世界にひとつのプレイブック    2012年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

監督 デヴィッド・O・ラッセル
脚本 デヴィッド・O・ラッセル
原作 マシュー・クイック

 

キャスト
パット             - ブラッドレイ・クーパー
ティファニー        - ジェニファー・ローレンス
パット(シニア)      - ロバート・デ・ニーロ: パットの父親
ドロレス           - ジャッキー・ウィーヴァー: パットの母親
ダニー・マクダニエルズ   - クリス・タッカー: パットの友人
クリフ・パテル医師   - アヌパム・カー: パットの主治医
ロニー            - ジョン・オーティス: パットの友人
ジェイク           - シェー・ウィガム: パットの兄。弁護士
ヴェロニカ       - ジュリア・スタイルズ

                             : ティファニーの姉。ロニーの妻
ランディ       - ポール・ハーマン : パット(シニア)の賭博仲間
キーオ巡査       - ダッシュ・ミホク: 地元の担当警官。
ニッキ          - ブレア・ビー: パットの元妻

 

 

予告編

 

 

 

 

感想

BSプレミアムで放送されたので、何気なく録画したもの。

ロバート・デニーロつながりで・・・
パットが精神病院で生活している場面から始まり、すぐ声を上げたり、イラついたりするのを見て、がっくりとテンションが下がった。
精神的に不安定な人間を見るのは、心地よいものではない。
ただ、次第に背景が判って来るに従って、パットに少し同情。

それに輪をかけてオカシイのがティファニー。ダンナに死なれたショックで同僚とSEXしまくって、セラピーを受ける事になるとは。
男とヤルより女とヤル(レズビアン)方がイカれていると考える価値判断は、アメリカを代表した思考なのか?(まあいいけど・・・)

 

パットの方も、途中の説明で夫の死の真相が判ってからは、精神の病のきっかけが、どこにでも転がっているんだと再認識。
この話をしてから、ティファニーがダンスの手ほどきをする時の場面で流れる音楽(ボブ・ディランの「北国の少女」)がイイ。YouTubeの貼り付けが出来ないのでこちら

ロバート・デニーロ演ずる父親もなかなか存在感があった。店の開業資金まで賭けに注ぎ込んでしまう不良オヤジ。兄貴は弁護士で、勝ち組人生をひけらかすイヤな奴だが、アメフトに関しては兄弟が一心同体になれる。

 

ストーリーとしては、さほど深いものはないが、人それぞれ持っているクレイジーな部分も含めて、人間性として包んであげる、そんな理想を形にしたファンタジーとして良作。
傷を持つ者だからこそ相手の気持ちが判る。
しかしランニングのコースを教えたのが母親だったのには笑った。

 

ジェニファー・ローレンスは、先日やった「レッド・スパロー」で大胆な演技を行ったが、今回の映画でオスカーの主演女優賞を取ったらしい。この時21歳。
彼女、X-MENのミスティークなんだよね。あの映画観ている時は知らなかった。青くペイントしてるけど、ものすごく大胆なヌードだったんだ・・・
無表情の時、けっこう仏頂面なので、あまりかわいいというイメージがないが、今や大女優。
2014年にヌード画像流出でかなり被害を受けた様だ。

 

 

あらすじ
高校教師のパット。精神病院での治療を受け、母の車で自宅へ一時退院。本来薬の治療が必要だが、副作用がイヤで飲むのを誤魔化すパット。


元々躁鬱病だったのだが、同じ職場の妻ニッキが、自宅で同僚と浮気しているのに遭遇して暴行。そのため裁判所から入院と、ニッキへの接近禁止が言い渡された。その事件の時、音楽が流れていた事で「マイ・シェリー・アモール」を聞くととたんに不安定になる。

 

家に帰ると父親が仕事もぜずアメフトの賭け(ノミ行為)に没頭。仲間のランディと賭け合っている一方、レストランを開業するつもりで金も貯めている。
家に帰っても、読書や音楽のせいで常に不安定になり騒ぐパット。その度に警官が来る。


主治医にニッキとの面会を願い出るパットだが相手にされない。

友人のロニーがそんなパットを夕食に誘う。

ロニーの妻ヴェロニカが妹のティファニーを同席させていた。
場を持たせるための配慮だったが、警官だった亭主に死なれ、不安定になって薬物治療を受けているティファニーに、薬の話で妙に盛り上がるパット。

