全てを告白した山久。録音は半沢が指示したもの。
全てを暴かれ、退席させられる曾根崎。
善後策を講じようとする大和田に「不正は必ず暴かれる」と正直に報告する事を選ぶ頭取。

そんな中、スカイホープ航空のハワイ路線の認可が却下された。

帝国航空のリストラを失敗させるために白井大臣が動いた。もちろんバックは箕部。
そして金融庁が中野渡頭取を呼び出して、東京中央銀行に対して業務改善命令を出した。
テレビでその様子を見ていた半沢は倍返しを誓い、裏切者を焙り出すと宣言した。

第7話「すべてが決まる運命の日!最恐の敵と直接対決へ・・・!?」8/30 視聴率 24.7%
視察で東京中央銀行を訪れた白井大臣に「スカイホープ航空」への認可却下の理由を聞く半沢だが、開発投資銀行が融資を打ち切ると聞いたから、との回答。

だがそれは白井が開投銀の谷川に強要していた事。
更に白井は、債権放棄のための合同報告会に本行も出席するよう伝えた。
内部の動きが筒抜けなのは内通者がいるからと考える半沢。それは大和田か、債権担当常務の紀本のいずれか。
半沢は本行がスカイホープ航空に融資を行いリストラの受け皿にする事を提案。
だがそんな時、TV番組に出演して帝国航空再建が進まないのは東京中央銀行が原因だと名指しする白井。
この状況に、債権担当常務の紀本が半沢の提案を拒否。大和田も政府に逆らうなと再建放棄を迫る。

半沢は、白水銀行がスカイホープ航空への融資を行うと聞いて、開発投資銀行の谷川に面会。白水への斡旋は谷川が行っていた。
開投銀は天下りの温床であり、政府に逆らえない構造。

今度の閣議で本行の民営化法案の決議が行われるが、体質が変わるかは未知数だと言う谷川。
白井は報告で詰めの甘さを指摘されるが、東京中央銀行には何でも言うことを聞いてくれる者が居ると言ってフォローする箕部。

役員会に出席する半沢。債権放棄拒否の稟議に、大和田がオーバーに反対すると、それに対して理路整然と答える半沢。
それを受けて一転、半沢に賛成する大和田。その流れで債権放棄拒否への採決が決まろうとした時、紀本が断固債権放棄を主張して、これに銀行員生命を賭けるとまで言った。
それを受けて頭取が債権放棄への決断を行った。半沢は、もし開発投資銀行が再建放棄拒否した場合、本行もそれに従う事の条件付記を申し出て認められた。
会議後大和田に、債権放棄拒否に回った裏を指摘する半沢。利害は一致して、内通者が紀本だと判明。
協力を要請する半沢に、お願いの仕方を説く大和田。
半沢と大和田は、融資妥当性の件で裏切っていた曾根崎を絞り上げて、内通者が紀本だと白状させた。

だが政府側の人間までは知らなかった。

開投銀の谷川に会い、東京中央銀行の債権判断は開投銀に従うとの条件付記を伝える半沢。
立場上、当行の方針は決まっていると答える谷川に「あなた自身は?」と聞く半沢。
債権放棄なんてするべきじゃない、でも上が許さない、と気持ちを吐露する谷川。

再生タスクフォース乃原が主催する合同説明会が開催された。白井大臣も出席。
銀行側は、遅刻している開発投資銀行を除いて、債権を持つ銀行全てが出席。
融資額の低い銀行から報告が始まるが、皆口を揃えて「主力・準主力銀行の対応に従う」
怒りに震える乃原は準主力銀行代表の半沢を指名。しばらく沈黙の半沢だが、スマホ画面を見て債権拒否を宣言。
役員会議で債権放棄を決議した筈だ!と叫ぶ乃原に、条件付記の事を説明する半沢。
そこに遅刻していた開発投資銀行の谷川が入室。債権放棄については見送りの判断をしたと回答。
半沢は、ここに集まった銀行の全てが債権放棄拒否だと宣言。谷川からメールで結論を聞いていた。
うろたえる白井大臣は谷川に詰め寄るが、彼女は以下の説明をした。
政府系の銀行だった開発投資銀行だが、閣議決定で民営化法案がまとまり、国会で成立するメドが立った。これで政府の呪縛が解けた。


