孤狼の血     2018年  | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

監督  白石和彌
原作  柚月裕子
脚本  池上純哉


キャスト
<呉原東署>
役所広司     大上章吾
松坂桃李     日岡秀一
田口トモロヲ   土井秀雄  
さいねい龍二  菊地
矢島健一      友竹啓二

<県警>
滝藤賢一      嵯峨大輔  県警 検察官
井上肇        岩本恒夫  県警 副本部長

<尾谷組>
伊吹吾郎      尾谷憲次  組長
江口洋介      一之瀬守孝 若頭
中村倫也      中川恭二
田中偉登      柳田タカシ
野中隆光      備前芳樹

<加古村組>
竹野内豊      野崎康介  若頭
嶋田久作      加古村猛  組長
音尾琢真      吉田滋   構成員
勝矢           苗代広行  構成員


石橋蓮司     五十子正平(いらこ しょうへい)    五十子会組長      
ピエール瀧    瀧井銀次                全日本祖国救済同盟代表
町田マリー    瀧井洋子             瀧井銀次の妻  
真木よう子    高木里佳子                 クラブ「梨子」のママ
駿河太郎     上早稲(うえさわ)二郎   呉原金融 経理
MEGUMI     上早稲潤子                 上早稲二郎の妹
阿部純子     岡田桃子                      薬局の店員
中村獅童     高坂隆文             安芸新聞 記者

 

予告編

 

感想
東映ヤクザの流れを汲む映画として、かなり頑張って作られたもの。
昭和49年に起きたヤクザの抗争から14年経った、昭和63年が舞台。

この後数年経って平成3年に「暴対法」が成立したので、それ以降はこんな派手な抗争は描けないから、ギリギリの時代設定だったのだろう。

 

大上の愛車が白のトヨタ・マークII(1986年前後?)。

映画のほぼ全編に出て来て、この映画(昭和)を強く印象付ける。

ほぼ同型車

 

他にも、尾谷組の若い兄ちゃんが、覚せい剤で勢い付けて殴り込む時に乗っていたのがシビックじゃなかったかな。

黒電話もそうだし、昭和を十分堪能出来た。

 

さて本編。
広島近くの架空の都市「呉原市」を舞台にした、暴力団抗争と警察を巡るドラマ。
いきなり豚の糞を食わせて指詰め。これでこの映画のイメージを植え付ける手法は、まあ成功している(気分のいいものではないが・・・)
駿河太郎(鶴瓶の息子)は良く頑張った。

 

しかし、最初大上が出て来る場面、兄の捜索願いを出しに来た娘で「抜く」設定はアカンだろう(MEGUMIだとしても)。そもそも里佳子を助けた事から言っても、カタギを守るのが大上の矜持の筈。
彼のワイルドさの演出として、原作もこの設定だとしたら、それは「勘違い」。ヘルスのネエちゃんの乳を揉むのとは意味が違う。

これでかなりテンションが下がった。

 

東署内に「尾谷派」と「加古村派」があって、微妙な不協和音。
そもそも大上が尾谷に肩入れしているのは里佳子を助けているから。14年前の抗争がらみで五十子が報復を執念深く狙っているのも要因。
だが土井なんかは加古村派なので、いつも方針でぶつかる。

 

最初は直情型で、融通の利かない日岡が、大上のやり方に触れるうちに、単なる反面教師というだけでなく、精神面で吸収していく過程がなかなか見応えがあった。

ちょっと説明的過ぎるかな?という嫌いもあるが、大上が悪徳と言われる程、ヤクザにブッ込んで行く理由が徐々に語られる。
ただ、何度も尾谷に通ってなだめる姿が、刑事にしてはちょっと不自然っちゃあ不自然。

最初は不良刑事と新米刑事のバディもの、と単純に観ていたが、日岡が嵯峨へ報告を入れたところで真相が分かる。
日岡は大上の弱みを掴むため送り込まれたスパイであり、大上を処分すべきという程度の意識しかなかった。
それが、大上が汚い手を使って呉原金融 上早稲殺しの真相をつかみ、五十子と話をつけようと動く辺りから見る目を変え始める。
「極道に関わった者は曲芸師みたいなもん」と言う大上。

 

