名古屋行き最終列車  2017  2/6 ~9放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

 

番組紹介
http://www.nagoyatv.com/nagoya_saishu2017/


第一話   大杉漣  波岡一喜  関太(タイムマシーン3号) 

 

 

落とし物センターでレードル(ラーメンのつゆを入れる道具)を受け取る男。
ラーメン屋「円楽」の経営を引退したタケシ(大杉漣)。久しぶりに元弟子の店「清楽」へ行く。元弟子の清(波岡一喜)、バイトの青年(関太(タイムマシーン3号))を雇って忙しく働いている。
券売機、セルフの水サーバ等を見て少し違和感を持つタケシ。清が自家製麺の件で一週間ほど店を開けるので、その間店を見て欲しいとの申し出。
快く申し出を受けて働き始めるが、セルフ対応、ロットを守るための麺茹で用タイマー、はては子供連れで小鉢に取り分けて欲しい、との客も断る始末。だがそれはバイトが単に指示されてやっている事。
3日目になってタケシは券売機、水サーバを撤去させ、客の顔を見て商売をしろと叱咤。最初は戸惑うも、次第にタケシのペースを理解するバイト。

 

「殿、ご乱心」のメールを受けて一日早く帰って来た清。清にタケシは、タイマー設定通りに茹でて作ったラーメンを食べさせた。少し柔らかいと言う清。タイマー通りなのになぜ?
そのタイマー設定を決めた時は、多分冷房がガンガン効いていたのだろう。今は気候が違う。また工事現場の男と、OLでは好みも違う。そういう事も含めて考えたらタイマーには意味がない。
ネットで注目されてから、客をこなす事ばかりを考えていた、と反省する清。

 


第二話     吹越満  松下由樹  小林豊(BOYS AND MEN) 宮﨑香蓮

 

 

落とし物センターでサイリウム(コンサートの光り物)を受け取る主婦。
金魚の販売を夫婦でやっている深見(吹越満)。妻の奈美(松下由樹)を名古屋駅まで迎えに行くのが週末の日課。娘の美咲(宮﨑香蓮)が進学で東京に行ってからは、金曜夜から日曜夜までお互いに干渉し合わないという取り決め。親の面倒も、娘の世話もしたと言う奈美。
深見も自分のやりたかった金魚の研究をやるようになった。親から継いだ仕事だが、過去に挫折して新品種から遠ざかっていた。今、5年かけて生み出した新品種がモノになりかけている。
奈美は友達の主婦と、アイドル歌手の追っかけをやっていた。
深見が迎えに行った夜、奈美がもう一人の相手とラブホテルに入るのを目撃。実は主婦仲間だったが、奈美からのメールは「友達の家に泊まる」。
奈美が帰ってからその事で口論になるが、深見が突然ギックリ腰で倒れる。脊髄に損傷があるかも知れない、と一週間の入院を言い渡される。
金魚の世話は奈美が見る事になっていたが、ある日追っかけ仲間の主婦が、なかなか取れないチケットが取れたと誘いのTEL。3時間程度なら大丈夫、と奈美は出掛けてしまうが、酸素供給をセットするのを忘れ、帰宅した時には新品種の四匹が全滅。
深見が無事退院して、水槽の金魚を見に行くと、新品種の金魚がいない。訳を聞こうと家に戻るが「金魚は、酸素不足でお亡くなりになりました」との置手紙を残して奈美が姿を消した。その晩は帰って来ず。

 

翌日の晩、妻から名古屋駅まで迎えに来て、とのメール。奈美は業者仲間から新品種を買い戻して来たのだった。深見はいつも新品種が出来ると、決まった仲間に売って、互いに育てるという手法を取っていた。その情報は、娘の美咲から教えてもらった。
家に戻ると、美咲が父から頼まれていたプレゼントのバッグを持って待っていた。

 


第三話    松井玲奈  浜野謙太  JOY  

 

 

落とし物センターでトロンボーン用のマウスピースを受け取る男。
勤める会社が倒産して無職になった吉川かすみ(松井玲奈)。やる事がないまま終電に乗る。
富士松駅前でトロンボーンを吹く柏木タカシ(浜野謙太)。学生の頃、モテようとしてリサイクルセンターでトロンボーンを買い、それ以来独学で練習している。人に聞かせようと駅前に立つが、いい場所はみな取られ、小さな駅でしかやれない。
そこに訪れるかすみ。自分の演奏を聴いてくれていると喜ぶタカシ。
タカシは「安全太郎」のメーカー「トクデンコスモ」で働いていた。
かすみは虫歯のため、叔父の歯科医院で治療を受け、その帰りにまた富士松駅に着いた。痛みのため失神するかすみだが、それを感動と勘違いするタカシ。
ハローワークの指定日に間に合わずヤケ酒を飲んで帰ると、またタカシに出会う。ビールを飲みながらタカシの演奏を聴くうちに「案外いいかも」と見直すかすみ。
酔った勢いで調子に乗ったタカシは、かすみをラブホに誘う。
翌日自宅でトロンボーンを抱いて目を覚ましたかすみ。母親が、かすみの事がネットで話題になっていると言って来る。

