ロッキーシリーズ  1976~2006年 アメリカ | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

第一作目から約30年かけて6作が作られた。
ボクシング映画というジャンルを確立したシリーズ。
何度倒されても立ち上がるロッキーと、それに重なるテーマ曲。

何度見せられても、その都度涙腺がゆるんでしまう。

これほどズルい映画があるだろうか・・・・

なお亡き親友アポロの息子を育てる「クリード」のシリーズはここに含まない。
ドラゴの息子まで登場させて、こっちのシリーズもどこまで行くのか・・・

 

 

 

ロッキー  1976年

監督   ジョン・G・アヴィルドセン
脚本   シルヴェスター・スタローン
音楽   ビル・コンティ
興行収入 2.25億ドル 

 

キャスト
ロッキー・バルボア   シルヴェスター・スタローン
エイドリアン      タリア・シャイア
ポーリー          バート・ヤング 
ミッキー        バージェス・メレディス
アポロ・クリード      カール・ウェザース
デューク       トニー・バートン

 

トレイラー

 

感想
ベタな構成ながら、気分がスッキリする映画(名作かどうかは意見が分かれるが・・・)。
そもそもシルヴェスター・スタローン自身のサクセス・ストーリー。
何度オーディションを受けても落選していた彼が、世界ヘビー級選手権の放送を観た感動で、三日でシナリオを書き上げた。
高評価を受け、脚本料は高額の提示があったのを、自身の主演を主張して、低ギャラで作られたのが大化けした(ちなみに製作費は110万ドル)。この年のアカデミー作品賞を取った。

字幕もいいが、吹替えでエイドリアンをやっている松金よね子の声が好き。何と言っても「エイドリア~~ン!」が全ての映画。

 

あらすじ
フィラデルフィアで暮すロッキー・バルボア。ボクサーだが三流。賞金だけでは生活出来ず、借金の取り立てを請け負うなどで暮していた。

トレーナーのミッキーからも愛想をつかされている。
そんなロッキーにも、近所のペットショップで働くエイドリアンに時々会う楽しみがあった。

だが極端な内気で打ち解けられないエイドリアン。


精肉工場で働く、エイドリアンの兄ポーリー。

妹に好意を寄せるロッキーに感謝しているが、口には出せない。

 

そんな時、建国200年祭のイベントとして、ボクシングのヘビー級タイトルマッチが企画されたが、世界チャンピオン、アポロ・クリードの対戦相手が負傷。
無名選手との対戦が話題になる、とアイデアを出すアポロ。

ニックネームが「イタリアの種馬(Italian Stallion)」というだけで対戦相手に指名されたロッキー。
乗り気でないロッキーに、半ば強引に指名するアポロ。
ミッキーは大きい相手に本気になり、マネージャーを申し出る。最初拒絶したロッキーも後に和解。
エイドリアンとも交際が始まるロッキーだが、それに嫉妬するポーリー。結局ロッキーと同棲を始めるエイドリアン。

ミッキーの指導で猛特訓を始めるロッキー。
次第にフィラデルフィアの街を挙げて応援の機運が高まり、ポーリーも精肉工場の牛をサンドバックとして提供。

 

試合当日。

ロッキーは勝つ事より、最終ラウンドまで戦う事を目標にする。
試合が始まり、1ラウンドでアポロからダウンを奪うロッキー。だがそれはラッキーパンチであり、以降のラウンドでメッタ打ちにされるロッキー。だが、何度ダウンしても立ち上がる。
ボロボロになりながらも立ち続けるロッキーを見て恐怖するアポロ。

最後までノックアウトされなかったロッキーは、判定で敗れたものの、観客から大きな声援を受けた。
そしてリング上からエイドリアンの名を叫び、彼女と抱き合った。

 

 

 

ロッキーⅡ  1979年

 

監督・脚本  シルヴェスター・スタローン
興行収入 2億ドル

 

キャスト
ロッキー・バルボア   シルヴェスター・スタローン
エイドリアン      タリア・シャイア
ポーリー          バート・ヤング 
ミッキー        バージェス・メレディス
アポロ・クリード     カール・ウェザース
トニー                       トニー・バートン

 

トレイラー

 

