NHKスペシャル「人体ミクロの大冒険②」4/5放送 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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2回目「あなたを変身させる!細胞が出す魔法の薬」

 

感想
TV欄で「性別が変わる」とか何とか、てな副題がついていたので「なーんだ、あんまり気乗りせんなー」と思いながらも見始めたら、けっこう面白いホルモンの話で、興味深く楽しめた。
惚れっぽい女性は、別にだらしないんじゃなくて、細胞のなせる業でそうなってしまうというのなら、女性にとっては要注意。男にとっても「アバタもエクボ」という事もあるし、これも子孫を残すための「細胞」の戦略なのかねー・・・

 

ただ、最近の草食系男子では接触するチャンスさえない。

人類的にもこれはヤバい。

 

 

容内

ナビゲーターはiPS細胞の山中教授と演出家の野田秀樹。
今回のゲストは作家の角田光代とオセロの松嶋。

 

ドミニカ共和国のサリーナス村に住む23歳の青年。生まれた時は女性だったが、その後性器が発達して男性化。男性から女性への変化もある。この地域では数百例。

思春期は大人へ変身する時期であり、それにはホルモンが大きく関与。

脳内-脳下垂体のすぐ上の視床下部にある内分泌細胞からホルモンが生成され、体中にばら撒かれる。

 

ホルモンは一斉メールの様なものであり、各細胞は目的に応じてそれを解読し、取り込む。
性別は遺伝子で決まる(X染色体は男、Y染色体は女)。

サリーナス村での出来事は、誕生時に性器が未発達の状態で生まれ、思春期で形成されたためのもの(親近交配の要因あり)。

思春期は人間にしかない。その要因は脳にある。人間は大人になるのに20年近くを要するため、ある程度脳が形成されるのを待って出産に備える(子孫を作るため)。人間ならではの長い人生(生物としては特殊)。更に言えば、出産の後も延々と行き続ける現代の姿は、人類という種にとっても未経験。

 

出産に大きく関与するホルモンがオキシトシン細胞。子宮を収縮させる事により陣痛を起こさせる。だが出産した母親のオキシトシン量を計測すると、出産後もその分泌量が増加を続けている。ネズミの脳のオキシトシンを可視化。オキシトシンが血管の方だけでなく脳の方向にも向いている。
平原ハタネズミの実験。平原ハタネズミは一生を1つのつがいで添い遂げる。その愛着行動にオキシトシンが関与。

つがいの関係にないネズミにオキシトシン投与で愛着行動が生まれる。その時の脳内反応。1)扁桃体:警戒心を解く。2)側座核:快感に関与。
女性は出産で感覚が変わる(子供に深い愛情を抱く)。
男でもオキシトシンは出る。愛情も細胞が支配。オキシトシンの形は人間で発達。
夫婦愛、隣人愛、友情等にも関係。

 

細胞の活動を意思の力でコントロール。
ポール・ザック教授の実験。スカイダイビングの直後に採血。他人(インストラクター)に命を預けた時のオキシトシン値230%。
婚約中のカップルにキスをさせてから10分後に採血。男性は+26%、女性は+213%。
初対面同士でもダンス、映画等一緒に何かする事で平均11%、Max40%のオキシトシン値アップ。
自分自身の努力で細胞に関与出来る。
相手と触れ合う、見つめあう。手を当てて診療するのも意味がある行為。

 

石川県に住む自閉症の青年。コミュニケーション障害で、相手の好意が理解出来ない。自閉症の人ではオキシトシン濃度が低いという観察結果あり。
オキシトシンの投与で人の行動が変わるのではないかとの仮説により、点鼻薬(スプレー)として投与。3~4日で、言いたいと思う事が言える様になった(母親の話)。本人もアルバイトを探し始める等、積極行動を起こし始めた。

普通ホルモンは年齢と共に分泌量が減少するが、オキシトシンは高齢になっても出すことが出来る。