箕部議員を訪れて今回の件を謝罪する白井。責任を取って離党すると言ったが、その離党届は秘書の笠松が出さずにいた。
白井に、お飾り人形として私の言う通りにしろと告げる箕部。

花の縁で料理屋の女将・智美と知り合った妻の花は、智美が以前中野渡頭取の秘書だった事を半沢に教える。
一方箕部は中野渡頭取を酒席に呼び出し「仲良くやっていこうじゃないですか」と酒を注ぐ。

第8話「まさか頭取が…!? 極悪政治家の不正を暴け!」9/13 視聴率 25.6%
銀行側が集団で債権放棄を拒否したため、大和田は役員会で紀本を追及するが、頭取への証人喚問リスクを持出し、懇願して帝国航空担当に残留する紀本。それを聞いて紀本と箕部の関係を疑う半沢。
タスクフォースが再度示した再建案には、赤字で廃線予定だった伊勢志摩空港が復活していた。同空港は箕部の選挙区でもある。更に相変わらず再建案は、銀行の債権放棄を前提にしている。

金融庁黒崎の示唆で、箕部が過去合併前の東京第一銀行時代に融資を受けていた事実が判明。その明細を知るには役員権限が必要のため、大和田と手を組む半沢。
調べた結果では、過去に20億が箕部に融資されており、それが5年間も無担保だった。
その上、詳細を現すクレジットファイルが見当たらない。
当時の担当 灰谷に聞きに行く半沢だが、合併前の事に口を出すなと拒絶される。本行の生き字引でもあり、育ててくれた検査部の富岡に相談する半沢。
富岡の話では、合併前の東京第一銀行(旧T)には表に出せない不正融資が多くあったという。
だが箕部の件もクレジットファイルがなければ詳細は分からない。
半沢と富岡の密談を聞きつけた紀本が、検査部にやって来た。そこで箕部の調査ファイルを見られそうになるが、大和田の命を受けてやって来た福山に助けられる。
福山の調べで紀本が、10年前に自殺した前副頭取 牧野治と何らかの関わりがあると分かった。
牧野は合併前は旧Tの頭取であり、不正融資の責任を取って自殺した。
紀本ら旧Tの有志は、牧野の命日に集まる「棺の会」を運営していた。そのメンバーに料理屋女将の智美も参加していた。彼女は牧野の元秘書でもあった。
その智美に話を聞く半沢。牧野の無実を信じており、彼の自殺当時、紀本に多額の金が振り込まれた噂を話した。

大和田は紀本に寝がえり、半沢が牧野の残した遺書からクレジットファイルの隠し場所を発見したと吹き込んだ。
灰谷を使って、書庫センターの隠し場所へ確認に行かせた紀本。

灰谷は確認して一安心するが、それを富岡が見ておりクレジットファイルを入手した。
紀本が智美を訪れて、牧野の遺書を読ませて欲しいと申し出るが、そこにいたのは半沢。
遺書には隠し場所など書かれておらず、クレジットファイルを手に入れるための罠。
この事を「開けてはならない棺だ」と言う紀本に箕部からの電話。
半沢に、箕部先生が会いたいとの伝言。

箕部に呼び出された大和田、半沢、紀本。
15年前の融資について、名目は説明が面倒なので、牧野さんに都合を付けてもらった。金は返しました。それだけの事です、と言い切る。
食い下がる半沢は、ある者に多額の金が振り込まれた話を持ち出す。
だが箕部がリストを出した。牧野の口座への入金記録。

