逃亡者 TVシリーズ  1963年 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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映画版「逃亡者」観たら、オリジナルのTV版のストーリーがむしょうに気になってしまった。
日本では1964年5月16日から1967年9月2日までTBS系列で放送された。1シーズン30回で4シーズンまで続いた。


第1回「Fear in a Desert City」
https://www.youtube.com/watch?v=Wx8nRSJvkjU&list=PLC3tHnJr_KJy2OmfHUlWInPaTikeKFO0p&index=6

第119、120回「裁きの日」日本語版
https://www.youtube.com/watch?v=S7jXhlAI960#t=384


キャスト
リチャード・キンブル     :デビッド・ジャンセン(睦五郎)
フィリップ・ジェラード警部  :バリー・モース
片腕の男フレッド・ジョンソン :ビル・ライシェ
キンブルの妹ドナ・タフト   :ジャクリーン・スコット
キンブルの妻ヘレン      :ダイアン・ブリュースター
ジーン・カーライル      :ダイアン・ベイカー

ナレーター:ウィリアム・コンラッド (声:矢島正明)




あらすじ
スタッフォードの小児科医リチャード・キンブルは、妻ヘレンと口論し家を飛び出すが、帰ってみると彼女は殺害されていた。その直前、彼は片腕の男が家から飛び出すのを目撃したが、警察はキンブルを犯人として逮捕する。彼は裁判で有罪となり、第一級殺人で死刑を宣告される。キンブルは、ジェラード警部に護送され、鉄道で州刑務所の死刑執行室に向かうが、列車が脱線事故を起こした際の混乱に紛れ、逃走に成功する。全国に指名手配されるが、苦難の逃走を続け、真犯人と思われる片腕の男を探し求める。そんなキンブルを、ジェラード警部は執拗に追跡する。


最終の2話(119,120話)
別件の傷害事件で片腕の男が逮捕される。そこへ駆けつけるジェラード警部。
アリゾナ州で「デイヴィス」としてトラック運転手をしていたキンブル。新聞記事で、追っていた片腕の男がロスで捕まっている事を知る。

ジェラードは、片腕の男をオトリにしてキンブルを捕まえようとしていた。警察内でその話を聞いた女性がキンブルの妹ドナに電話。ドナはジーンと言って懐かしがった。ジェラードの情報をキンブルに伝えて注意する様ドナに頼む。
職場を辞め、ロスに向かうキンブル。

ロスに着き、警官が配備されている中で情報を得るべく警察に電話するキンブル。だがまともな答えはない。警察の包囲で身動きが取れないところをジーンが車で乗り付けて救い出す。
ジョンソンを取り調べるジェラード。スタッフォードには行っていないというジョンソンに対しガス・エヴァンスという名前を出すジェラード。FBIにその名前でジョンソンの指紋があった。政府の仕事をしていたその工場は就職時に指紋を取っており、ジョンソンはそこの夜警として当時働いていた。ジョンソンはカレンが殺される2Week前、勤務中に酒を飲んでクビになっていた。その工場はインディアナポリスにあり、スタッフォードからは1Hの距離だった。


ジーンの部屋。彼女の父親とキンブルは、形式的ながらも交友があった。父親は金の使い込みで刑務所に入り、その後獄死していた。村の者たちの扱いは冷たく、その中でもキンブル家だけが味方をしていた。
ジーンは速記が出来たので、町を出て自活し、数年間旅をして過ごした。「旅はつらくなかったですか」と問うキンブルに「旅の嫌いな人なんて・・・・」と言いかけて謝るジーン。
TVニュースでジェラードが会見。キンブルが自首すれば事件の真相について詳細に調べると言うのを、途中で切るキンブル。
自首は危険だと言うジーンに、それしか方法がないと考えるキンブル。その晩も眠れないキンブルを見て心を痛めるジーン。


ジョンソンが本当に拘留されているか疑うキンブルに対し、手を回してそれが本当である事を警察署から電話で知らせるジーン。キンブルは、自分が自由意志で出頭するから逮捕しない様ジェラードに伝えて欲しいとジーンに頼む。出頭のためジーンの家を出るキンブル。
ジョンソンが保釈屋に保釈されて出るところをジーンが見かける。その後を追う警察。丁度そこへキンブルが来たため、ジーンは一緒に車を追う。


動物園で相談するジョンソンと保釈屋。依頼人を脅して5万ドルを稼ぐ話を持ちかける。その後ジョンソンを置いて遊園地を去る依頼人。警察はジョンソンを張っていたため、キンブルとジーンは依頼人を追う。
夜になり保釈屋の事務所で話をするジョンソン。保釈屋は、依頼人がスタッフォードに居ると言い、脅しに行こうと言うが、ジョンソンは相手の名前を言わなければダメだと言う。
そこへジーンが、張り込んでいる知り合いの警官をかわして事務所に入り、裏口からキンブルを招き入れる。事務所で保釈屋の死体を見つける二人。
落ちていた書類の中から速記のメモを見つけたジーン。ジョンソン、3000ドル、スタッフォードと来て、依頼人の名前がレナード・タフト。キンブルの義弟だった。


キンブルたちが去った後、警察とジェラードが駆けつける。張り込みの警官が、その場にジーンが来た事を伝えたため、彼女に会いに行くジェラード。キンブルを寝室に隠して応対するジーン。ジェラードを帰し、脱出の手筈を決めてジーンが先に出たが、ジェラードはジーンの車を調べ、キンブルの記事があった事から、ジーンを見送った後、張り込みを続けていた。出て来たキンブルは逮捕される。

