メッセージ・イン・ア・ボトル 1999年 アメリカ | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

 

監督 ルイス・マンドーキ
脚本 ジェラルド・ディペゴ
原作 ニコラス・スパークス 
音楽 ガブリエル・ヤレド

 

キャスト
ギャレット・ブレイク      - ケヴィン・コスナー
テリーサ・オズボーン    - ロビン・ライト・ペン
ドッジ・ブレイク      - ポール・ニューマン ギャレットの父親
ジョニー・ランド        - ジョン・サヴェージ キャサリンの弟
リーナ・ポール        - イリーナ・ダグラス 同僚
チャーリー・トスキ      - ロビー・コルトレーン 上司
ジェイソン・オズボーン - ジェシー・ジェームズ テリーサの息子 
マータ・ランド         - ベセル・レスリー キャサリンの母親
ハンク・ランド         - トム・アルドリッジ キャサリンの父親
キャサリン・ブレイク    - スーザン・ブライトビル 亡き妻

 

予告編

 

映画とは関係ないですが・・・

同名の音楽  police

 

感想
瓶に入れた手紙がきっかけで知り合う男女の、切ないラヴ・ストーリー。小説が全米で大ベストセラーになったとのこと。

 

手紙の主を割り出すためのプロセスが、結構興味深かった。
ただ、映画としてはもう少し引っ張っても良かった様に思う。案外簡単に見つかったナ、という印象。

出会いのぎこちなさは、良く描かれている。だが、妻に死なれて2年間、傷心のまま妻の実家とも遺品を巡るトラブルを抱えている割りに、あっさり「ステーキ食べに来ない?」ってのは、ちょっと軽い。
女性の側から自然に(さりげなく)、次に会う機会を作って行った方がそれらしい。

 

瓶の手紙についても、誰かに読まれるという事は十分あり得る事だし(実際あった)、何かを期待していたのか、とも思える。

寡黙な海の男と、ちょっとイメージが食い違う。

妻の実家とも和解し、ヨット製作を再開したのは、テリーサが現れたからに他ならず、それが完成して「進水式には来て欲しい」と愛情いっぱいのメッセージを出しておいて「キャサリン号」にはちょっとびっくり。
そらーテリーサは同席出来んだろう。

 

女性の側については、心情的にほぼ納得出来る展開。
ただ、個人的に見つけた手紙でも、職業的見地から行けば、何らかの新聞ネタとして考えていた事は確か。チャーリーが全文を手に入れ、記事が書けた事を許した時点で、怒る事は出来ない。
会いに行って、思ったよりイイ男だったから、訪問の目的を言いそびれた。ハンサムって、いいなぁ。

 

ギャレットが、口ベタの割りに積極的なのが、彼女の側に響いたという事か。この辺の、テリーサに対する思いと、亡き妻に対する思いの使い分け。
不器用に見せかけて実にうまいなー、と思ってしまうのは僻みかな?・・・・・
彼女の残したコンパスは「自力で私を探しに来て」ということだな。

 

結局ギャレットが遭難死する事で、この恋愛は結末を迎えるが、二人がうまく行く要素が、そもそもない。
男は自分の町から出たくないし、女は都会に仕事を持ち、キャリアもアップして、仕事を捨てるなどあり得ない。
結局そういう意味でも「ファンタジー」としてちょっと涙を流す、ぐらいのものか。

 

ポール・ニューマンの父親が、何とも渋くて良かった。ギャレットの父親にしてはよく喋るが・・・・
昔、スカイラインのCMやってました(terrificという言葉知らなかった・・・)

 

そういえば、テリーサの愛車がトヨタのカムリ(まあ、大した話じゃないけど・・・)

 


あらすじ
シカゴの新聞社に勤めるテリーサ。最近離婚して息子と二人暮らしだが、元亭主夫妻に子供を預けた期間、休暇を取って海岸で過ごした。
ある朝、ジョギングで砂浜を走っていると、半分埋まっている瓶を見つける。中に手紙。


それはキャサリンという女性に宛てた愛情深い手紙。

女性は既に亡くなっていると想像される。

感動したテリーサは、職場にその手紙を持って行き、同僚のリーナらに見せたところ、皆が感動。
だがそれを読んだボスのチャーリーが、新聞のコラムにその手紙の内容を掲載してしまった。

 

