鴨川食堂 BSプレミアム  2016/1/10~2/28放送(毎週日曜) | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

番組紹介
 

設定
京都の東本願寺近くにひっそりと建つ「鴨川食堂」。「思い出の食、捜します」その一行広告を頼りに、看板ものれんもない食堂へやって来るのは、仕事、家族、人生、恋、人間関係など、さまざまな悩みを抱えた人々だ。看板娘の鴨川こいし(忽那汐里)は、そんな客の話に耳を傾けて悩みを真摯に受け止める。そし て父・鴨川流(萩原健一)は、元刑事の勘と洞察力を駆使し、客の本当に望む食は何かを突き止め、一流の京料理人として腕をふるって食事を再現する。

 

感想
前宣伝で、この番組があるのは知っていたが、リアルタイムで観始めたのは第2話から(第1話は録画で)。
各回はそれぞれ完結だが、その背景になる人間関係については、回を進めるに従い、少しづつ判って行くというパターン。
萩原健一(ショーケン)が、イイ。見ようによってはド下手なんだけど、その味が何とも言えず心地よい。
こいし役の忽那汐里も、素のままでやっている様な雰囲気がマッチしている。そこへもって脇を固めるのが芸達者ばかりなのも、これはこれで楽しい。
回によっては多少無理やりな感じもないではないが、「食」に関する依頼者の深い思い出をサルベージして、最後に癒しをもたらすという結末は、観ている側にとっても色々な事を思い出させる。
それにしても驚きなのは岩下志麻。これで75歳。第6話で共演した左時江より6歳も年上なんて、ホントびっくり。

 

 

あらすじ

キャスト
鴨川こいし  - 忽那汐里
鴨川流     - 萩原健一
来栖妙    - 岩下志麻 作法教室の師匠。食堂のオーナー
福村浩    - 吉沢悠 寿司屋の職人。こいしに好意を持つ
鴨川掬子   - 財前直見

 

第1話「母の肉じゃが」
依頼者はIT企業CEOの伊達久彦(半田健人)。

幼い頃病死した母親、君江の作った肉じゃがを作って欲しいという依頼。父親はその後、家の手伝いをしていた女性と結婚。

中学の時、継母の幸子が作った肉じゃがが、自分だけ別に肉の入っていないものとして作られているのを知り、高校卒業後は疎遠になった。ヒントは赤い色と「山」。
試食当日。伊達は食べてみるが、これは継母が作った味だと訝る。だが流は死んだ母親のレシピ通りだと言う。

伊達は小さい頃から偏食で、母親はレシピノートを作っていた。君江はそれを幸子に託して亡くなった。

肉は缶詰の「大和煮」。すぐ硬くなるので、伊達の分だけは後に肉を入れる作り方だった。また赤かったのは、ニンジンが嫌いだった伊達のために、幼い時はすって入れていた。誤解が解け、涙する伊達。

 

第2話「別れた夫のとんかつ」
依頼人は廣瀬須也子(井上晴美)

夫が店で作っていたとんかつを食べさせたい。結婚当時はふぐ料理店。結婚して3年ほど経った時、店の二番手が内輪で頼まれて釣ったふぐを料理して食中毒を出し、そのために廃業。むりやり離婚させられてしまった。

最近病気で入院している事が判ったが、もう料理は出来ない。その男はとんかつ屋をやっていたが、病気のため廃業していた。

依頼時、3ミリ、5ミリの謎。
試食当日。流は店の二番手だった増田に話を聞いていた。

とんかつは須也子が「おいしい」と言ってくれた料理だったから、これで商売しようと決めたという。
須也子は料理の下ごしらえを受け取り帰って行った。

だがその夫は既に亡くなっている事を流は知っていた。

 

第3話「祖父と食べたナポリタン」
若い女性(鉢嶺杏奈)が訪ねて来る。

祖父が最近認知症が進み、昔旅先で一緒に食べたナポリタンを食べさせたいという。ヒントは船、白いクジラといっぱいの灯り。

今回はこいしが調査に出た。灯りは電照菊、白いクジラは知多水族館のスナメリ。そこで会った女の子が持っていた人形から店の名前が判明。
女性は流からもらった材料とレシピで祖父にナポリタンを食べさせた。
電照菊にはこいしと母親菊子との思い出があった。

 

第4話「妻の鍋焼きうどん」
流の刑事時代の同僚、窪山(大地康雄)が訪れる。

妻を亡くして15年。定年後に勤めている警備会社の経理をしているナミちゃん(バツイチ)との再婚を考えている。

彼女とやっていくにあたって、亡き妻の思い出である鍋焼きうどんの味を確かめたいと言う。
同時に、10年前逮捕した横峯が出所する事も伝えた。
窪山が住んでいた上京区寺町へ取材に行く流。

その近所の商店街をたんねんに回って材料を集めて行く。
試食当日。妻の作った味そのままだと言って食べる窪山。

流は妻が言っていたマス、フジ、苦みといったキーワードの種明かしをする。そしてナミとの生活に歩み出そうとする窪山に「食べる時はリラックス」と。また流は、これから一緒に暮らすナミのために、鍋焼きうどんの仕上げに固形コンソメの素を入れていた(窪山がナミの味付けに早く慣れるように)。

