マトリックス・リローデッド (映画)    2003年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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マトリックス 1999年

マトリックス・レボリューションズ 2003年

 

監督・脚本  ラリー・ウォシャウスキー

                   アンディ・ウォシャウスキー
製作       ジョエル・シルバー
興行収入  7.4億ドル

 

キャスト
ネオ(トーマス・A・アンダーソン)   キアヌ・リーブス
モーフィアス                      ローレンス・フィッシュバーン
トリニティー                     キャリー=アン・モス  
オラクル(予言者)            グロリア・フォスター
セラフ                               コリン・チョウ
ナイオビ          ジェイダ・ピンケット=スミス
リンク           ハロルド・ペリノー・ジュニア
キー・メーカー                  ランドール・ダク・キム
ロック司令官                       ハリー・レニックス
ハーマン評議員                   アンソニー・ザーブ
ベイン                              イアン・ブリス
ミフネ                              ナサニエル・リーズ
キッド                              クレイトン・ワトソン
アーキテクト                     ヘルムート・バカイティス

メロヴィンジアン               ランバート・ウィルソン 
パーセフォニー                 モニカ・ベルッチ
ザ・ツインズ                    ニール&エイドリアン・レイメント

 

エージェント・スミス               ヒューゴ・ウィーヴィング
エージェント・ジャクソン         デヴィッド・A・キルド
エージェント・トンプソン         マット・マッコーム

 

予告編

 

笑える予告編(温水サイコー!)


感想
前作「マトリックス」の続編。身体を繋がれてエネルギー源とされている人類が、普通と思い込んで生活している「マトリックス空間」。それに気付き、レジスタンス活動を行うザイオンのモーフィアスとそのクルー。

マシン軍団によるザイオンへの攻撃が迫っている。

 

しかし集会でモーフィアスの演説の後、盛大な踊りを見て「未開人やなァ・・・・」

いくら地下社会と言っても、センチネルに対抗する艦船を作る程度の技術力があるのだから、もう少し文化的な行動をしてもいいだろうに。
なんかアフリカの奥地に来たみたい。

 

予言の導きでソースまで辿り着き、アーキテクトから真相を聞かされるネオ。しかしこのアーキテクトのおっちゃん、ホントよう喋る。ここに書いた数倍は喋っている。

ザイオンの拡大と予言者による滅亡が、過去五回行われているという衝撃。
ザイオン自身がアノマリーの産物であり、修正の反映で次のザイオンを作り出すために、人類から男女を選別してリロード(再読み込み)する。要は社会システムを円滑に運営して行くためのスキルアップ。
5代目としてのザイオンが、最初の男女23名から25万になるためには、多分五百~千年とかのレベルが必要。またネオの様にマシン・シティから引き抜かれる者は、そのごく一部。今のマトリックスが一番うまく運用されているとすれば、それに先立つ4代分で千年程度か。
そうなると、マトリックス世界が初期設定の1999年だったとしても、現実にはそれから2千年近く後の世界。
モーフィアス自身そこまでは知らなかった。

 

それからアーキテクトが言った「右のドアを行けばザイオンは救われる」がおかしい。そもそも既定の行動とは、ザイオンが滅び、救世主がソースに修正を加えて次のザイオンの再生となる、という説明だった。
ザイオンが滅んで残りの人類に修正をかけるか、全ての人類が滅びるかの二択だろ?
ただ、左を選んだとしてもいずれにせよアーキテクトが作った世界だから、全人類が滅びるというのはフェイク。

 

まあ、それはおいといて。とにかくネオは、ザイオンよりもトリニティ一人の命を優先させた(その時点の心情として)。アーキテクトは、彼女を救えないと言ったが、結果的に救えた。
アーキテクトの知らない未来が生まれるのか?

