読みたいものがめっきり見つからないので、三毛猫ホームズの未読を読むことに。
「三毛猫ホームズの正誤表」
赤川次郎
1995年 28作目。
私はこのシリーズのちょうど真ん中あたりをまだ読んでいないのですが、10数作目くらいまではまだ三毛猫ホームズらしさがあり、片山刑事が主人公なのですが、
後半の方は第三者の物語になってしまい、片山はわき役になってしまっているのです。
一体どこを境に変わったのか?
私はシリーズの後半もすでに読んだのでそこから、遡っています。
この28作目。
既に第三者ものに代わっています。
物語は片山の妹の友人が役者で、彼女が精神クリニックに通っているというもの。そしてそのクリニックに通う人々の模様が描かれる。
しかしまだ少しユーモアが残っている。片山のエピソードもちりばめられている。しかし片山が主人公ではない。
このシリーズが変化する境目という感じです。
そして第三者の集団劇という感じなので、まとまりのなさを感じます。
誰かキーパーソンがいて、一人の目線で描かれるならもっとまとまったろうと思いますが、赤川次郎は大ベストセラー作家であり、書下ろしを依頼されているので、好き放題に書ける身分なわけです。
編集者の思惑で書かされるものが決していいわけではありませんが、作者の暴走というのもハリーポッターシリーズの4巻辺りからの冗漫と同じで、作者の慢心が否めなくなるというわけなのです。
「三毛猫ホームズの世紀末」
赤川次郎
シリーズ27作。1995年。
ある有名詩人。冒頭で彼の殺人が描かれる。しかし彼はテレビに出るほどの有名人で、片山刑事の後輩石津の妹ものぼせ上がる。
その背景で様々な事件が起こる、というもの。
読んでみると初期の三毛猫ホームズの雰囲気があります。つまり、片山刑事が主になっている。
私が読んでいないのは15作からこの27作までの間。ただし、たそがれホテルと心中海岸は読んでいて、初期の雰囲気を残しているので、あるいはこの27作以降つまり28作からこのシリーズは変わった=面白くなくなったと推理することができます。
まだ断言はできませんが、お勧めするならこのシリーズ1から27までということになりそうです。
以降、差があるものの、ものによってはかなりつまらなくなります。
本作は
物語としては、やはりごちゃごちゃしている感じがします。ただラストの犯人像はうまくしてありますが。でも、あまり快くなく、面白くないという感じです.
殺人事件ものは、娯楽として、被害者をピースとして見られなければなりません。つまり感情的に重くしてしまってはいけないのです、が、赤川作品はたまにこのようになります。ので、娯楽として評価できないのです。
もう少し、娯楽に徹するか、殺人事件を軽く描かないと本来のシリーズにはならないのかなと。
ココナラ
姓名判断
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