感想
初回の好評を受けての二作目。

一作目ほどではないが、ヒット作の範疇に入る。
エイドリアンがハッパかけて、音楽で盛り上げるパターンはミエミエだが、まあ深く考えず流れに身を任せるのが正しい鑑賞法。

 

あらすじ
負けたものの、ロッキーの健闘を称える声が高まった。だがロッキーはボクシングから身を引き、エイドリアンと結婚。

そして彼女の妊娠。
注目されてCMにも出たが、不器用のため金にならず、ポーリーの精肉工場を経て、結局ミッキーのジムの下働き。
エイドリアンは生活のため、再びペットショップでのパートを始める。

 

そんな中、世間の声に反発してロッキーとの再戦を猛アピールするアポロ。挑発を受けて憤慨したミッキーと共に対戦を受けてしまうロッキー。
それに反対するエイドリアン。

そのためか練習にも身が入らない。
ポーリーがそんな話を聞いてエイドリアンを責める。ショックで倒れるエイドリアン。急を聞いて病院に駆け付けるロッキー。

病院ではエイドリアンが、出産はしたものの余病併発により昏睡状態に。ロッキーの看病により目覚めるエイドリアン。

「ボクシングを辞めてもいい」と言うロッキーに「勝って!」

と叫ぶエイドリアン。猛トレーニングを再開するロッキー。

 

そして試合当日。前回以上のアポロの猛攻。試合は最終ラウンドまでもつれ、ほとんど相打ちの形で二人が倒れる。

最後にカウント10以内で立ち上がったのはロッキー。


 

 

ロッキーⅢ  1982年

 

監督・脚本  シルヴェスター・スタローン
興行収入 2.7億ドル

 

キャスト
ロッキー・バルボア   シルヴェスター・スタローン
エイドリアン        タリア・シャイア
ポーリー          バート・ヤング 
ミッキー          バージェス・メレディス
アポロ・クリード      カール・ウェザース
クラバー・ラング          ミスター・T
サンダー・リップス       ハルク・ホーガン
デューク                     トニー・バートン
ロッキー・ジュニア      イアン・フリード

 

トレイラー

 

感想
柳の下に三匹目のドジョウはいたか? 居たようです。
クラバーにあっさりと負け、ミッキーにも死なれたロッキーの助っ人となったアポロ。

二作目の終わりで二人の間に友情が生まれていた。
この友情を描く事で、映画の質が少し変わって来た。それがヒットを継続出来た要因だろう。
それからタイアップ曲の「EYE OF THE TIGER」も、どハマリして大ヒット。お盆興行映画として、その地位を安定させた。

 

あらすじ
アポロとの壮絶な戦いに勝利したロッキーは、その後ヘビー級チャンピオンとして連勝を続け、十度の防衛に成功した。
またチャリティとしてプロレスとの異種格闘技にも挑戦。プロレスのヘビー級チャンピオン「サンダー・リップス」との対戦。

そのファイトマネーは全額寄付。
エイドリアンと息子との三人での生活は、幸せの絶頂。
一方ランキング戦で勝ち上がるクラバー・ラング。

どう猛でハングリーな男。

そんな時にフィラデルフィア美術館で、ロッキー自身のブロンズ像の除幕式が行われた。
そこで引退を口にするロッキー。その場にいたクラバー・ラングが自分と戦え!と挑発する。
挑戦を受けようとするロッキーだが、マネージャーのミッキーは、今まで格下の相手ばかりと対戦を組んで来た事を告白。
乗り気でないミッキーを説得して対戦を受け、練習に入るロッキーだが、見た目ばかりを気にして真剣な練習にならない。

 

試合当日。ミッキーの持病が悪化し、心臓発作を起こす。ミッキーを控室に残し対戦に臨むが、まともなアドバイスも受けられず2ラウンドでノックアウトされるロッキー。

ミッキーは息を引き取った。

 

失意のどん底のロッキーの前に現れたアポロ。

ロッキーの対戦の時、前チャンピオンとして挨拶したが、その時クラバーに罵られていた。
負けたのはハングリー精神を失ったからだと言って、自分がトレーナーをやるからリターンマッチをしろと言う。

