シン・ゴジラ  2016年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

 

総監督・脚本・編集  庵野秀明
監督・特技監督    樋口真嗣
音楽         鷺巣詩郎

 

キャスト
矢口蘭堂(内閣官房副長官)           長谷川博己
赤坂秀樹(内閣総理大臣補佐官)        竹野内豊
カヨコ・アン・パタースン(米国大統領特使)  石原さとみ
大河内清次(内閣総理大臣)           大杉漣
東竜太(内閣官房長官)              柄本明
志村祐介(内閣官房副長官秘書官)      高良健吾
森文哉(厚労省課長)               津田寛治
安田龍彥(文部科学省課長)           高橋一生
尾頭ヒロミ(環境省課課長補佐)         市川実日子
間邦夫(国立科学研究科 准教授)       塚本晋也
泉修一(保守第一党政調副会長)        松尾諭
財前正夫(統合幕僚長)              國村隼
西郷(戦闘団長)                   ピエール瀧
花森麗子(防衛大臣)                余貴美子
里見祐介(農水大臣→臨時代理)        平泉成

 

予告映像
https://www.youtube.com/watch?v=WEGowRHB_N4
https://www.youtube.com/watch?v=IgHlSg577OA
https://www.youtube.com/watch?v=rfXgMErs754

 

感想
エヴァの新・劇場版作らんと、こんな映画・・・・とも思ったが、一応ゴジラには親しんだ世代なので観に行った。

まず、この現在の日本でもし巨大生物が出現したら、という事態を政治的・社会的に具体化して描いたという点が画期的。もちろん初代「ゴジラ」でもそれは行われていたが、自衛隊出動に関する制約、日米安保等、緊急事態に対して政府がどう対応して行くかという社会派SFとしての描き方には好感が持てる。

キャストについては、長谷川博己を起用したのは良かった。「セカンド・ラヴ」「鈴木先生」などで気になっていた。普通っぽいけど普通とは違う、そんなギリギリのところをうまく演じられる人。
石原さとみは・・・・まあやめとこう。アスカ的なものを狙ってたの、かな?

 

ゴジラの形態、最初は水棲生物としての形。あのトンマな顔見てて、あーそうかと思い出した。エヴァンゲリオンの第4使徒「シャムシェル」だな。
だが1回目の上陸の後、さっさと海に戻って行ったのはちょっとあっさりしすぎ。戻って行く姿もなかったし。

 

また、自衛隊の攻撃に対して無傷だったのが、米軍の地中貫通爆弾が有効だったという部分。ここにはちょっと引っ掛かった。火器としてそれほどの差があるのなら、そこを端緒として攻撃法を考えるべきでは。→訂正。この爆弾でダメージを受けたので、背中一面から光線を出す無敵モードになり、爆撃機を寄せ付けなくした、という事らしい。

 

今回の映画で一番ザンネンだったのは血液凝固剤。まあ凝固剤まではいいけど、ポンプ車で投入しても血液に触れるわけじゃないからなぜ凝固するのか。またビル破壊で広範囲のがれきに囲まれるのに、ゴジラの口元までタイヤ形式のポンプ車が行き着ける筈がない。それにあんな入れ方で全部入って行くわけがない(大半こぼれる)。
政治的にここまでリアルにやったんなら、もう少し確からしい作戦にまとめて欲しかった。

本来、この作戦は血液の凝固であって「凍結」ではない筈。それがいつのまにか凍結にすり替わって、最後では「-196℃」なんて、そんな冷凍エネルギー、どこから出て来るのよ・・・・

 

それから音楽。いくら音楽担当が鷺巣詩郎で、エヴァの音楽使ってもオッケーだと言っても、会議の前にかかるあのティンパニーのリズム。この映画で聞いてしまうと、みんなエヴァに染まる。

 

ヤシマ作戦
https://www.youtube.com/watch?v=p8f2pMxXJwA


 

あらすじ
横浜沖で発見されたプレジャーボート。中には誰も乗っておらず船内に赤い折り鶴があった。
その時海上で大きな水しぶきが発生し、周囲が赤く染まる。
東京湾アクアラインの地下トンネルに亀裂が入る。
政府で緊急の会議が始まる。矢口が巨大生物の可能性を指摘するが相手にされない。
緊急連絡が入り、首相指示でTVがつけられると、水しぶきのあった場所から巨大なしっぽが現れる。

 

巨大生物は大田区の多摩川支流を遡上。なぎ倒される船や橋。
当初有識者の発言を受けて、生物は自重で崩れ、上陸は不可能、と首相が発表したが、生物は立ち上がってビルをなぎ倒した(顔はワニ状)。
武力行使を首相に迫る花森防衛大臣。超法規的解釈で自衛隊による攻撃を許可する首相。戦闘ヘリ数機により攻撃準備するが、逃げ遅れた住民のため、中止される。
その後巨大生物は東京湾に戻って行った。