「やっちゃれ会」での尾谷組の殴り込みは、日岡のプロデュース。

多分銀次と組んで襲名披露を仕組ませた。一之瀬に仇を討たせる場をセッティングした上で、最終的に一網打尽。
大上さんに祟られる、と銀次が言ったのは尾谷組もまとめて潰す作戦だったからだろう。

その意味で日岡は大上の上を言っている(その分危険も大きくなる)。

多少突っ込みどころもあるが、刑事の「相棒」モノ、日岡の成長物語として考えれば良く出来ている。
最後の言葉「ああ、吸っとったわ」が、大上の後を継ぐ決意として心に沁みた。

 

とは言っても恒例のツッコミ・・・

真珠男の吉田。全くモウ、とは言いながら楽しめた。

ただ男のアレはもっと皮膚が薄い・・・・
血管浮かせたりなんて、あんまりリアルにするのもナンだがら、まあいいけど。

 

野崎を演じた竹野内豊の大根ぶりがハンパない。

ただわめくばかりで若頭の味が全く感じられなかった。

一方、一之瀬役の江口洋介は風格ありすぎ。

その割りに思考が軽いのでそっちの面でGAPあり。

 


 あらすじ
昭和49年、呉原市暴力団「尾谷組」に対し、広島に拠点を置く「五十子会(いらこかい)」が抗争を仕掛けた、いわゆる「第三次広島抗争」。

報復合戦の果て、泥沼の抗争の末に、勝者なき結末を迎えた。
あれから14年。ヤクザ組織が群雄割拠した昭和が終わろうとした頃、新たな抗争の火種が。生き延びた尾谷組残党に牙をむいたのは、五十子会の系列「加古村組」

 

夜、養豚場でリンチを受ける会社員。暴力団風の男数人が暴行し、口に豚の糞をネジ込む。そして指を剪定バサミで切り落とす。絶叫。
「呉原金融から金持ち出したんは、誰や」「・・・・・私です」
更に続く暴行。
事務所で電話をする加古村組 若頭の野崎。「よけいな事は喋らんでしょう。早々にエンコと一緒に詫び入れさせます」
もうそれはいらんらしい、との先方の声。本店でクビにした。

 

呉原東署の取り調べ。兄の捜索依頼に来た上早稲潤子。

兄の二郎が行方不明になって四日。

潤子に親切そうな大上は、日岡を部屋から追い出す。
県警から派遣され、大上の下に付けられた日岡はまだ新米の刑事。
ズボンをずり上げながら取り調べ室から出る大上。

潤子の口紅が取れていた。

 

パチンコ屋でスロットをする大上は日岡に、パチンコをしている関取風の大男へインネンをつけろと指示。

男の頭にアイスコーヒーをぶちまけ、さんざんブチのめされる日岡。

かなり経ってからようやく助け船を出す大上。
呉原金融の経理係の行方を聞くが「知らん」。

さんざん殴って脅した後「冗談や」と言って金を渡す大上。

 

薬局に行き、そこの女店員桃子に日岡の手当てをさせる大上。
大上の説明。呉原金融は加古村組のフロント企業。法外な高金利で稼いでおり、その上りで尾谷組のシマを荒らしている。

その前に何とか潰すのがワシらの仕事。
さっきの関取、10年ム所だと言っても口を割らなかった。

これはただの失踪事件と違う。

 

署での会議。加古村にガサ掛ければ必ず何か出る、と大上。

事なかれ主義の署長。尾谷の肩を持つ、と冷やかす土井たち。
尾谷組系の店でトラブルを起こす加古村組の男。

 

尾谷組へ日岡を連れて挨拶に行く大上。若頭の一之瀬守孝。

加古村にいいようにされて気が立っている一之瀬に、組長が出所するまで我慢せよ、と大上。挑発に乗ったら元も子もない。
加古村を追い込むネタは掴んでいる、と大上。

 

クラブ「梨子」へ日岡を連れて行く大上。ママの里佳子が日岡の股間を握って品定め。ツバメのタカシが冷やかされる。
そこへ加古村の一行が店に入って来る。中に五十子組の組長五十子正平も。大上を見て「びっくり、どっきり、クリトリス」の決まり文句。

 

