今から３０００年前、イスラエルは初めて王国となりました。それ以前は、「裁き司」＝騎士であり裁判官であり、霊能者といった感じの人が治めていたのですが、時代の流れで王制を取ることになったのです。
しかし、歴代の王たちは殺し合いをし、敵国とも争い、ついにイスラエル王国の終末につながるわけです。
その頃の描写が、イザヤ、エレミヤ、エゼキエル書に描かれています。
それぞれの概略を紹介したいと思います。
「イザヤ書」
イザヤは、列王記に出て来る数ある預言者の中の一人です。彼は王に仕える立場の人で、霊視をしたり霊力を使ったりします。
その中で特異なエピソードは、預言者イザヤが病にあって死にかかっている王を助けるシーンです。
聖書ではそれは
イザヤが病気の王を治すために、時計の針を逆回転させた、と描かれているのです。つまり、彼はタイムトリップをして時間を逆行させ、王を癒したというわけです。
この部分の解釈を私流にしてみますと、
病気を仮に、ある人が治して死から救ったとします。
治った人間は喜ぶでしょうが、それは完全に問題が取り除かれたわけではなく、将来か、来世に背負い直さねばならないものとして残る。
なぜなら病というのはその人間が過去に行なったことの天罰だから。
だからただ単に体を治しただけでは、根本の原因が取り除かれていないことになる。
イザヤは王の病気を治し、死から救ったが、その王は将来か、来世に同じ目に遭わねばならない、～これが「時間を逆行させた」という描写の意味。
となります。
つまり、魔法のような力で病気や問題を取り除くことは一時しのぎにすぎないことで、イザヤがやったのはそのような奇蹟だった、というわけです。
ところで、イエスを思い出してください。
イエスも多くの病人を癒しましたが、彼はこう言っています。
「あなたの罪は赦された」。
すなわち、彼は病気や問題の根本は取り除かれたゆえ、あなたの病気は治る、と言っているのです。
これは将来や来世にぶり返すことのないものです。
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