タカシとのやり取りが動画にアップされていた。見出しは「ラブホに誘ったが全否定で断られ泣かされる男」。記憶になかったが、相当辛辣にやり込めている。
トロンボーンを返しがてら、タカシの会社に行くが、無断欠勤しているという。アパートまで行くと、例によってウジウジと愚痴の羅列。逆ギレしたかすみは、客を集めてやるから堂々とトロンボーンを吹けとハッパをかける。
翌日、集めて来たのは会社の人たち。同僚の男(JOY)。みんなタカシがトロンボーンを吹いている事を知らなかった。

 

その後突然タカシは姿を消した。
しばらくしてから突然ネットで注目される様になったトロンボーン奏者。タカシだった。3ケ月で7千万ダウンロード。

会社でもその話でもちきり。
社長が声をかけるとオレンジの「安全花子」を持って笑うかすみの姿。ここでバイトをやっていた。

 


第四話   六角精児 、入山法子、 谷花音

 

 

名鉄の落とし物センターに勤める宗太郎(六角精児)。乗り鉄にのめり込み、婚期を逃している。
宗太郎の母親は、乗り鉄の弟子の菜々子(谷花音)に出会いのチャンスを作ってくれと、お菓子をエサに頼む。ブログ仲間の篠山あやめ(入山法子)を候補として引き合わせる。
あやめは電車関連の音を追いかける「音鉄」であり、以前車掌をしていた宗太郎の声も覚えていた。菜々子を含めて三人で毎週録音旅行に行くうちに、どんどん親しくなって行く。
途中ダイヤモンドクロスを通過する音の場面(大江-東名古屋駅間)。カタタタンという四分音符。

ある日、急に菜々子の都合が悪くなり(母親の作戦による指示)、宗太郎とあやめ二人だけでの録音旅行をする機会があった。いい雰囲気になったが、帰りの電車の車掌の声に釘づけになるあやめ。聞くのは二回目だが、あの人の声は宇宙で唯一、だと言って聞き入る。

 

別の日にあやめを食事に誘う宗太郎。偶然か、その日のアナウンスも前回の車掌だった。一宮で下車して別れる宗太郎。

「ありがとうございました」と頭を下げる姿に違和感を感じるあやめ。
終点の名古屋駅に着く直前に、例の人の声で「篠山あやめ様に落とし物が届いています」とのアナウンス。ホームで待っていると、その車掌、唐沢が来て忘れ物センターの森本主任から、と言って紙袋を渡す。その中にはパノラマカーのミュージックホンが鳴るキーホルダーが入っていた。


感想
昨年から観るようになった。名古屋テレビの深夜枠で、この時期に四夜連続で放送される。全四話中、三話が昨年の人間関係を継承しており、ある程度安心感が持てる。

第一話。
昔ながらのやり方を守って来たラーメン屋が、元弟子に教えを思い出させる。行きつけの店や、店までの通いに使う名鉄電車とか、演出になかなか好感が持てた。

第二話
弥冨の金魚業者が舞台。業者としての専門性がある程度反映され、酸素供給チューブが重要な役割をしているところなどは、下調べを良くやっていると評価。
ただ、弥冨を通る線は近鉄が主導権を握っているので、この話の出番は名古屋駅ばかり。ダンナが弥冨から毎回名駅まで軽トラで来るのでは、電車の出る幕がない・・・

第三話
中身のなさにびっくり。でも、まあ深夜枠だし気楽に観るという話もあっていい。浜野謙太は朝ドラ「とと姉ちゃん」でイイ味出していたが、在日ファンクのリーダーでレッキとしたミュージシャンであり、腕のいいトロンボニスト。
内容はともかく十分楽しめた。またここに出て来た「トクデンコスモ」は、道路の旗振り人形「安全太郎」を実際に作っている会社デス。

第四話
第一話~第三話まで、話の枕でチョイ役として出ていた六角精児の主演。今回は「音鉄」というディープな世界を表現してくれた。番組の最後に出て来たパノラマカーのキーホルダーはこちら