薬局に行く日岡。店員の岡田桃子に包帯を巻き直してもらう。
悪い事言わんから早く転職しなさい、と桃子。

あんなオッサンと働いとっても人生棒にふるだけ・・・・

大上に同行して聞き込みをする日岡。加古村の向かいのタバコ屋。

婆さんは上早稲の写真を見て「サラ金の人やろ」
最近見ていないという。

大上は狼の付いたライターを買い、三万渡して「また教えてぇな」

 

次に向かった「広島仁正会」系列の右翼団体に顔を出した二人は、銃声を聞いて建物に飛び込む。
女が散弾銃を撃っていた。相手は亭主の瀧井銀次。女は妻の洋子。博打のため息子の金に手を出した。
屋上で銀次と話す大上。呉原金融の件を聞こうとするが、加古村は広島仁成会の一員、ワシの兄弟分だから喋れん。
そーね、じゃあ女の事、洋子に話しちゃろ・・・・・慌てる銀次。
4月頃、加古村の連中が連れ込み宿で騒ぎを起こした(男を拉致)。

その宿に聞き込みに行くが、門前払い。

裏手に回って灯油を撒き、火を点ける大上。
ボヤ騒ぎとなって、その隙に店に入る大上、やむなく続く日岡。
そのドサクサで旅館内の防犯カメラの録画テープをゲット。

 

拉致の証拠を掴み、加古村の関係者四名を特定して逮捕状の請求。

だがそのための放火、窃盗、住居侵入・・・ 納得のいかない日岡。

クラブ「梨子」に顔を出した加古村の吉田。里佳子に「真珠入りのナニで楽しませてやる」と誘う。奥でいきり立つタカシ。
店を出た吉田ら一行を襲うタカシだが、返り討ちに遭い撃ち殺される。

 

雨の中、たまたま出会う日岡と桃子。桃子に誘われてアパートに行く。半年前に離婚した桃子は「やっと声掛けられたら刑事」と笑う。
暴力団より暴力団らしい男と暴力団追い駆け回してる・・・

早口言葉?と笑う桃子。

 

泊まって行けば?と言われてその気になって、ビールを買いに出た日岡。銃声を聞いて駆けつける。

そこは加古村組。銃を持った男を取り押さえる日岡。
その後、お前はアホか!と大上にどやされる日岡。

襲ったのは尾谷組の若いモン。その前にタカシが殺されている。

タカシの遺体にすがる里佳子。

 

尾谷と加古村の抗争を止めるには尾谷組々長を説得するしかない。
鳥取刑務所に行って尾谷憲次に面会する大上。怒っている尾谷。

今動いたら加古村の思うツボ。もう少し時間が欲しい、と大上。
一之瀬と対峙する大上。自分を飛び越えてオヤジに告げ口した、と立腹する一之瀬は、問題解決までの期限を三日と言い渡す。

 

県警の嵯峨大輔に報告する日岡。嵯峨は、大上がヤクザとの関係を綴った、日記のようなものを探せと指示。
これ以上の内偵は不要と言う日岡は、大上を処分すべきと主張。
嵯峨の話。14年前に五十子が尾谷のシマを荒らした時、五十子の金村が殺されて騒ぎが終結した。それをやったのが大上だと言われている。その過去を調べるのが日岡の目的。

 

真珠男の吉田が来る。電話で呼び出された。

気のあるフリをする里佳子。だがそれは大上の罠。
手錠をかけられて下半身丸出しの吉田。「警察がこがいな事してええんか!」「警察じゃき、何してもええんじゃ・・・」
人間の身体は、異物が入っとると具合が悪いんじゃ・・・と吉田のナニを切開して真珠を取り出す大上。絶叫。
苦し紛れに吉田が、14年前金村を殺したのはアンタだ、と言ったが

「それでしまいか?」と無視される。
もう一丁いくぞ!と声をかけた所で吉田はギブアップ。

 

五十子が上早稲の首を持って来いと野崎に言った。そもそもは、尾谷を追い込むための資金を上早稲から出させていたが、エスカレート。

それが高じて追い詰められた上早稲が、本店の金にまで手を出した。
本店というのは、広島の「ホワイト信金」というサラ金(五十子の会社)。

 