 

元々はマトリックス内の監視プログラムだったエージェント・スミスは、前作でネオに敗れてからはマトリックスの支配から離れて、いわゆる逃亡プログラムになった。その行動自身マトリックスの利益を考慮しているとも思えない。

 

ネオがソースのある部屋へ行かなかった事で、今までの五回とは異なるザイオンの未来が予想される。
意識不明のベインも含め、怒涛の最終章へ続く・・・・・

 

備考
アーキテクトの説明で度々出て来るアノマリー(anomaly)は、ざっくりと言えば「異常」。ウィキペディアによれば科学的常識、原則からは説明できない逸脱、偏差を起こした現象を含む。とある。
記憶にある「2001年宇宙の旅」で月のモノリスの事をTMA1と言っていたが、これの英名が「Tycho Magnetic Anomaly One」であり、アノマリーは、このテの異常を示す言葉として使い易いのかも知れない。

 

あらすじ
トリニティがエージェントと戦って死ぬ夢を見るネオ。
モーフィアスが操縦するネブカドネザル号。タンクの後任、リンクがサポート。センチネルを避けながら停船し、マトリックスに侵入するモーフィアス、ネオ、トリニティ。

 

マトリックス空間での、ザイオン司令部メンバーによる会合。
マシン側がボーリングによりザイオンに向かっている。ナイオビの報告では72時間後に25万の敵が来る。ザイオン25万に25万のマシン。奴らの考えそうな事だ、とモーフィアス。
どうやって防御するか。ロック司令官に従おうという流れに対しモーフィアスが否定。予言者の助言が必要だと言う。

 

その時、気配を感じて上階に行くネオ。スミスが現れる。会合の中止を伝えてスミスと戦うネオ。
ひとしきりの戦いを終えて上空に昇ったネオが、ある方向を目指す。かつて予言者に会った時のドアを開けるが、そこには人の形跡がなかった。

 

リンクの操縦でザイオンに入港するネブカドネザル号。モーフィアスを出迎えるミフネ隊長。
ロック司令官の呼び出しを受けているモーフィアス。
いきさつあるのか?と聞くネオに説明するトリニティ。ナイオビはモーフィアスの恋人だったが、彼が予言者に会って全てが変わった。今ナイオビはロック司令官の恋人。
ネオを見つけて駆け寄るキッド。かつてネオに命を助けられて心酔している。

 

ロック司令官と話すモーフィアス。予言者の言葉を聞くために船を残して来た事を責めるロック。街を救う手立てはネオだと言うモーフィアスを信じない。

ザイオン内での集会が始まる。

ハーマン評議員の後に、歓声と共に現れるモーフィアス。
マシンが近づきつつある。試練と困難。100年マシンと戦って来た。大事な事実は、我々は未だに生きている事。
今度こそ思い知らせてやろう!(歓声)大集団での踊りが始まる。

 

予言者からのメッセージを受け取ろうとしていたベインは、スミスに遭遇して身体を乗っ取られる。

ハーマン評議員と話すネオ。支配についての議論。マシンを破壊したら電気が消える。人間もマシンも互いに必要。予言者からのメッセージが来たため、ネブカドネザル号は出航準備。
スミスに乗っ取られたベインがネオを襲おうとするが他人の目があり断念。

出航を許可したハーマン評議員に苦情を言うロック。船が何隻あるかで我々の存亡は決まらない、とハーマン評議員。

 

マトリックス空間に入り、指定のドアを開けるネオ。

そこに居たセラフは予言者を守る者。
突然殴りかかり、戦いが始まる。

 

長い攻防を経て「それまで」と中止。ネオが救世主かどうかの確認。「お待ちかねだ」
久しぶりの予言者オラクルとの面会。ネオはオラクルの存在を、マシン世界のプログラムだと見抜くが、信用出来るかが問題。
選択はあなたがしなくてはならない、とオラクル。そして選択はもうしてる、とも。理由を知るためにここへ来た。
プログラムがプログラムをハッキングする例に関する議論。プログラムは削除されそうになると逃亡して漂流する。プログラムはここに隠れるか、ソースに戻って行くか選ばなくてはいけない。
ソースとは、メイン・コンピューター。そう、あなたもそこへ行くの。救世主の行き着く先よ。
光で出来たドアの先に何が見える?
トリニティが落ちて行く夢。死かどうかは判らない。あなたは未来が見えるようになったと言う。時間のない世界を見ている。
彼女の事が良く見えないと言うネオに、自分がどんなものを選択するか見えてないからだと言う。
失敗したらどうなる? その時ザイオンは滅びるわ。
時間切れをセラフが伝える。最後にオラクルは「キー・メーカーの助けが必要よ」と言ってメモを渡した。

