新聞小説「七夜物語」(1) 作:川上弘美 | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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「七夜物語」(1) 川上弘美 挿絵:酒井駒子

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朝日新聞で2009年9月10日から連載されている。
http://book.asahi.com/clip/TKY200909050065.html

 

欅野小学校に通う「さよ」が図書館にある「七夜物語」という本を介してさまざまな夜の世界を体験して行く話。

 

「麗しき果実」の後でもあり、今度も読破して行こうと思っていたのだが、ふたつ目の夜だったかで、グリグレルとのやりとりが延々と続くにつれて、ちょっとゲンナリ。

しばらく放置しているうちに同級生の仄田君が登場。


それからは概ね7割方は読むというペースだったが、切り抜きを残すところまでは行っていない。かれこれ1年半も連載が続いており、こんなに長く続く新聞小説は、私としては記憶がない。
ただ「坂の上の雲」なんて1300回近くまで連載が続いたらしいから、まだカワイイもんか。
 

感想

途中がかなりスッ飛ばされている感じだが、母親との関係、また父親とのやりとり等、少しづつ心に残っている。仄田君についても、最初はなんてイヤなガキ、と思っていたのが実はおばあちゃん子で、親との関係に何か問題があり、またグリグレルにさんざんしごかれるうちに次第にたくましくなって行く経緯に好感が持てた。

ただ、基本的に子供がテーマってのは正直イマイチ、かな?

(まあいいか)

 

あと少し、こっちも頑張ってつきあおう。
酒井駒子さんの挿絵が、やさしい。

 

あらすじ

今は第7章の「最後の夜」本日で504回目。

超アバウトなあらすじ
欅野小学校に通う「さよ」は母との2人暮らし。

父親は離婚して別に暮らしている。


ある日図書館で「七夜物語」という題の本を見つけて読むが、何度読んでもその内容が覚えられない。
あるきっかけがあり、夢の中で夜の世界を体験する。

そこにはグリグレルという体の大きなエプロン姿のネズミがおり、キッチン周りの厳しいしつけを仕込まれる。


その後さよは「七夜物語」の本を借りた仄田君と知り合い、夜の世界を共有して彼もグリグレルに仕込まれる。

2人はグリグレルから「この夜の世界で大変なことが起きている。世界のねじれを元に戻さなくてはならない」と言われる。


次の夜で2人はウバたちと出逢う。彼らは学校にある机、鉛筆等のモノたちに生命を与えていた。

最初モノたちは2人を見ておかしく思っていたが、次第に自分たちの事について疑問を持ち始める。
モノたちの世界が実は昼の自分たちの世界と繋がっており、ウバたちは昼の世界からそれらを夜の世界に引き込もうとしていた。
さよと仄田君は数々の危険な状況を切り抜け、グリグレルの言う危機を回避出来たかに見えた。

 

そして最後の夜。
とても美しい子供たちがいる。

その子らは行儀が悪く、2人に対しても優しくなかった。
だがその子らが去った後に出て来たみすぼらしい子たち。

実は、彼らは同じ子たちの違う姿だった。