様々な業者からの多額の入金があった。その補足説明をする紀本。
これが表沙汰になれば、東京中央銀行に業務停止命令が出る。それでもいいのかね?と箕部。
大和田は即座に謝罪するが、なかなか謝ろうとしない半沢。
とうとう箕部は金融庁長官に電話を入れた。ついに謝罪する半沢。


それに伴い、頭取への証人喚問も見送られた。

その後、黒崎が左遷させられた事を知る半沢。箕部の不正融資を調べて怒りを買った。
「伊勢志摩ステートを調べなさい」と言って去って行く黒崎。

9話「最終決戦!半沢ついに敗北か?真の黒幕は・・・」9/20 視聴率24.6%
大和田は手に入れた箕部のクレジットファイルを紀本に返しに行く。紀本の問い詰めに「見てませんっ!」と言い張る大和田。

強引についてきた元部下の森山と共に、老舗の不動産会社「伊勢志摩ステート」へ出向いた半沢。
クレジットファイルによれば、箕部が借り受けた金はどこかの口座に振り込まれている筈。
そこに車が到着。同社社長と同じ車に乗っていた笠松は、元白井議員の秘書で、今は箕部の秘書。
東京中央銀行 伊勢志摩支店で同期の深尾に話を聞く半沢。

伊勢志摩ステートの野川社長は、箕部の妻の甥だという。

またタスクフォースの乃原は、この市の浅原交通の顧問弁護士をしており、同社の計画倒産を仕切った疑いがあるやり手。
同社の財務資料を見たいという半沢に協力する深尾。だがその情報を笠松が知って銀行に乗り込んで来た。危ないところで逃げた半沢と森山はその足で、ある住所に行く。そこは伊勢志摩空港。
箕部は東京中央から借りた20億で、伊勢志摩ステートを使って当時二束三文の土地を買わせた。それが今では空港。これが錬金術の正体。だが箕部と伊勢志摩ステートとの金の流れの記録がない。
旧Tが隠していた資料の中にそれがないか、書庫センターに行くが一連の資料がなくなっていた。
大和田を問い詰めるが、知らないという。それでも箕部のクレジットファイルの画像データを大和田から何とか手に入れた半沢。
金の流れを示すメモがあるが、記号の意味が分からない。

タスクフォースの乃原は、白井議員を伴って東京中央銀行へ行き、中野渡頭取に再度債権放棄を迫ると共に、白井をさしおいて頭取に、二人で話したいと申し出る。
一方渡真利が掴んだ乃原の過去。34年前、乃原の父親の工場が倒産した時、担当銀行の支店長だったのが紀本の父親。
乃原は浅野交通の顧問をしていた時に箕部の企みを知った様だ。
彼はタスクフォース担当ではあるが箕部の告発、債権放棄いずれになっても銀行に損害を与えれば満足。

解読の結果、箕部のクレジットファイルの中のメモは、伊勢志摩ステートから箕部、棺の会への金の流れを示したものと判明。

メモを書いたのが灰谷だと突き止め、黒幕が紀本だと吐かせた。
半沢は、書庫センターの書類を移したのが富岡だと知ったが、彼は頭取の特命を受けて旧T時代の問題融資を調べていた。

だがその資料の中にも箕部の証拠になるものはなかった。
そこに半沢の後をつけて来た紀本が現われ、資料を奪ったのは背信行為だと騒ぐ。

だがそこへ黒崎が来て逆に紀本を追い詰める。全てを話した紀本。
当時の副頭取 牧野が箕部への融資を反対した時、箕部が旧T時代の問題融資をネタに脅して融資を認めさせた。
牧野を完全に掌握するため、勝手に彼の口座を作って賄賂が流れた様に工作した。
その罠を知り、嵌められた事に気付いたが、全ての責任を負って自殺した牧野。
証拠となる書類を取りに行く紀本。

