プリズナーズ  2014年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

 

監督 ドゥニ・ヴィルヌーヴ
脚本 アーロン・グジコウスキ

 

キャスト
ケラー・ドーヴァー     ヒュー・ジャックマン
デビッド・ロキ刑事     ジェイク・ギレンホール
ナンシー・バーチ      ヴィオラ・デイヴィス
グレイス・ドーヴァー    マリア・ベロ: ケラーの妻。
フランクリン・バーチ   テレンス・ハワード: ナンシーの夫
ホリー・ジョーンズ    メリッサ・レオ: アレックスの叔母
アレックス・ジョーンズ   ポール・ダノ
ラルフ・ドーヴァー     ディラン・ミネット: アンナの兄
イライザ・バーチ       ゾーイ・ソウル:ジョイの姉
アンナ・ドーヴァー      エリン・ゲラシモヴィッチ
ジョイ・バーチ       カイラ・ドリュー・シモンズ
リチャード警部      ウェイン・デュヴァル: ロキの上司
パトリック・ダン神父     レン・キャリオー
ボブ・テイラー        デヴィッド・ダストマルチャン

 

 

予告編
https://www.youtube.com/watch?v=852kXtkpKlY

 

 

感想
ちょっと変わったタッチの誘拐映画。TV放送の録画を視聴。
娘を誘拐されたケラーが、アレックスを犯人と思い込んで拷問する。やり過ぎだとは思うが、犯人でしか知り得ないことを本人から聞いたら、自分だってやってしまうかも知れない。

 

しかし伏線張り過ぎ!。映画を観た後で、様々なネット情報を集めて、ようやく理解出来るってのは、果たして映画の正しい姿と言えるのだろうか。また伏線に凝った割に、誘拐プロセスの辻褄合わせが相当甘い。

 

主演のヒュー・ジャックマンは、ウルヴァリンで有名だが、逆にそれ以外ではあまり見かけないので、こういう普通の顔で見るのも新鮮。地下室に緊急用の物資を備蓄していたり、ロキの尾行に気付いてしつこく抗議したりという粘着な部分で、拷問を推進する背景を形成しているのは、いい演出。

 

ジェイク・ギレンホールは、今まで悪役、とまでは言わないが性格の悪い、信用出来ないタイプの人間を演じる事が多かったと思う。役どころは刑事、と言ってもあちこちタトゥーが彫ってあり、若い頃やんちゃだったのが丸わかり。
今回、なかなかいい役者だと再認識。だが、結局犯人を仕留めたものの、事件解決という観点では全て後手後手に回っており、刑事ものという観点ではやや不満。

 

この映画に対して「信仰」という切り口で評じたサイトがある。まあその通りと思う面もあるが、そこまで深読みしたくはない。
http://movieandtv.blog85.fc2.com/blog-entry-484.html

 

もっと詳細のストーリーを知りたい場合は以下へ
http://godspeeddiary.blog84.fc2.com/blog-entry-403.html

 

 

 

あらすじ

ペンシルベニア州の田舎町で工務店を営むケラー・ドーヴァー。隣家のフランクリン・バーチと親しくしており、家族で感謝祭を祝っていた。
そんな時、ケラーの娘アンナとフランクリンの娘ジョイが、家から居なくなった。アンナの兄ラルフが、近くに止まっていたキャンピングカーの梯子にアンナが乗ろうとしていた事を告げる。

 

警察が動き出し、キャンピングカーの所在を確認。だがその車は突然走り出し、木に激突。確保されたのはアレックス・ジョーンズ。保護者の叔母ホリーに話を聞くと、知恵遅れで運転免許はあるが、知能は10歳程度だと言う。
ケラーは事件担当のロキ刑事に、拘留を続けるよう頼んだが、確たる証言、証拠もなく署長の指示により48時間で釈放。だが釈放の時アレックスは、ケラーにだけ聞こえるように「僕がいる間、泣かなかった」と言う。
アレックスの犯罪を確信したケラーだが、その話を警察にしても相手にされない。

 

