半落ち  2003年 (8/10TV放送) | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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原作  横山秀夫
監督  佐々部清

キャスト
梶聡一郎(元県警警部) - 寺尾聰
梶啓子(聡一郎の妻) - 原田美枝子
志木和正(県警捜査一課強行犯係指導官(警視)) - 柴田恭兵
中尾洋子(新聞記者) - 鶴田真由
片桐時彦(洋子の上司) - 田辺誠一
佐瀬銛男(検事) - 伊原剛志
植村学(弁護士) - 國村隼
島村康子(啓子の姉) - 樹木希林
小国鼎(検事正) - 西田敏行
藤林圭吾(裁判官特例判事補) - 吉岡秀隆
藤林澄子(藤林の妻) - 奥貫薫
藤林圭一(元裁判官で藤林の父) - 井川比佐志
辻内(裁判長) - 本田博太郎
植村亜紀子(学の妻) - 高島礼子
高木ひさ江(啓子の主治医) - 奈良岡朋子
笹岡(警務部長) - 斉藤洋介
鈴木孝夫(検察事務官) - 田山涼成
岩村肇(県警刑事部長) - 石橋蓮司
加賀美康博(県警本部長) - 嶋田久作
古賀誠司(刑務官) - 笹野高史

 

予告編
http://www.youtube.com/watch?v=kMkiYeL_-CY

 

感想
「半落ち」については読書の方で書評を書いていた(ココ )がこの時は感想主体だったので、今回はあらすじを書いてみた。
アルツハイマーを発症した妻に懇願されて殺してしまった夫。

現在この病気の方を介護している人たちから見たらやり切れない思いだろう。
この病気になって死にたいと思えるうちはまだ中程度。そこを通り過ぎて自分がなくなってしまった人はそれこそゴマンと居る。

 

そういう意味から行くと、このドラマを肯定してはいけないと思う気持ちが強い。

あと公判中に弁護士が「あんた死ぬつもりだろう」というのが何とも説明不足。ドナー登録が出来るのは、この当時では50歳まで。梶はドナー要請の可能性があるうちは生きていて、それを過ぎたら死ぬ覚悟を持っていた。

その辺りの説明がカットされている。

 

実刑判決はそれを止める意味もあったのだろう。もう一息突っ込んだら良かったのに。

*現在ではドナー登録は54歳までやれます(ただし条件あり:詳細はこちら

 

あらすじ
警察に出頭して来た男、梶。妻を殺して来たという。梶は現職警察官であり、その取調べの命を志木が受けた。梶の妻はアルツハイマー病だった。梶が出頭して来るまでに2日間の空白があり、追求するも頑として話さない。

 

警察内部では事を収拾するため、梶が死に場所を求めて町中をさまよったとした調書を取った。志木の誘導に途中で気が付き、積極的にその証言を補強する梶。そんな調書は取れないと書類を破く志木。志木はその事件から外された。梶が歌舞伎町に行っていた事が判り、話がさらに複雑に。
調べが進むうちに、梶の息子が白血病でドナーを待ちながらも死亡した事、梶とその妻がドナー登録していた事が判明。

 

身動きが取れない志木は新聞記者の中尾に、梶の息子の情報を流す。それを辿って、中尾は梶夫妻が新聞の「声」欄の投稿から、彼らがドナーになった青年の存在を知った事をつかむ。

妻を殺した後、かもいに縄をかけて死のうとした時、妻の日記を見つけた梶。そこには例の投稿記事があり、妻がその青年に逢いたがっていた事を知る。
客を装って、ラーメン屋で働くその青年を見た上で梶は出頭したのだった。

 

アルツハイマーだからと言って妻殺しが許されるのか。第1回公判で怒りにも似た質問をぶつける裁判官の藤林。彼の家には元裁判官で、現在アルツハイマー病を患う父がいた。梶は判決文を書く主任判事の立場だった。
裁判所に、志木に連れられて来た青年。

 

第2回公判で、不明の2日間は投稿のあった青年に会いに言ったのではないかと弁護側、検察側共に追求するが、全面否定する梶。
嘱託殺人であり、一般の感覚では執行猶予が付くと思われたが、梶には4年の実刑が下った。

 

刑務所に送致される道中で、刑務官の古賀が車を止める。志木が例の青年を連れて来ていた。声は届かないが、青年の言う「生きてください」という言葉を反すうする梶。