 

アポロの故郷カリフォルニアでの練習は、環境が劣悪でポーリーも閉口。ロッキーは、ミッキーに言われた「弱い相手との対戦を組んだ」との言葉が心に残って練習への意欲が出ない。

そんなロッキーに喝を入れるエイドリアン。

なくしたら手に入れればいい。
その言葉に目覚めるロッキー。アポロの提示するスピードとセンスを身に付けて行く。

 

そして試合当日。見違えるような引き締まった体となったロッキー。

アポロは愛用だった星条旗のトランクスを貸す。
軽快なフットワークで攻勢をかけるロッキー。苦戦するクラバーは卑怯な手で一時優勢に立つが、その後ロッキーが盛り返し、ついにクラバーをKOする。

 

誰もいないジムで対峙するロッキーとアポロ。アポロがロッキーを鍛えた理由はもう一つ。前回負けた戦いの雪辱を果たすため。
 


ロッキーⅣ/炎の友情  1985年

 

監督・脚本  シルヴェスター・スタローン
興行収入  3億ドル

 

キャスト

ロッキー・バルボア    シルヴェスター・スタローン 
エイドリアン         タリア・シャイア
ポーリー         バート・ヤング
アポロ・クリード     カール・ウェザース
イワン・ドラゴ      ドルフ・ラングレン
ルドミラ・ドラゴ     ブリジット・ニールセン 
デューク         トニー・バートン 
ロッキー・ジュニア    ロッキー・クラコフ
特別出演         ジェームス・ブラウン

 

トレイラー

 

感想
ソ連の国家戦略として作り上げられたドラゴとの対戦。共産国家を適当に茶化し、盟友のアポロを殉死させて興行収入は過去最高をマークしたが「ゴールデンラズベリー賞」5部門受賞の名誉も得た。
得る物はあまりないが、その後1991年にソ連崩壊となったところを見ると、この映画が多少貢献したか(そんなバナナ!)。

ゴルビーのそっくりさんがイイ味を出していた。
ドラゴの妻ルドミラが「半分、青い」で裕子役だった清野菜名にちょっと似ている。

 

あらすじ
クラバー・ラングを倒し、チャンピオンに返り咲いたロッキー。
そんな時にソ連のアマボクシングのヘビー級王者イワン・ドラゴが訪米。同時にソ連のプロボクシング加入を発表。現王者のロッキーとの対戦希望を表明。マネージャーは妻のルドミラ。


気乗りのしないロッキーに対し、自分が受けるとアポロがエキシビションマッチを申し出る。
その対戦はラスベガスで開かれ、華やかな演出の中、ハットを被ったアポロ。ジェームズ・ブラウンの出演。
1R目の前半はアポロのジャブが良く入り優勢だったが、後半に入ってメッタ打ちにされる。
何とかゴングに助けられコーナーに戻る。セコンドに入っているロッキーが危険だと言うが、絶対にタオルを入れるなと言って2R目に入る。初めはジャブで応戦するが、ドラゴの重いパンチがどんどん入り、倒れたアポロはけいれんを起こす。10カウントを待たずにロッキーたちが入って抱き上げる。
だがそのままアポロは息絶えた。

 

そしてドラゴとの対戦を決めるロッキー。試合は敵地ソ連で行い、非公式戦でファイトマネーもなし。
アポロのトレーナーだったデューク、義兄のポーリーと共にソ連へ渡るロッキー。だが反対するエイドリアンは同行しなかった。
トレーニング場所は粗末な山小屋。だがそれはロッキーのリクエスト。昔ながらのやり方、木こり仕事などで体を鍛える。一方ドラゴは政府の最新施設で科学的なトレーニングを行う。
トレーニング終盤になって、現地に駆け付けるエイドリアン。

 

試合当日。政府首脳も出席の中、ブーイングに包まれて入場するロッキー。
試合が始まり、圧倒的な体格差で一方的に打たれるロッキー。だが倒されても何度も立ち上がる。
次第にラウンドが進み、相変わらずダウンを繰り返すロッキーだが、そのたびに立ち上がり、ドラゴはセコンドに「奴は人間じゃない」と泣き言を言う。
観客も、最初は自国を応援していたが、次第にロッキーへも応援の声が上がり始める。
最終ラウンドを前にして、政府関係者が「政府のメンツをつぶすな」と言いに来る。「俺は自分のために戦う」と相手を押しのけるドラゴ。
最終ラウンドでの壮絶な打ち合い。最後にロッキーがドラゴを倒す。