だがそこにあった筈の書類は持ち去られていた。
それは大和田が奪った。教えたのは現場にいた福山。

一方乃原と二人だけで会った中野渡頭取は、彼から旧T時代の不正融資をネタに債権放棄を迫られていた。

だが誰かからの電話を受けた後、その要求を突っぱねる頭取。

スマホのGPSを頼りに半沢が大和田の居るところへ行くと、そこには大和田の他に頭取と箕部がいた。
半沢が、箕部の不正の証拠を出すように言うと、それは既に頭取から箕部へ渡っていた。
半沢は、膿を出し切って、本来銀行があるべき姿に戻るべきだと訴えるが、頭取は半沢に帝国航空の担当から外れるよう命じた。
箕部も「悪いことは言わない、謝りなさい」と言った。
大和田が、半沢に土下座をさせようとしてのしかかる。

それをはねのけた半沢。
半沢は、私は銀行を信じています、貴方のしたことは全銀行員に対する裏切りだ、と頭取に言った。
そして箕部にも、欲にまみれた老いぼれだ、言い、皆をねめ回して
「三人まとめて、千倍返しだ!」と宣言した。

第10話(最終回)「最終回1000倍返しなるか!そしてまさかの辞表!?最終決戦」9/27 視聴率32.7%
うまく取り入った大和田は箕部に、東京第一銀行が債権放棄を発表する事と、半沢の出向を伝えた。
道場で一人素振りをする半沢に、瀬名と森山が駆け付けて一緒に汗を流した。そこに渡真利が来て、隠れている紀本の居場所が分かったと伝えに来た。
紀本に会い、大和田が奪った資料の中味を問い詰めると、それは伊勢志摩ステートの入金依頼や振込み依頼書だった。

それだけでは証拠が足りない。箕部に直接つながる証拠は、全て第一秘書の武田が握っているという。

半沢は黒崎を訪ね、箕部の証拠を掴む協力を願い出るが、それをやろうとして飛ばされた、と黒崎。
だが半沢が掴んでいる箕部への百億の金に興味を持ち、国内は全て調べたから、海外口座を探せとアドバイス。しかし国税が動いたとたんに気付かれ逃げられる。チャンスは一度きり、と念押し。

半沢は渡真利、富岡らと海外口座を探そうとするが、決め手がない。
半沢は、白井大臣の秘書笠松が、東京中央銀行伊勢志摩支店で半沢を逃がしたのにそれを箕部に伝えなかった事を思い出し、白井議員への協力を求める。

笠松もあのファイルを記録しており、箕部の悪事は認識していたが、白井議員の立場を考慮して断った。笠松を半ば脅迫する半沢。

タスクフォースと帝国航空の打合せ場所に押しかけ、離任の挨拶をする半沢。その場のやりとりで、白井議員の乃原に対する不満と、箕部の不正を知らないという二点を確信する。
半沢が言っていた事を笠松に訊ねる白井議員。
白井議員が半沢の自宅を訪れた。大ファンの花は舞い上がり、白井の胸ポケットに桔梗の花を挿した。花言葉は「誠実」
半沢が、箕部の隠し口座を探す事への協力を求めるが、その時箕部からの電話を受ける。態度を一変させ、協力を断る白井。

一方人事部から、頭取のところへ行くようにとの電話。

「用件は、お分かりでしょ」
家で花と話す半沢。神妙な顔を見て出向を覚悟する花だが「出向どころじゃすまない、ごめん」
それを聞いて、いっそ辞めちゃえば、と励ます花。「生きていれば何とかなる」

翌日、頭取室を訪れる半沢。先日の非礼を詫びるが、あの資料だけでは箕部の不正を暴ききれなかったから、敢えて渡したんでしょう?と聞き、更に大和田はその続きを探らせているのでは?と続けた。
「そうだ」と答える頭取。
半沢が大和田の不正を暴いた時、大和田を出向させなかったのは、行内の不正融資の調査をさせるためでもあった。

更に半沢を出向させたのは、大和田派から彼を守るのと、銀行と対をなす証券を学ばせるため。
君はいずれ頭取になる人間だ。大和田には過去、君には未来を託したつもりだったが、私の力不足だ、と言って謝る頭取。

