「時間と空間のかなた」A・E・ヴァン・ヴォークト | 私の備忘録(映画・TV・小説等のレビュー)

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jikan


この人の作品は、前にも紹介している「スラン」がめっぽう面白くて、これも古本屋をかなり歩き廻って手に入れたもの。
日本でも20~30年前にSF小説ブームだった頃、そこそこ人気だった様だ。
7編の短編集だが、本の題となっている作品名はない。


・ 偉大なエンジン
・ 偉大な裁判官
・ 永遠の秘密
・ 平和樹
・ 第二の解決法
・ フィルム・ライブラリー
・ 避難所


難解というほどではないが説明不足の部分もあり、付いて行けないムードもある。だがそこが逆に魅力となって数回の再読に耐える。
特に好きなのは「偉大なエンジン」。
隻腕のエンジニアが奇妙なエンジンを発見するところから始まり、それを巡って少しづつ話の輪郭が見えて来る。SFと言いながら、けっこう上質な夫婦物語になっているのが、イイ。この、少しづつ話が見えて来るというのも、かなりの手腕が必要なのだろう。
これらを通して読むと題名の「時間と空間のかなた」という言葉が何となく腑に落ちる。


しかし、AMAZONで見たらエントリーが6冊。最安値が\1000だが残りは\7200!
1970年初版で大体6版とか7版。ワタシの本は1980年発行の12版。少々ヤケどころか「真っ黒」。とてもそんな値段で売れるシロモノじゃないけど、希少価値があるのだろうか?