 

一夜明けて、日常を取り戻す都民。巨大生物は第一~第三形態まで変化したとの判断。
御用学者はアテにならず、矢口は各方面のスペシャリストを集めて対応チームを結成。だがカギとなる生物の皮膚等がアメリカに回収されてしまう。
生物の動きからして通常の代謝エネルギーでは説明がつかない。調査の進展により生物が放射能をまき散らしている事が判明。
生き残っていた古代生物が、放射性廃棄物を食糧として変化したものだとの推定。

 

アメリカから大統領特使としてカヨコ・アン・パターソンが官邸に来た。そしてゴジラ出現を予言していたというマキ・ゴローという人物の情報を提供。彼は5年前から指摘していたが、日本国内で相手にされず、渡米したらしい。
カヨコはその生物の事をゴジラと呼んだ。

残った組織からゴジラの体内に未知の元素があり、またヒトの8倍の遺伝子情報を持っている事が判明。
矢口のチームでゴジラの体内冷却機構の調査から、血液を凝固させる方法の可能性が導き出された。その方面の検討を指示する矢口。

 

ゴジラが相模湾に出現。体長が倍近くになり、形態もまた変わっていた(第四形態?)。鎌倉に再上陸した。
ゴジラは街を破壊しながら川崎方面に進む。防衛幹部の進言により、総理から無制限の武器使用許可が出される。

多摩川を防衛ラインとした「多摩作戦」の実行。フェーズ1.数十機による戦闘ヘリ攻撃。次いでミサイル攻撃するも効果なし。フェーズ2.戦車からの砲撃。これも効果なし。フェーズ3.戦闘機F-2による爆撃。これは多少効果あり、ゴジラの進行方向を変える事が出来た。その後大規模攻撃。だがゴジラには被害を与える事が出来ない。自衛隊の攻撃はこれで終了。
ゴジラは都内に入った。

 

政府は米国に支援を求めたが、米軍は既にハワイからB-2爆撃機を発進させていた。兵器は地中貫通爆弾(バンカーバスター)。この攻撃は有効で、ゴジラからの出血が確認された。その時ゴジラの背中が白く光り、口から光線を吐いた。上に向けた光線で爆撃機が1機撃墜される。

残りの機で爆撃を継続すると、ゴジラは背中からも光線を放射。残りの爆撃機は全て撃墜された。
避難のため、総理ら要人を乗せたヘリも巻き添えになって撃墜される。
ゴジラはエネルギーを放出して休止状態となった。

 

政府の本部は立川に移動。死亡した総理に代わって農水大臣の里見が臨時総理となる。
矢口のチームは半数が死ぬが、ゴジラの血液凝固剤の絞り込みが済んでいた。

国連では多国籍軍の名目でゴジラを核攻撃で排除すると申し入れて来た。ゴジラのエネルギー補充の間隔から見て猶予は2週間。
特定出来た血液凝固剤は700kgあまり必要であり、全国の関係機関に製造を依頼。
都民360万人の避難もそれまでに済ませなくてはならない。

 

マキ・ゴロー教授の残していた紙の解析表。彼が乗っていたプレジャーボートに残されていた折り鶴を思い出したチーム員が、解析表に折り目を入れて立体にする事で解析法を解明。
その結果では、ゴジラの正体は微生物の持つ新元素。その情報は凝固剤の作戦に活かす事が出来た。

 

アメリカの核攻撃まであと2日。だが凝固剤の製造完了まで24時間足りない。攻撃までの時間稼ぎをフランスの関係者に働きかける。

凝固作戦は「ヤシオリ」と名付けられ、カヨコの手配で米軍も協力する事になった。

1.新幹線に爆弾を乗せてぶつける
2.無人爆撃機による攻撃(ゴジラに光線を吐かせ続ける)
3.ビルを爆破しゴジラを転倒させて物理的に拘束
4.コンクリートポンプ車でゴジラの口に凝固剤注入
だが途中でゴジラが起き上がり、ポンプ車をなぎ倒す
5.爆弾を仕込んだ在来線を次々にぶつけ爆破。ゴジラが転倒
6.凝固剤を再び注入
起き上がったゴジラだが、次第に凝固を始め、動かなくなる。体内温度-196℃を確認

尾頭の解析で、ゴジラの放射能は半減期が短く、東京の除染は数年で可能との見込み。

東京は救われた。

ただしゴジラが活動を再開したら、その3526秒後には核攻撃が行われる。