ローガン   2017年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

監督    ジェームズ・マンゴールド
脚本    マイケル・グリーン。

 

キャスト
ローガン(ウルヴァリン)       ヒュー・ジャックマン
チャールズ・エグゼビア    パトリック・スチュワート
ローラ(X-23)         ダフネ・キーン
ドナルド・ピアース       ボイド・ホルブルック
キャリバン           スティーヴン・マーチャント
ガブリエラ・ロペス      エリザベス・ロドリゲス
ザンダー・ライス博士     リチャード・E・グラント
ウィル・マンソン        エリク・ラ・サル
キャスリン・マンソン     エリゼ・ニール
ネイト・マンソン         クインシー・ホウス
X-24              ヒュー・ジャックマン

 

 

予告編 


2029年。新たなミュータントが生まれないまま25年が過ぎた。ローガンはリムジンタクシーのドライバーとして細々と暮らしており、ミュータントのキャリバンと共にチャールズを介護している。チャールズは認知症の様な身の上で、時々超能力の発作を起こす。最近は、ミュータントと交信したなどと言うが、ローガンらは信用しない。

 

街なかで女から声を掛けられるが怪しんで立ち去るローガン。それと前後してローガンの素性を知る男ピアースから協力を求められる。彼が残した名刺の会社名に「アルカリ・トランシジェン」の文字を見つけて愕然とするローガン。

先に声をかけて来た女、ガブリエラが尋ねて来て11歳の少女ローラをノースダコタ州のエデンまで送り届けて欲しいとローガンに頼む。報酬は二万ドルで、現地に着いたら更に三万ドル渡すという。
チャールズとは、いずれ船を買って安全に暮らそうと話しており、その話に乗るローガン。

 

改めてガブリエラを迎えに行くと、彼女は殺されており、残されたローラを連れて家に戻るローガン。そこに、後をつけて来たピアースとその一味から襲撃を受ける。とてつもない殺人能力を発揮するローラ。拳の先から二本の爪も出る。
ローラとチャールズを連れて辛くも脱出するローガン。

 

ガブリエラの残したスマホの情報で経緯を知るローガン。かつてローガンを改造した組織(アルカリ湖の研究所)では生活用の飲み水に特殊な薬液を混ぜて、人からミュータントが発生する能力を抹消していた。その上で幼い子供たちをミュータントに改造して人間兵器にする事業を運営。
ただ最新研究により、子供たちを使わなくてもミュータントを造り出す研究が確立され、子供たちは不要な存在となった。その研究所で働き、次々と殺される子供たちを見て、少しでも助け出そうと動いたガブリエラ。
子供たちが研究所で見ていたコミックスが「MARVEL」。だがガブリエラが届けて欲しいと言っていた住所は、そのコミックスで最後の楽園とされている「エデン」と全く同じもの。

 

街のホテルで一息つく三人。チャールズと映画「シェーン」を観ているローラ。だが次の車を手配しにチャールズとローラを残して出掛けたローガンは突然体を拘束される。周りを見ると全ての人の動きが止まっている。チャールズの仕業だと直感し、渾身の力で部屋まで戻るローガン。部屋ではチャールズをまさに撃とうとする敵の姿が十名以上。その者らを次々と刺す。最後の者を倒し、ローガンが鎮静剤を打ってチャールズの能力が切れた。一人だけ倒し損ねた者を倒したのはローラ。

 

逃避行の途中でトレーラーに乗せた馬が逃げ出して困っている家族を見つけ、チャールズの助言で助けるローガン。その感謝のしるしに家での夕食を誘うマンソン一家。作法も知らず手掴みで物を食べるローラ。
夕食後、立ち去ろうとするローガンらは泊まる事を勧められる。だがその晩水を止められ、主人のウィルはローガンを伴って給水場に向かう。町の有力者から嫌がらせを受けているという。バルブを戻したところでその連中がやって来る。ローガンの迫力で撃退。

 