列車でスタッフォードに向かうキンブルとジェラード。ジェラードに猶予をくれと頼むキンブル。3000ドルの保釈金を出したのはレン(レナード)ではない事をジェラードも承知していた。
レンは名前を使われただけだが、本当の依頼人もスタッフォードに居る筈であり、かつキンブルを知っている者の筈。このままスタッフォードの駅に着いたのでは、騒ぎが大きくなる。

キンブルの妹ドナの家。ドナを訪れて来た男にキンブルに関するイタズラ電話の事を話す。事件の真相を知っている、あの時レンが現場に居たという内容。その相手が今夜7:30にミッチェルの厩へ来るという内容を聞き出す男。


スタッフォード手前の駅で降りて、車で向かう二人。手錠は外されていた。レンに会い、事情を話すジェラード。もちろんレンは知らない。腹いせかとジェラードに怒るレン。
スタッフォードに居る男がレンの名を騙ってジョンソンを保釈させたと話すキンブル。ドナから聞いた話をするレン。事件を見た第三者の存在を示すもの。レンはその場所まで覚えておらず、働いているドナが戻って来るまでは判らない。

厩で待つ男(ドナと話をしていた)。
待ち伏せていたジョンソンは男を殴って倒す。銃を奪い、顔を思い出したと言った。5万出せと男を脅迫するジョンソン。遊園地跡で明日の昼に金を渡す約束をさせられる男。銃から弾を抜いて男に返すジョンソン。


ドナから場所を聞いて厩に向かったジェラードとキンブル。
現場で銃弾を見つけるキンブル。ジェラードは38口径の競技用銃弾だと言った。

男の家。妻を「お姫様」と呼ぶ男。妻からはロイドと呼ばれていた。戦争で勲章をもらって来たが、その後村人からは冷たくされているとこぼす。

レンの家。通話記録から、レンを騙っていた人物を探すがおもわしくない。ドナがジーンを呼び寄せていた。


家を売りに出すロイド。ロイドが何か隠していると確信し、話す様諭す妻のベッツィ。5年前、ロイド夫妻はキンブル夫妻と養子の件で話をしていた。その後ヘレンから電話を受けて会いに行った。ヘレンは取り乱していた。ケンカをしてキンブルが飛び出して行き、捨てられる不安から泣き出していた。子供が欲しいキンブルに対し、養子をもらって育てる自信がなかった。
ロイド家では養子を取って幸せに暮らしていた。
そこに物音がして階下に行くと男がおり、ヘレンが襲われた。「助けて」という叫びにロイドは動けなかった。事が終わってからロイドは犯人に顔を見られた。
ロイドはキンブルが帰る前にそこを逃げ出した。ヘレンを見殺しにした事がバレるのが恐ろしくて黙っていた。
本当の事を証言する様に言うベッツィ。


ロイの家。キンブルを連れて行こうとするジェラード。ドナを泊めるために子供の部屋を片付けている時、銃弾を見つけるドナ。ジェラードが引き上げる寸前、その銃弾を見る。厩で拾ったものと同じだった。出所を聞くと、子供たちに射撃を教えているロイド・キャンドラーの所から持って来たものだと言う。ロイドにあの電話の話をした事を思い出すドナ。

ロイドの家を訪れるジェラードとキンブル。妻のベッツィは、ロイドがジョンソンを殺しにライフルを持って出かけたと話す。

通園地跡でのロイドとジョンソンの攻防。
到着したジェラードはジョンソンの銃弾を右足に受ける。キンブルに銃を渡して「奴を追え」と言うジェラード。

追うキンブル。追い詰められたジョンソンは鉄塔に登った。続いて上るキンブル。最上部での争い。ジョンソンから、ヘレンを殺した時の真相を聞かされ、ひるんだところに銃を奪われたキンブル。
絶体絶命のところで、ジェラードの放つライフルの銃弾が当り、ジョンソンは転落死した。


エピローグ
ロイドの証言により無罪を勝ち取ったキンブル。隣にはジーンが寄り添う。
裁判所を出たところでジェラードから握手を求められ、一瞬躊躇した後、それを受けるキンブル。


感想
少年時代の4年弱、多分毎週観ていたと思う。ほぼ毎回、やめておけばいいのに、独特のヒューマニズムで窮地に陥る。そして辛くも脱出、というパターンが延々と続く。
しかし見返してみると、第1回目でいきなり護送シーンから始まり、事故でその現場から逃げ出す部分はほんの数分。すぐ半年近く経過して、それから先は延々と逃亡生活のドラマ。
解決編として最終の2話が作られたが、どうも幕引きのため、むりやり作った感は否めない。
ただ、この2話を観ていると、けっこう当時のアメリカの空気が感じられて面白かった。
町(というより村)の中での確執、戦功での勲章、子供のいない家庭の悩み、妻の精神不安定などなど。当時アメリカが持っていた課題についてチラリ、チラリと見え隠れする。
キンブルについても、潔白ではあったものの、子供の居ない家庭で子供を欲しがり、養子を取ろうと妻を悩ませていたのだから、いずれ深刻な事態になっていたかも知れない。
それが無罪判決を受けてジーンと仲良く裁判所を出て来るシーンでちょっと「ナンだかなー」という印象を持ったのは確か。
このYouTubeを観たのが良かったのか悪かったのか、微妙・・・・・