テンカウントで立ち上がれないドラゴ。

ヒーローインタビューでロッキーは「最初敵意に満ちていた会場が、最後には気持ちが変わって行った。人は誰でも変わることが出来る」と言った。
 


ロッキーⅤ/最後のドラマ  1990年

 

監督    ジョン・G・アヴィルドセン
脚本    シルヴェスター・スタローン
興行収入  1.2億ドル

 

キャスト
ロッキー・バルボア     シルヴェスター・スタローン 
エイドリアン        タリア・シャイア
ポーリー          バート・ヤング
トミー・マシン・ガン     トミー・モリソン
ロッキー・ジュニア     セイジ・スタローン
ジョージ・ワシントン・デューク  リチャード・ガント
ユニオン・ケイン         マイケル・ウィリアムズ 

 

トレイラー

 

感想
ロッキーがとうとう引退してトレーナーになってしまっては、とても魅力ある話になる筈もなく、興行収入はシリーズ最低。
ロッキーとして戦うものの公式な試合ではなく、蹴ったり突き飛ばしたりの「ただのケンカ」。
これではもう「ロッキー」とは言えん・・・・・


あらすじ
引退したロッキーが育てた、白人ボクサーのトミーは順調に育つが、黒人プロモーター、ジョージの計略で引き抜かれる。
黒人ボクサーユニオン・ケインとのタイトルマッチで勝利するトミーだが、観客からは認知されなかった。
八百長を疑われて人格まで変わってしまったトミー。ジョージがけしかけてトミーにロッキーとの試合を要求させる。巻き添えでポーリーが殴り倒され、トミーとロッキーのストリートファイトが始まる。
激闘の末、トミーを倒すロッキー。

 

 

ロッキー・ザ・ファイナル  2006年

 

監督・脚本 シルヴェスター・スタローン
興行収入  1.6億ドル

 

キャスト
ロッキー・バルボア      シルヴェスター・スタローン 
ポーリー           バート・ヤング
ロバート・バルボア・ジュニア  マイロ・ヴィンティミリア
デューク              トニー・バートン
メイソン・ディクソン            ジェラルディン・ヒューズ

 

トレイラー

 

感想
前作で、やっぱロッキーに試合をさせんとアカンという事で、バーチャル試合をきっかけに持って来るのはいいアイデア。
そんなバカな、と思いながらも観に行ってしまうのは、長年培われた「刷り込み」か・・・・


あらすじ
老境に入ったロッキーは、亡き妻エイドリアンが残したイタリアン・レストランで、時々客に昔の活躍を話して時を過ごしていた。
息子のロバートは普通の会社に勤めるホワイトカラーだが、父親がロッキーという事で、常に気まずい思いをしていた。

 

ある日TV企画で、現チャンピオンのメイソン・ディクソンがもしロッキーと対戦したら、というバーチャル試合が組まれた。メイソンは圧倒的強さで相手を秒殺するため、ファンからは不評。
そんな時にバーチャル試合ではロッキーが勝利。

一方でそれを酷評する評論家。
世論の盛り上がりを感じ、ボクサーとしての情熱が蘇えるロッキー。ライセンス申請をしてプロボクサーに復帰するロッキー。

最初はローカルな試合を考えていたのが、メイソン側マネージャーの画策で彼とのエキシビションマッチが申し込まれる。
それを知ったロバートは、再び自分も巻き添えで注目されるのに耐えられず、父に反目。
かつて不良少女でロッキーが世話をしたマリー。

再び親しく交流していたが、彼女はロッキーを応援した。

 

メイソンが圧倒的に有利な状況で試合が始まるが、試合早々でメイソンが左拳骨折のアクシデントに見舞われ、互角の戦いとなる。


最終ラウンドまで試合は続き、判定でメイソンの勝利。
互いを讃える観客の声援の中、去って行くロッキー。