 

オラクルが去ると同時にスミスが来る。
君は私を殺したが、何かが起こった。君は倒したが削除しなかった。君のおかげでシステムのエージェントではなくなった。おめでとう。
我々がここに居る理由・・・・目的が我々を動かす。
スミスの手が胸に差し込まれ、体が黒くなりかけるが、それを押し戻すネオ。次々に現れては向かって来るスミス。
空に飛んで逃げるネオ。スミスは追うことが出来ない。

 

ザイオンでは、帰還しないネブカドネザル号と連絡が取れない事が問題となっていた。
ロック司令官が否定する中、捜索に船を出す提案が出される。ソーレン船長(ビジラント号)が志願。次いでナイオビ船長(ロゴス号)も志願。怒るロックに「永久に変わらないものもある」

 

モーフィアス、ネオ、トリニティの三人がオラクルのメモにあったメロビンジアンを訪れる。


メロビンジアンは、削除を免れたプログラム(エグザイル)の元締め。隣りに座る妻のパーセフォニー。監禁されているキー・メーカーの引き渡しを要求するモーフィアス。
渡す理由はない、と断るメロビンジアン。

事は起こさず引き下がった三人にパーセフォニーが近づいた。

 

夫にうんざりしている。ネオがうまいキスをしてくれたらキー・メーカーを渡すという。最初気のないキスでサイテーと言われ、次はディープキス。
パーセフォニーがドアを開けると、その先で鍵を作っていたキー・メーカーが「君を待っていた」


だが事態を知ってメロビンジアンが駆け付け、部下をけしかける。
逃げるキー・メーカーを追うトリニティとモーフィアス。

敵を食い止めるネオ。


キー・メーカーを確保して車で逃げるトリニティたち。

それを追うツインズ。

車からトレーラーに乗り移って逃げる三人。だが執拗な攻撃でピンチに。輸送中のオートバイに乗り移るトリニティとキー・メーカー。だが鍵がない。合鍵を渡すキー・メーカー。


敵を倒したネオだが、策略で遠くに追いやられる。
バイクで逃げるトリニティとキー・メーカーだがピンチに。

ネオが800キロを超高速で飛び、助け上げた。

 

イカロス号からの報告を受けるロック司令官。敵マシンが鉱床にぶつかって減速しているとの事。だが到達まであと9時間。

キー・メーカーの情報でメイン・フレームまで行く手順が知らされる。チャンスは一回。

 

三隻の船長が集う。我々は運命に導かれた、とモーフィアス。
ネオがトリニティに、今回は任務から外れてマトリックスには入らないでくれと頼む。了承するトリニティ。
ナイオビが問う。「もし間違ってたら?」

その時は全員死ぬ、とモーフィアス。

12時に発電所を爆破。それがトリガー。メンバーはネオ、キー・メーカー、モーフィアス。

 

ドアをキーで開き、キー・メーカーと共に進む。スミスの出現。私の強みは大勢居ること・・・
爆破による停電は緊急システムで復旧され、このままだと作戦は失敗する。緊急でマトリックスに入ったトリニティは、オペレータ室でビルシステムを全面停電させる。

廊下の奥のドアを開いてキー・メーカーが入る。続いて飛び込むネオ。だが閉じる時キー・メーカーが撃たれる。「これも役割り」と言って首にかけたキーをネオに渡す。そのキーで最後のドアを開くネオ。

 

ディスプレイに囲まれた部屋で一人座る老人。

 

