このまま、絶飲絶食で衰弱を待つか
破裂の危険がある臓器をリスクの高い手術ではあるが、術中死も覚悟して取り除くか。
そんな選択を提案され
私としては「どちらの痛みが本人にとって苦しいのですか?」と聞いた。
(腹腔内で臓器が破裂した時、穴が空いた時の傷みは壮絶です)と先生
もしも、術後に目が覚めなくて、それが最期でも「この手術が終われば口から何か食べられる様になる」と思って麻酔にかかり眠れるのだから
本人が苦しまず、数日かもしれなくても可能性がある方にかけたい。
そう伝えた。「後は、本人の意思」
なんてことなかった。
「このまま寝ていて死ぬのを待っても仕方がないから、ダメでもやるよ。その方がいい。」弱った笑顔でそう言い切った。
間違いない。私はこの人の血を継いでると感じた(笑)
先生の技術と本人の性格までを掴んでくれた心遣いに手術は無事に終了。
壊れている心臓にかかる麻酔の負担から覚醒出来るまでが勝負。
予定では術後2時間で覚醒。。のはず。
目が開く気配なし。
2時間を過ぎた頃から、たくさん付いていた機械からアラ〜ムが頻繁になりだした。
呼吸が何度も止まり、数十秒後に戻るの繰り返し。
思わず声を掛け触る。
「もしも〜し!気持ち良いでしょうけど、そろそろ起きていいんですよ〜‼︎」
手術前、予定時間より早く先生から呼ばれたとかで、手術が早まる事の連絡ももらえず、意識のある父と話も出来ずだったので、このままとかは許せなかった。
「そろそろ起きてくれないと、私が眠くなるよ〜!わかりますか〜!」と手を握り、さする。
すると、指は動かないが、応えるように手の腹の筋肉が動き始めた。
「帰ってきた!聞こえてる!」それがわかった。
こんな時にも優しい言葉が出てこない娘(笑)
だっていつも通りでなければ、戻る場所がわからない気がして。。
後から聞いたら
「かすかにからだんだんとだけど、お前の声が全部、聞こえてた。手を握る感じや、さすってくれる温度に安心できた。」と。。
意識が無くて体が動かなくても、感じたり聞こえたりしてることが尊いなと感じる。
まずは、ひとつ、山を越えただけ。
まだまだ、安心が続くわけではないけれど
みんなで一生懸命考えて、本人が自分で決めた道。だから、だれも後悔しないし攻め合いも起きない。
大切なことほど、最期に自分の生き方、歩む道を決めるのは自分自身である事の大切さをまた学びました(^^)
ありがとう❣️父さん。私も突き進むよ(^^)