「瑠奈子のキッチン」
これも松尾由美の作品。そしてあまり出来のよくない方。
テーマとしては興味深いが。普通の主婦瑠奈子がキッチンディスポーザーの販売促進の講座を受けることから、その組織の役割を知るというもの。
ディスポーザーとはアメリカでよくある、流しの所で生ごみを粉砕するシステムのこと。
そして我々の地下には不浄化のものが下水にあり、そして人間の意識の底にも不浄化のものがあり、社会にも不浄化のものがあると、いうもの。
しかし、小説としては、やはり中途半端な感があります。
「オランダ水牛の謎」
松尾由美。椅子が探偵。小学生の男の子が日常の謎を持ち込むと、アンティークの椅子が推理するというもの。
つまり、推理小説なのです。
しかし最近よく見かけるようになりましたが、殺人事件などが起きずに、日常に起きる謎を解くというものになっていて、読みやすいものにはなっています。
他にもシリーズものがあります。「安楽椅子探偵アーチー」。
「バーティミアス」
再読。このシリーズは3作あり、最初の一冊だけ再読。シリーズとはいえ、一作ごとに登場人物の比重が違うので、一貫しているとは言い難いところがあるわけです。
それに、物語としてかわいさがない。ユーモアもないという感じです。面白いかと言えば、読みやすいし、面白いと言えるのですが、主人公に感情移入できないので、あまり好きにはなれない作品ではあります。