2020年後半に読んだ本8 | 預言者のコラム2

預言者のコラム2

俗言ではなく、預言者の視点から哲学、
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「隅の老人」
バロネス・オルッツイ。再読。

喫茶店の片隅に座る謎の老人、記者の女性に話題になっている事件の話をして、その事件を解いてみせるというもの。
安楽椅子探偵として有名。書かれたのは1900年頃、つまり100年位前の小説です。しかし探偵小説ファンには有名。
高木彬光などはパロディとして「隅野老人」として自作の探偵にしています。

どうやら解説を読むと隅の老人は原書で3つ本が出ているようなのですが、よく分かりません。日本では早川と創元でそれぞれ出ています。

人によっては彼は外に出て裁判などを検討するのだから安楽椅子探偵ではないと言いますが、私はそれは推理の材料集めであるので、安楽椅子探偵の範疇に入れても良いと思います。
小説としては、確かに面白い部分もありますが、それほど高評価するほどでもないような気もします。
興味深い本ではありますが。

追記:ラストですが、当時読んだ印象と今回では違いました。今回はもっと自由な視点から解釈することにしました。(オチはここでは明かさないことにします)


「まぼろし砂絵」
都筑道夫。

今作は、前作より少し落ちる感じがしました。
密室殺人をテーマにしたものもありましたが、絵解きをしてみると、そんなことをする必要はないだろうと感じさせたり、少々無理を感じるトリックもありました。
ただ、今回はスーパーナチュラルなものもありましたが、本来の推理小説から離れるから、と以降控えるようにしたようです。私はむしろ、そちらの方が面白いと感じましたが。



「ブラウン神父の醜聞」
GKチェスタートン

この作品集は、作品によっては読みにくいものもあります。気が付いたのはやはり、翻訳のまずさではないかと思うわけです。というのも、やたらと平仮名が使われ、文の区切りが分からないのです。もっと漢字を多用すれば、ひっかからずに読めると思います。
作品、本体としても波があり、読みにくいものは遠回しな文章で読みにくさを感じます。

それを置いておくとして作品自体としては、やはり推理ものとしては弱い感じがします。もっぱら、ブラウン神父のキャラクターを味わうものなのかも知れません。
彼のキャラクター、言葉は味わいがあります。