だが、まだ手はあります、と半沢。
白井議員を東京中央銀行に招いての会議。頭取直々に隠し口座調査への協力を依頼した。だがそれを拒否する白井議員。

翌日、タスクフォースの乃原は、マスコミを多数集め記者会見を開いた。中野渡頭取が債権放棄する場の演出であり箕部、白井議員も列席。
だが遅刻して現れたのは半沢だった。命により再び帝国航空の担当となり、今回は頭取の全権を委任されてここに来た。

激怒する箕部に、白井がとりなす。
実は昨日の頭取との会議には続きがあった。拒否した白井に頭取が、10年前箕部への不正融資の責任を取って自殺した、副頭取の牧野の話をしていた。それで協力を決めた白井。

半沢は改めて、債権放棄の拒否を宣言した。紛糾する会場。
それを補強する様に白井が、タスクフォースの再建案を、東京中央銀行が作ったもののパクりだと言い、激怒して罵る乃原に「恥を知りなさい!」と一喝。
怒り心頭の箕部が逃げようとするのを白井が止める。
話を続ける半沢。タスクフォース案で唯一異なる点が伊勢志摩空港の存続。本来の再建案では撤退予定だった。
15年前、東京第一銀行から20億を借り、親族経営のIS社(伊勢志摩ステート)を通じて土地を購入した。

それが今の伊勢志摩空港。巨額の利益を得たIS社。
IS社はその後定期的に数億円を箕部に送り、その一部を旧東京第一銀行幹部の「棺の会」へ送っていた。
名誉棄損だ!証拠を見せてみろ!と叫ぶ箕部に「お見せします」
そこへ紙を持って訪れる大和田。

この会見の30分前、箕部の事務所から会見場に行く時、一人残った笠松が箕部のパソコンに向かいUSBを差し込む。

 

それはファイル復元ツール。電話でスパイラルの瀬名がアドバイス。

ツールにより振込み先が「UAE銀行」名古屋支店である事が判明し、白井が黒崎に電話。黒崎は同銀行にガサ入れして証拠のファイルデータを大和田に転送。
白井は会見場に行く前に、箕部が大事にしている盆栽をブチ壊した。


大和田からデータを受け取った半沢は、ISからの送金と箕部の隠し口座への入金が完全に一致し、その総額が百億に上ることを明らかにした。
逃げようとする箕部を白井が遮り、マスコミの前へ突き出した。

瞬間的に土下座をして、走って逃げる箕部。

その後
東京中央銀行は、東京第一銀行時代の問題融資千五百億を公表し、中野渡頭取が謝罪した。
箕部幹事長は、政治資金規正法の他、収賄と脱税で逮捕。
乃原は白井の告発で、強要罪により弁護士会を退会。
帝国航空の再建は、メインバンクの開発投資銀行主導で行われ、谷川が半沢の仕事を継いだ。
白井議員は進政党に離党届を出して無所属となり、一から出直し。

そんな彼女について行く笠松。

中野渡頭取は、役員会議で辞任が承認されると、半沢を呼んで感謝を述べた。私も辞めますと言う半沢に、全ての責任は私が取る、と言って去って行く中野渡。
その後大和田に呼び出された半沢は、中野渡から預かった彼の退職願を返そうとするが、受け取らない半沢。
半沢の父が亡くなった時の事を思い出し、バンカーとして当然の事をしたと言う大和田に反論する半沢。
それに対し、俺はここを辞めると言った大和田。

この銀行はもう終わり。
必ず立て直せると言う半沢に、じゃあ立て直しでみろと言う大和田。

正義を貫くにはお前が頭取になるしかない。
勝負だ!もしお前が頭取になれなかったら、お前はここで土下座しろ。なれたら私が土下座する。受けて立て!
それを受けて立った半沢。
やれるもんなら、やってみろ、と言って大和田も去って行った。