 

第5話「おじいちゃんのハンバーグ」
フードライターの竹田佳奈(酒井美紀)が訪れる。

幼稚園に通う息子が一番好きなのがハンバーグというのが面白くない。実家で父親が営む大衆食堂に、海外取材のためやむなく、一時息子を預けた時に食べさせたと目星を付けている。

そのハンバーグと、一流のステーキを味比べさせるのが目的。父との確執。
そこへ、10年前流に逮捕され、出所した横峯が訪れる。

ラーメンを注文し、また出て行った。追う流。河原での会話。
回想シーン。横峯の逮捕前後。彼の妻は悠子。長期の張り込みの末、横峯を逮捕した。
流は佳奈の父親を訪ねる。
試食当日。肉に何かが入っている事に気付く佳奈。それは大豆の「つなぎ」だと流は言う。一晩水に晒し、手間暇をかけて作ったもの。
父親が3年前初めて上京した時、佳奈は忙しくて夫に出迎えを頼んだが、その途中、夫が事故で亡くなった。もともと上京したのが、昔鮎釣りの時に佳奈に手を上げてしまった事を謝るつもりだった。そんな事になってしまい、父親はショックで100年続いた店を閉じた。
その後預かった孫が、ハンバーグをおいしいと言ってくれて救われた。そして店を再開したのだった。

 

第6話「初恋のビーフシチュー」
今回の依頼者は妙の親友の灘屋信子(左時枝)。

55年前に初恋の大学生と食べたビーフシチューをまた食べたいという。文通の末に初めて会ったが、交際が親に知られてそのまま沙汰無しとなり、信子は結婚、今は孫も居る。
その店に心当たりのあった流は、そこの主人が菊子の父の八十吉と親しかった事を思い出し、こいしに頼んで会いに行く。

八十吉は流を許していなかったが、こいしにはその主人の未亡人の住所を教えてくれた。
そこを訪ねる流。未亡人はその大学生を覚えていた。
試食当日。流は未亡人から聞いた話を伝える。大学生は当時留学が決まっており、それで結婚をあせっていきなりプロポーズ。

それに驚いた信子はビーフシチューを食べかけで逃げてしまった。その彼も数年前に他界していた。
常連客で、寿司職人の浩。こいしにプロポーズするが、微妙にはぐらかされてしまう。

 

第7話「父親の海苔弁」
依頼者は大学生で水泳選手として注目されている北野恭介(入江甚儀)。ギャンブルの末に母親と妹は家を出、恭介は父親側に残った。父は毎日同じ海苔弁を持たせてくれた。

その海苔弁を再現して欲しいという。
恭介は、父が修学旅行の積立金にまで手をつけた事に失望し家を出て、それから一度も会っていなかったが、親戚からの連絡があった。

現在入院中で、先は長くないという。その海苔弁を食べてみて、見舞いに行くかどうか決めるという恭介。
取材のため、恭介の郷里に行く流。
試食当日。流は郷里での話を恭介に聞かせる。父親の勤めていた会社近くの食堂で弁当の作り方を伝授された父親。太刀魚を焼いてほぐし、米にはカボスをかけて腐りにくくした本格的なもの。
また来た横峯。父親との事を河原まで追いかけて問い質すこいし。店の売り上げの半分を取り続けると脅す横峯。そこに駆けつけた流。横峯も知らなかった経緯を話す。
流たちが何十日も張り込みを続けていた時、悠子が暖かいお茶を持って来てくれた。それを機会に少しづつ話をする様になった二人。そして一度だけ心を通わせた一瞬があったという(肉体関係ではなく)。その時、悠子も心が乱れて菊子に会いに行った事もあったという。
だが逮捕の時、悠子は完全に横峯の妻に戻っていた。その後流との関わりはない。
横峯は流を許した。
こいしは流に、浩について金沢に行くと告げた。

 

第8話「金曜日のチャーハン」
依頼者は白崎初子(すみれ)。人気モデル。

こいしとは女子高の同級生だった。こいしに逢うのは9年振り。
依頼は、亡くなった母親が作ってくれたチャーハン。

こいしが両親だと思っていた人は叔父夫婦であり、本当の父親は初子が小さい時に会社での不祥事から行方不明になっていた。

それから母親が働いて育ててくれたが、10歳の時に母親が亡くなり、叔父夫婦に育てられた。
忙しい母親が、金曜は特に帰りが遅くなるためチャーハンを作ってくれていた。ピンクっぽい印象。
初子は自動車会社社長の御曹司から求婚されており、受けるかどうか迷っていた。母親のチャーハンを自分で作って彼に食べてもらい、受け入れてくれたら全ての事を話そうと思っていた。
初子の子供時代に過ごした八幡浜へ取材に行く流。
一方、浩の父親の具合が悪く、流に促され、金沢へ同行するこいし。
試食当日。初子は、幼い時に食べたそのままの味に涙を流す。ピンク色は魚肉ソーセージ。八幡浜が発祥の地だった。

またかまぼこを薄くヒモ状にして乾かしたものも名産品としてあった。それが仕上げに振りかけられてピンク色になっていた。