パットが行うランニングに、偶然を装ってつきまとうティファニー。

 

主治医が、もしティファニーの傷心を癒す事が出来れば、心証が良くなってニッキにも会えるかも知れないと言う。
それでティファニーを食事に誘うパットだが、正式な食事じゃない、とシリアルを注文。反発して紅茶を頼むティファニー。夫に死なれてからのティファニーの行動を聞かされて驚くパット。女性を含む同僚全てと肉体関係を持ったティファニー。


女性とも関係した事にパットが大げさに反応したため、怒った彼女は、少年たちとトラブルになりそうだったパットを警官に突き出す。だがそのトラブルの理由が例の音楽絡みだったと知り、警察に説明して事なきを得る。

 

ティファニーとヴェロニカの姉妹がニッキの友人である事から、パットはティファニーへ、ニッキに手紙を出して欲しいと頼む。
今ダンスにハマっているティファニーは、ダンスを一緒にしてくれたら出してあげると言う。
渋々ながらそれを飲むパット。だがダンスを始めると、パット自身の精神も落ち着いて来た。
休憩時にティファニーが話す夫トミーの死因。結婚して3年。彼は子供を欲しがり、彼女は自分の事で精一杯。ある日彼はシークレット・ショップへセクシー下着を買いに行った。帰りに故障車を助けようとして後続車に轢かれた。何が悪かったの? 沈黙するパット。

 

パットが一緒にTVの試合を見るとイーグルスが勝つ事から、次の日曜は兄と一緒にスタジアムに行って応援してくれと頼む父。
だがその日はダンスの練習をティファニーと約束していた。コンテストが迫っている。
父はレストランの開業資金まで賭けにつぎ込んでおり、逃げられないパットは、ティファニー相談。
こちらに気持ちを引き込むため、ティファニーはニッキからの手紙があると言い、それを見せる。
安心出来る証明が必要、とそこに書かれていた。

 

結局パットは試合に行く。スタジアムでファン同士のケンカに巻き込まれ、試合は負けるしティファニーとの約束も守れなかった。

パットの家に怒鳴り込むティファニー。父が、ティファニーがパットと付き合っているから運が逃げたと非難。
逆にティファニーは、パットと会っている時にいつもイーグルスが勝っていると論破。
もう金がない父に、再度賭けをする様けしかけるティファニー。

受ける側のランディはなかなか承諾しない。
アメフトの勝敗に加えてティファニーらが出場するダンス大会の得点までそれに加える(10点満点中の5点以上が条件)。それで賭けは成立。

試合は一週間後。

 

賭けに乗り気でないパットは外に出てニッキからの手紙を読む。手紙はティファニーが書いたものだと気付く(signという単語で気付く)。
一方ティファニーは最後の手段として、ニッキが試合を見に来る、とパットに嘘をつくよう両親に言う。

ダンス当日。ロニー夫妻が本当にニッキを連れて来てしまった。

ニッキは主治医から、パットがダンスに励んでいる事を聞いていた。
ティファニーは、試合結果に関わらず、パットがダンスにより立ち直った事をニッキが知れば復縁してしまうと思い込み、ヤケになる。
そして会場のバーで酒を飲み始める。

 

出番が迫り、パットがティファニーを何とか探し出す。酔いつぶれる程ではないが、気の入らないティファニー。

 

ダンスが始まり、息の合ったステップが続く。アメフトの試合は大差でイーグルスが勝ち、後はダンスの結果次第。
最後の大技で、パットが彼女をリフトアップする場面。上りきらずにティファニーの股間がまともにパットの顔面に。
それを何とかまとめてフィニッシュ。


審査員4人の平均得点は「5.0」。賭けには見事に勝った。
パットがニッキのもとへ歩いて行くのを見て、会場を飛び出すティファニー。

 

父が助言をしてパットを送り出す。

ティファニーに追い付いたパットは、手紙を渡す。
・・・・僕のためにクレイジーな代筆をした。ありがとう。過去にとらわれて気付くのが遅れてごめん。愛しているよ。 パット--
この手紙は一週間前に書いたという。

「一週間も前から、私をだましてたの?」  「ロマンチックだろ?」
キスをする二人。


パット独白
人生は いろんな方法で人を傷付ける。うまく言えないが 誰だってクレイジーな部分はあるだろ?
また日曜が好きになった。
みんなに助けてもらって 僕は本当に幸運な男だ。