豚小屋へ行く大上と日岡。親子で細々と経営している。

息子に聞くと、加古村に場所を貸しただけだと言う。

男がシャブをやっている目をしているのに気付いた大上は、それを理由に引っ張って拷問をかける。
上早稲を無人島へ埋めに行った事を自供する男。

 

「梨子」に顔を出す大上。

そこへ銀次が来て、14年前の事を新聞記者が嗅ぎ回っていると忠告。

嵯峨へ報告する日岡は大上の処分を進言するが、物証がないと渋る嵯峨。例の日記の事を再度聞かれる。

早く入手せよ。処分はそれから。

 

島への捜索が始まる。
それに並行して署を訪れる新聞記者の高坂。

署長に大上の14年前の事を聞く。

続けられる島での捜索。上早稲の遺体が出た。首と胴体が別々。
苗代ら四名の特別手配。だが大上の思惑は一瞬で崩れた。
記者からの情報を受け、署長は大上を捜査から外し謹慎させた。

 

尾谷組へ行く日岡。いきり立つ一之瀬。

大上を外され東署に裏切られた。約束は反古。
尾谷の若いもんが加古村の店に殴り込みをかける。

負傷する加古村幹部。
署は尾谷組の壊滅作戦に出てガサ入れするも、幹部は不在。

 

尾谷の構成員から電話が入り、日岡の手引きで大上が、負傷した加古村幹部の入院する病院へ行く。五十子も同席。
この14年、復讐のチャンスを狙っていた五十子。尾谷組長が居ないうちに決着を付けたかったと言う大上にシラを切る五十子。
カタギを殺したツケは必ず回って来る。

この辺で手打ちにしよう、と大上。三つの条件を付ける五十子。

①見舞金1000万 ②尾谷組長の引退 ③一之瀬の破門。

それがダメならどっちかが壊れるまで戦争しちゃろうじゃないの。

 

五十子の話を持ち掛ける大上に拒否する一之瀬。

戦争して死ぬのは若いモン。あいつらの命を守るのがお前らの役目じゃろうが!と訴えるが聞かない一之瀬。
日岡を置いて車で出掛ける大上。

 

「梨子」で延々と飲み続ける日岡。そこに顔を出す大上。

鳥取の御大に直接話しに行った。守孝に従う、と言う組長。
どいつもこいつも、と嘆く大上は再度五十子に交渉すると話す。

聞くとは思えない、と言う日岡に、頭の中にネタが一杯ある、と大上。
五十子は昔から警察幹部と昵懇の仲。一軒家まで貰った刑事が居る。そのネタ使えば奴も動けない。

こんな綱渡り、いつまで続けるつもりですか、と日岡。
大上は言う。極道と関わった者は曲芸師みたいなもん。

極道、警察どちらに傾きすぎても落ちてしまう。
落ちんようにするには歩き続けるしかない。
飲み直そうと言う大上を断って桃子のアパートに行く日岡。

そして桃子に抱き付く。

 

その夜を境に大上は姿を消した。
その三日後、逃亡中の苗代らが愛媛県内で逮捕された。苗代は上早稲二郎の殺害及び死体遺棄を認め、加古村組幹部の関与を供述。
東署は加古村組事務所への強制捜査を行い、組頭の野崎を逮捕。

大上は依然として行方不明。
日岡は、大上が五十子に拉致されていると嵯峨に訴えるが、証拠もなしに押し入れないと否定。それよりヤツの日記を手に入れろと追及。
嵯峨が記者に情報を流した事を責める日岡。居直る嵯峨。

 

銀次に大上の事を相談する日岡。五十子に探りを入れられないかと頼むが、こっちが危ない、と逃げ腰の銀次。

妻の洋子が「ガミさんにはさんざん世話になったのに」と口を挟む。
ガミちゃん、どこでトチったんか、の言葉に

「ヤクザに深入りし過ぎたんですよ」と日岡。
それを勘違いだと諫める銀次。
ガミさんにとってヤクザはただの駒。たまにエサやってしつけとるだけ。
あの人にはカタギの人しか頭にない。カタギを守るためなら極道にだって平気で手を突っ込む。だから極道はガミさんが怖い。

 