設計者(アーキテクト)と言った。
君はアノマリーの産物。アンバランスな均衡の残滓として生まれた。
アノマリーとは、設計で出来る変則的なもの。君は導かれた。

マトリックスは古い。今回は六つ目のバージョン。問題は選択だ。
最初のマトリックスは私の理想郷。人間は拒否した。次は人間の歴史に基き、グロテスクな面も反映。だがそれも挫折。
成功のためには不完全な知性が必要。偶然発見した直感プログラムがその答え。私が父なら彼女は母。
彼女により人類の99.9%が受け入れる世界が出来たが、人類自身が選択したように見せかけただけ。
明らかな欠陥があり、それがアノマリーを生み出した。即ちザイオン。修正しなければマトリックスが崩壊する危険を生じる。

だから君が現れた。

 

ザイオンの住民は根絶される。我々が破壊するのは今度で六度目。

その方法も随分効率的になった。
救世主の役目はソースに戻り、君の保持するコードを初期プログラムに再び書き加えること(リロード)。
その後マトリックスから女16人、男7人計23人を選抜してザイオンを再建する。このプロセスを拒否すればコンピューターはクラッシュし、マトリックスに繋がれた者は全員死ぬ。加えて言うならザイオンの人間も一人残らず死んで、最終的には全人類が死滅する事になる。

 

お前たちが生き残るためには人間が必要な筈だ、と反論するネオ。
それは我々の生き方のレベルによるだろう。
問題は、君が人類の滅亡に対し責任を負う覚悟があるかどうか、だ。
人々の生活が全ディスプレイに表示される。
五人の前任者たちも君と似通った属性を持っていた。人類に対する深い愛情。それは救世主の使命遂行に有益。
だが君の場合は特別。一対一の愛情だ。
そこでエージェントと戦っているトリニティの姿がディスプレイに映し出される。「君を救いたくて、命懸けでマトリックスに侵入したよ」

二つのドアを提示するアーキテクト。右はソースへ繋がりザイオンを救う事が出来る。左は女が居るマトリックスに通じ、人類を滅亡に導く。問題は選択だ。
君は既にある感情を作り出し、論理や理性を圧倒している。間違いなく女は死ぬ。君にはそれを食い止める事は出来ない。

左のドアに向かうネオ。希望は人間が抱く典型的な妄想だ、と言い捨てるアーキテクト。
「今の僕の希望は、二度とあんたと会わないことだ」 「それがいい」

 

ビルから落ちながら銃を撃つトリニティ。だが胸に銃弾を受ける。

 

地上に落ちる寸前にトリニティを助け出すネオ。そして指を差し入れて弾を取り出す。
だがトリニティは心停止となり、ネブカドネザル号のモーフィアスは途方に暮れる。
ネオが直接トリニティの胸に手を入れて心マッサージを始める。息を吹き返すトリニティ。
二人の行動をモニターしていたリンクは「ついていけないよ」

「これでおあいこね」とトリニティ。

 

ネブカドネザル号に戻ったネオとトリニティ。
やる事は全てやった。救世主がソースに辿り着けば戦いは終わる筈だ。24時間以内に何とかしないとザイオンは滅びるだろう、とネオ。
救世主は何もできない。システムに操られていただけ、の言葉に失望するモーフィアス。

 

そこにセンチネルの攻撃。だが電磁パルスが届かない。
「爆弾だ!船の外へ逃げよう」と皆を促すネオ。追撃するセンチネル。
何かが違う、とネオ。「奴らを感じる」
ネオが、向かって来るセンチネル数体に向かって手を出し、念を込めるとそれらが破壊された。だがその後倒れて意識を失うネオ。そこに救援に来たハンマー号。

ベッドに寝かされているネオ。医療クルーのマギーの話では、一種の昏睡状態。バイタルは安定。

 

船内での会議。船長のローランドの話ではマシン軍団を待ち伏せ、逆襲のチャンスの時、何者かが妨害した。
配置に着く前に電磁パルスを作動させ、感づかれた。5隻消滅の大被害。突破された後は、虐殺状態。
マシン軍団が撤退した後確認に行ったところ、生存者が一人だけ居た。

ネオの向かいで同じく眠っているのは、序盤でスミスに体を乗っ取られたベイン。