何も知らされなかったテリーサは怒るが、その記事の反響は大きく、何百もの手紙が来る。
その中で、手紙の形式が似通った手紙が2通あり、いずれも近くの海岸で拾われたもの。
元々テリーサは記事の裏取りをする調査部の人間であり、この手紙を書いた人物に興味が湧いた。

タイプ打ち文字の特徴から、タイプライターの機種が特定され、瓶の製造メーカ、場所も割り出された。栓のコルクから、海中にあった期間が2年程度と判った。拾った場所の海流から、投げ込まれた場所の推定。
また便箋のマークが特殊なため、大まかに当たりを付けた地域の印刷業者を当たったチャーリーが、その発注者を特定し、テリーサに住所と名前を教えた。

 

ノースカロライナ、アウターバンクスに居る、その人物G・ブレイクに会いに行ったテリーサ。その住所を訪れると留守で、近くに居た老人が話しかける。当人は港にいるとの事、老人は父親のドッジ。
海岸まで出掛け、本人のギャレットに会うテリーサ。ギャレットは頼まれてヨットの修理をしているところだった。新聞社で調査員をしている事、セイリングを楽しんでみたいといった話をし、話の接ぎ穂が見つからな

いまま帰ろうとしたテリーサに、明日の朝この舟の試走をすると話すギャレット。

 

朝、店でコーヒーを飲んでいるギャレットに、男が来て彼を泥棒呼ばわりする。店の者はその男に、裁判で負けたんだから、と止めるが、更に暴言を吐いたため、ギャレットが殴る。
ちょうどその現場を見てしまったテリーサ。
店を出てヨットに向かうギャレット。不安を感じたテリーサは、一旦はヨットに乗るのを断るが、思い直して乗り込んだ。
船上で先の男ジョニーの事を話すギャレット。ジョニーの姉と結婚した。今は結婚していない。
テリーサも自分のこと、息子がいて現在は独身だと伝える。だが瓶の手紙の事が言い出せない。

テリーサが忘れたジャケットをホテルに届けるギャレットだが、口下手で会話にならない。帰りがけに自分が焼くステーキは最高だと言った。

 

翌日家を訪れるテリーサ。
部屋に掛かった絵の事を聞くと、妻のキャサリンが描いたものだと言う。キャサリンとは幼馴染み。

病気で2年前に亡くなったと言うギャレット。
その晩ソファーで眠ったテリーサは、夜半にギャレットのベッドに入る。

翌日、作りかけのヨットを見せるギャレット。キャサリンが亡くなってから手が付けられない。
テリーサは、息子を迎えに一旦シカゴに戻らなければならないが、互いに惹かれる気持ちを確認する。

 

亡くなったキャサリンの家族三人が、ギャレットの家を訪れる。キャサリンが残した遺品の絵を返せというのが要求。応じないギャレット。険悪な中、ドッジが家から絵を持ち出して、割った瓶で切り刻むと脅しをかけた。キャサリンがこんな事を喜ぶ筈がない。
母親がその通りだと言い、皆は帰って行った。

 

その晩ヨットで一夜を明かすギャレットとテリーサ。
翌日ギャレットが不在の時に部屋に入り、キャサリンのスケッチ等、持ち物を動かしてしまったテリーサ。それを知ったギャレット。キャサリンの靴にテリーサのこぼした水が掛かる。
一人にして欲しいというギャレットに、居場所がなくなって外に出たテリーサは、父親のドッジに会う。

 

キャサリンの話をするドッジ。体は弱かったが絵の才能に期待していたキャサリンの両親。妊娠して体調を崩し、実家に帰っていたが、ギャレットが強引に家へ連れ帰った。
そして懸命な看病の甲斐なく、キャサリンは亡くなった。

 


戻ったドッジとテリーサを迎え、三人で食事をするギャレット。

翌日、シカゴに戻るテリーサを見送ったギャレットは、中断していたヨット作りを再開する。
一方テリーサはチャーリーに、亡くなった妻を今でも愛し続けている、普通の男だったと話す。
だがリーナには詳しい話をすると、感激される。
テリーサに電話を入れるギャレットは、船の製作を再開した事を話す。テリーサは二人の出来事をただの遊びだった?と聞くと、愛したのは妻と、都会の女性だと答えるギャレット。
会いたいというギャレットに、それならこちらに出て来て、と難題を吹っ掛けるテリーサ。ギャレットはアウターバンクスから出たことがなかった。