アレックスを監視するケラー。犬の散歩で吊り皮を持ち上げる残酷さを見せるアレックス。散歩の途中で、娘たちが作って歌っていた替え歌を、同じセリフで歌っているのを聞いて、アレックスが犯人だと確信したケラー。アレックスを拉致して自分の実家に連れ込み、自白させようと拷問。フランクリンもそれを知り、驚くがやむなく協力。

 

難航する調査。警察では半径10マイル以内での性犯罪歴のある者の調査を始める。そのうちの一人がパトリック神父。ロキの行った家宅捜索で、地下から男のミイラ化死体が出て来る。神父の話では、16人の子供を誘拐したと言って懺悔に来た者だと言う。
この近辺であった過去の誘拐事件を調べるロキ。20数年前にあった少年失踪事件の母親を訪ねると、その事件の時もキャンピングカーが目撃されていた。

 

誘拐された両家の前にロウソクを捧げる人たち。ロキはその中に不審な男を発見。捕まえるが、スキを見て逃げられる。記憶から似顔絵を作り、公開。
通報により、容疑者としてボブ・テイラーを逮捕。
だが、調べて行くうち、ボブが真犯人だという確信が薄れて行く。子供服に付いていたのは豚の血。そして拘留中にボブが書く迷路の様な模様。
イラ付いたロキは取調室に入ってボブを締めあげるが、隙を見てボブがロキの銃を奪う。ボブはそれを口にあてて自殺。
後に、ボブは単に連続誘拐事件を真似ただけの模倣犯と判明。

 

相変わらずアレックスに拷問を続けるケラー。専用の拷問部屋まで作った。フランクリンの妻ナンシーにもバレるが、止めさせる勇気がない。
アレックスから「あの子たちは迷路にいる」との言葉を聞き、叔母が何かを知っていると考え、ホリーを訪ねるケラー。当り障りのない話から、迷路の話を聞き出そうとするが、知らないと返すホリー。

 

バーチ家の娘ジョイが保護されたという知らせが突然入る。アンナはまだ見つからない。見舞いに行ったケラーは「おじさんも居た」とジョイから聞かされ、ホリーが犯人だと確信。
再びホリーを訪れるケラーだが、疑われている事に気付いていたホリーは、隙をついてケラーに銃を向ける。そして特製ジュースと言って、動きを麻痺させるものを飲ませる。誘拐された二人もそれを飲まされていた。
外に出てスポーツカーを動かすように指示され、麻痺した体で何とかそれを行うケラー。板をどけると深い穴があった。娘たちも一時そこに居たという。
逆らおうとしたケラーの足を撃ち、穴に落とすホリー。そしてまた蓋をして車で押さえた。携帯の明かりで何とか穴の様子を知るケラー。そこに落ちていたアンナのホイッスルを握りしめて涙する。

 

ケラーが飛び出した時、ロキはケラーが実家に向かったと考え、すぐに向かう。だがケラーはおらず、そこでアレックスを発見し救出。署長に指示され、この事を伝えにホリーの家に。
そこで、ホリーが少女に何かを注射しようとしているのを発見し、止めるよう警告。だがホリーが撃って来た。ホリーを射殺するロキだが、自分も頭に跳弾を受ける。
頭から血を流しながら、注射を打たれたアンナを病院まで担ぎ込むロキ。アンナは無事に回復した。

 

ホリーの家の捜索を指示するロキ。事件の真相は、昔から子供を誘拐しては殺していたホリー夫妻が握っていた。夫はかつて神父にその罪を懺悔して、殺されていた男。ホリーの子供が癌で死に、信仰を失った二人は子供を誘拐して、迷路が解けた者は逃がし、解けなかった者は殺した。
模倣犯のボブは、実はかつて誘拐された子供。迷路を解いて助かったが、誘拐のせいで神経を病み、事件の再現に固執するようになった。
子供の死体は多分ホリーの家の周辺に埋められている。

 

夜も更けて、その日の調査が終わる頃、現場でかすかな音を聞くロキ。そら耳か、と立ち去ろうとするが、また「ヒョロロ・・」という音。