恋におちて 1984年 (8/28TV放送) | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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日々接した情報の保管場所として・・・・基本ネタバレです(陳謝)

監督 ウール・グロスバード

 

キャスト
フランク・ラフティス    ロバート・デ・ニーロ: 建築技師。
モリー・ギルモア     メリル・ストリープ: グラフィック・アーティスト。
エド・ラスキー       ハーヴェイ・カイテル
アン・ラフティス      ジェーン・カツマレク: フランクの妻。
ジョン・トレイナー     ジョージ・マーティン: モリーの父。重病。
ブライアン・ギルモア  デヴィッド・クレノン: モリーの夫。成功した医師。
イザベル          ダイアン・ウィースト
ヴィクター・ローリンズ ヴィクター・アルゴ
マイク・ラフティス     ウィリー・アール: フランクの息子。
ジョー・ラフティス     ジェシー・ブラッドフォード: フランクの息子。



 

書店で互いのパートナーのための本を購入していたモリーとフランク。この二人は通勤電車で一緒だったが、それには気付いていない。フランクが持っていた大量のクリスマス・プレゼントのせいで、互いの本を取り違えてしまう。

 

後日、通勤電車でフランクは偶然モリーを見つけ、間違えた本の事で互いに笑い会う。その事をきっかけにして二人は同じ電車に乗る事にして、時々デートをする様になった。互いに好意を持っているが、行動に起こすところまでには至らない。双方家庭を持っており、特に不満があるわけではない。
フランクの家はガーデニングを趣味とする快活な妻アンと男児二人。モリーの家は子供がなく、夫のブライアンは地位のある医者だった。
フランクは会社からヒューストンへ1年間の赴任を要望されていたが、それを断り続けている。モリーの方は父親が心臓病で入院しており、その看病のために電車を利用していた。

 

逢ううちに、互いの気持ちがおさえられなくなり、フランクは友人からカギを預かっていたアパートにモリーを誘い入れた。キスを交わす二人。

だが最後のところでモリーは思い留まった。

 

モリーの父親が亡くなって、彼女との連絡が取れなくなった頃、赴任の話をアンにするフランク。最近態度がおかしい事に気が付いていたアンはフランクに問い質す。モリーの事を白状するフランク。だが肉体関係はないと言う言い訳に対し「寝た方がまだ良かった」と言って子供を連れて去って行くアン。

 

フランクがヒューストンに発つ日が来た。その晩は土砂降り。家を出る前にモリーに電話を掛けるフランク。最後に一目でいいから逢いたいと言う。行こうとするが、それに気が付いた夫のブライアンは行かせない。
それを振り切ってフランクの元へ車で向かうモリー。だが途中で車がエンスト。フランクは一人で町を去った。

 

それから1年後のクリスマス。多少の感慨を込めて、例の書店に向かう二人。そこでまた再会。お互いの状況を話すこともなく、元気でやっている事だけを喜び合い、書店の前で別れる。
だがしばらくしてフランクは思いなおし、かつて通勤で利用していた駅に走り、その電車に飛び乗った。
モリーはその電車に乗っていた。近づいて来るフランクの姿を見つける。フランクが人を掻き分けて、ようやくモリーの元に辿り着いた。


感想
いわゆる不倫もの。それぞれの家庭に不満があるわけではないが、ふと知り合った異性に好意を持ち、それが次第に膨らんで行く。
肉体関係さえなければ不倫ではない、という観念に対して「寝た方がまだまし」と言ったアンの言葉と一発のビンタの鋭さ。

肉体関係を持つ事をためらったモリーの方が、フランクに走ってしまったのが驚き。
土砂降りの中を走る車、降りる遮断機、近づく列車。寸前のところで車を止め、ようやく我に返るモリー。だが車のエンジンはそれきりかからなくなってしまった。この場面は印象的だった。

 

後日談があるのが、いいのか悪いのか微妙なところだが(「ひまわり」もそう)、ただの不倫話ではなかったという、観る側の安心感のためには良かったのかな。