 

数日後、ドッジの運転する車でバス乗り場に行くギャレット。慣れない旅で緊張している。

到着したギャレットを息子ジェイソンと一緒に迎えるテリーサ。愛し合いたいが、息子がいるので自重。
翌日、ジェイソンに案内されてテリーサの職場の新聞社を訪れるギャレット。皆に口止めするテリーサ。
職場の人間がみな好意的な事に驚くギャレット。

 

ジェイソンが友達の家に泊まりに行ったのを見送り、愛し合うギャレットとテリーサ。
テリーサがベッドから離れた時に、ベッドサイドの引き出しにクロスが挟まっているのを引いて、中にあった瓶を見つけてしまうビャレット。そして同じ場所にあった手紙や新聞記事も見つけてしまった。
全てを知られてしまったテリーサは、帰ろうとするギャレットを必死で止める。
最初は手紙、そして会ってから貴方に恋をしたと伝えるテリーサだが、手紙はキャサリンに書いたものだと返すギャレット。
テリーサが言った、三通の手紙が私を変えたという言葉に反応するギャレット。自分は二通しか書いていない。全ての手紙を見て、自分の知らないものを見つける。

キャサリンがまだ生きていた時、病気で弱っているのに海岸へ行って、彼女を抱いて帰った事があった。その時に投げられたものかも知れない。キャサリンはその後容体が急変して三日後に亡くなった。


その事を思い出しながら、手紙を読んで涙するギャレット。
手紙の文面から、キャサリンは自分の死期を悟っていたと話すテリーサ。
手紙を持ち帰りたいと言って、そのまま去るギャレット。

キャサリンの実家を訪れるギャレット。在宅だが外に出ない母親。

絵と遺品の入った箱を玄関先に置いて帰るギャレット。

 

今回の出来事を、彼とは別の話として原稿にまとめ、チャーリーに渡すテリーサ。
一方ヨット製作をしているギャレットの元に、ジョニーが訪れる。無言のまま製作を手伝うジョニー。

テリーサの記事は採用され、一面に掲載された。チャーリーとそれを喜ぶテリーサ。

 

会社では記事の功績が認められ、専用のオフィスを与えられるテリーサ。そこにギャレットからの手紙。完成したヨットの写真の裏に、全ての思いを込めた。愛している。進水式に来て欲しいとのメッセージ。
昇進のお祝いに来たチャーリーにその写真を見せるテリーサ。「例のエイハブか」。彼の事を幸せ者だと言って立ち去るチャーリー。

進水式を見に出掛けたテリーサだが、そのヨットの船名は「キャサリン」号。シャンパンを割り、船首に寄り添うギャレットを見たテリーサは、気付いたドッジに手を上げると、そのまま立ち去った。

 

家で待っていたテリーサに、今日来てくれたことを感謝するギャレット。キャサリンを愛し続けているギャレットだからこそ愛したが、ここには居られない。
失いたくないと止めるギャレットだが、捕まえてと言うテリーサを止められなかった。

過去に縛られるギャレットを不憫に思うドッジ。

 

帰宅したギャレット。ベッドに残したテリーサからの包みを開ける。

コンパスと、彼女のメッセージ。
キャサリンへの手紙をタイプで打つギャレット。

 

翌日自分のヨットで沖に出ようとするギャレットに、嵐だから気を付けろと心配するドッジ。心を決めたと伝えるギャレット。
どんどんひどくなる嵐。ヨットで遭難している親子を見つけて、父と娘を助けたギャレット。だが母親がまだ取り残されている。海に飛び込むギャレット。

 

会議中のテリーサに緊急電話が入る。ギャレットの死を伝えるドッジ。
葬儀を終えたドッジの元をテリーサが訪れる。

瓶に入った手紙が残っていた、とそれを渡すドッジ。

 

キャサリンへの手紙。
思い出に生きるのではなく、心を開いて再び人を愛する事を、テリーサが教えてくれた。
テリーサの愛を捕まえに行く。
成功しても、失敗しても自分たちを祝福して欲しい。

君を愛したほどテリーサを愛している。

 

ギャレットを想いながら考えるテリーサ。
完璧な人生もあれば、苦難の人生もある。
今回の旅で失ったものが、人生において何が尊いかを教えてくれた。
愛もまた、最高の輝きを与えてくれたと。