日岡が「梨子」を訪れた時、里佳子が「ちょっと外に出ようか」
そして歩きながらスクラップブックを日岡に渡す。

大上から、俺に何かあったら日岡に渡してくれ、と頼まれていた。
それは警察とヤクザの癒着を記載したもの。
あの人が一番恐れていたのはヤクザじゃなく警察。

弱みを持っていればクビにはならない。
大上は、自分が居なくなったら極道に抑えが利かなくなるのを恐れていた。そうなると里佳子たちカタギも商売出来なくなる。

里佳子もそのネタを取るのにさんざん協力させられた。美人局(つつもたせ)。ガミさんの得意技。県警のオヤジどもにも、させられまくった。
県警もそのノートを必死で探している。

スパイまで送り込んで来たと大上が言っていたという。
みんな保身しか考えていない、と嘆く日岡。
だが大上も14年前に人殺しをしている、と日岡が話しかけると、里佳子が「それは違う」と遮る。
14年前、金村を殺したのは里佳子。尾谷組に居た亭主が金村に殺された。だが金村は平気な顔で里佳子の身体を求めて来た。
撃ち殺してから大上に連絡した。こんな外道のために刑務所で子供産ますわけに行かん、と言って全部処理してくれたのが大上。

 

東署に来た電話を受ける日岡。走り出す。
川べりのハシケの上に寝かされた死体。大上だった。

腹にいくつもの刺し傷。過呼吸を起こす日岡。


多量のアルコールと睡眠薬が血中から検出された。

飲酒後睡眠薬を使用し、誤って川に落ちたと推定・・・・
刺し傷の事は伏せられた。
同僚の話では、胃の中から大量の異物--豚の糞があったとの事。

 

豚小屋を訪れる日岡。軽口を叩く息子を無視して豚舎の床を這い回る日岡。そして大上のライターを見つける。
息子を力の限り殴り続ける日岡。

これ以上は危険というところで、父親がスコップで日岡を殴る。
「かんべんしたってくれ、本当に死んでしまう・・・」

 

部屋で、自分の捜査日誌に大上の書いた書き込みを見つける日岡。赴任当時から日岡の任務を知っていた大上。

その内容にコメント。多くはダメ出しだが、終りに近づくにつれて褒め言葉も。涙を流す日岡。

 

日岡に向かって「本気なんか?」と言う銀次。

そんな事してガミさんに祟られんかのぉ・・・・
大上さんにとってヤクザは駒でしかない、と言ってたのは銀次さんじゃないか、と日岡。

 

五十子系の開催する「やっちゃれ会」。

組の幹部たちで鏡開き。その席に座っている嵯峨、土井。
五十子が銀次を幹部に紹介。ガタガタになった加古村組の立て直し。
五十子が小便に行った時に、尾谷組が会場へ殴り込みをかける。

騒然となる会場で、案内されて逃げ出す嵯峨たち。
気配を感じながらも一人で小便をしている五十子の元に、日本刀を持った一之瀬が。
「外道は外道らしく、死んだらんかい」と五十子の首に刀を突き立てる一之瀬。吹き出す血しぶき。

五十子の首が小便器に転がっている。
一之瀬は身代わりとなる者に刀を渡し「立派に務めを終えたら組を持たせちゃるけん」
そこへ駆け付ける東署のメンバー。来る事を予想して身代わりを差し出す一之瀬に向かって手錠をかける日岡。
愕然とする一之瀬。

 

スクラップブックを嵯峨に渡す日岡。

喜ぶ嵯峨に「ほとんどは大上の妄想です」。
そして「最後のページは私が書き加えました」。

嵯峨の写真と職務情報の下に「やっちゃれ会に出席、パーティーの現場に居て逃げ出した・・・」
うろたえる嵯峨は、すぐに本部へ戻すと言ったが、日岡は

「もう少し呉原で働かせてもらえませんか」
不良刑事がまだ一掃された訳じゃない。 そうだな・・・・と嵯峨。

 

桃子と話す日岡。実は、と言って桃子も美人局をやらされていた事を白状。だが恩人。穀潰しの暴力男と結婚していた。最悪。

その時助けてくれたのがガミさん。
ただでウチのオメコ拝ませてやったからいいでしょ。
ガミさん、アンタの事感心しとった。

桃子が、日岡の仕草を見て「あんた、タバコ吸いよったん?」
大上の残したハイライトとライター。
「ああ、吸っとったわ」