その晩にキャリバンの持つミュータント探索の能力を使って、ピアースらがマンソン家を襲撃。その襲撃メンバーの中に、ローガンそっくりの男。博士がコントロールしている。X-24と呼ばれていた。ローガンを装ってチャールズを刺殺するX-24。

襲撃に気付き、急いでチャールズの許に行くローガン。銃で応戦するがすぐに倒されるウィル。
襲って来るX-24に全く歯が立たないローガン。
だが瀕死のウィルが銃を撃ったおかげで時間稼ぎが出来ローラ、チャールズを連れて脱出するローガン。

絶命したチャールズを湖畔まで運んで埋葬したローガン。車のエンストをきっかけに、度重なるストレスのため、気を失う。

 

病院で目覚めるローガン。ローラが近くに居た人に助けを求めて運び込んだ。ミュータントの事を知っている医師が、もっとしっかり手当てしたいと言うのを振り切って外に出るローガン。そこにはローラが調達した(盗んだ)クルマ。

礼を言うローガンに初めて口をきくローラ。ノースダコタの「エデン」に連れて行って欲しいと言う。だがそこはコミックスに書かれた架空の住所。だがそれでも言い続けるローラに根負け。

疲労の溜まったローガンは運転を続けられず、途中からローラが替わった。

 

その住所にようやく辿り着く二人。崖の上から手作りのバケットが降りて来て、子供らが皆でローガンの体を引き上げた。
十名近く居る子供らは皆研究所から逃げ出した者。リーダー格の少年の話では、翌日の朝、森を抜けてカナダへと逃げる計画。
同行を誘われるが断るローガン。

 

目覚めると、そこに居たのはローガンだけ。枕元にはリーダーが残したミュータントの体力回復のための薬剤が置いてあった。
だが近くを飛び回るドローンの姿を見つけて追っ手が来た事を知るローガンは、その薬剤を全て注射し、子供らを追った。

追い詰められた子供たちは、能力を使って応戦するが、次々と捕まる。追いついたローガンが加勢して子供らを助けるが、そこに現れるX-24とライス博士。ライス博士の父親は、ローガンが殺していた。
X-24とローガンとの壮絶な戦い。だが身体能力はX-24の方が数段上。木の枝に串刺しにされて動けないローガン。
ローラは、ローガンが自殺用に一発だけ持っていたアダマンチウム製の弾丸を銃に込めてX-24の頭を撃ち抜いた。絶命するX-24。

 

回復能力を超えたダメージを受けたローガンは、ローラの腕の中で息絶える。

ローガンを埋葬した子供たち。ローラは立ち去る前に十字架を抜いてXの形にした。

 

感想
X-MENのシリーズは比較的観ている。今回はヒュー・ジャックマンが最後の出演かも、という事で視聴に出掛けた。

 

老醜漂う、ズタボロのローガンが、車のタイヤ泥の数名を相手に戦うシーンから始まる本編は、これまたヨレヨレのプロフェッサーXことチャールズとの組み合わせで、侘しいことこの上ない。

 

ストーリーとしては、脚本がいかにも甘いが、まあ「MARVEL」シリーズだからこんなもんだろう。ただ、ミュータントの話なのに、その能力を廃絶した上で、研究開発により特殊能力を開発するという研究所の方向性そのものが、ちょっと「いかがなものか」的な。
しかし兵器開発の側面から行けば、基本的に理詰めでコントロール出来るものの方に価値を見出すという事で、開発した子供たちを抹殺するという思考は理解出来る。

途中で出て来た酪農夫婦の夫「ウィル」を演じたのは「ER(緊急救命室)」のベントンを演じていたエリク・ラ・サル。ERの出演メンバーは皆芸達者だが、ダグ役のジョージ・クルーニー以外は普通の映画で全く見ないのが不思議。


ローガンとローラの擬似親子体験は、それなりに感動を誘った。バンバンと平気で敵を殺すローラが、死にゆくローガンに涙を流すという対比。
ヒュー・ジャックマン最後の御奉公、という点で、まあ全て許せるか。

 

でもこのX-MENシリーズ、この先続けようと思ったら、このシナリオではあかんわな。