『ハチドリ舎のつくりかた
〜ソーシャルブックカフェのある街へ〜』
安彦恵里香著
まず、ソーシャルブックカフェという言葉が無視できません。
なかなか攻めたネーミング。
気になる気になると読み進めていくうちに、
超濃厚ドップリガッツリディープなソーシャルな活動
ということがわかってきました。
でもそれは、白か黒か、というようなことよりも、
どのような主義でも主張し合える場になっている
ようにも思いました。
「なにが正しいかなんてだれにもわからないよ。」
という前提。
だからこそ、問い続けること。
それができる場。
キリフリ流でいえば、
「ソーシャルおとなかいぎ」。
それを可能にしているのは、
著者の引き寄せ威力、巻き込み力が大きいから。
ただし、
人だけでなく、カフェという場があることで、
その引き寄せ&巻き込みを加速させている。
Hubとしての機能にもなっているのが魅力的です。
以下、本文より
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・これは裏を返せば、
わたしは「誰かの役に立っていない自分には価値がない」という
歪んだ認知に支配されていたということでもある。
もちろんそんなことはない。自分が自分を愛せさえすれば、
ありのままの自分を認めてあげられれば、
こんな切迫した想いで誰かの評価など求めなくていいのだ。
・社会に対する外向きの矢印と自分自身に対する内向きな矢印、
社会課題の解決にはその両方が必要だし、
人の内面が変われば社会も一緒に変わる。
・手づくりによる店づくりは予算削減という利点もあるが、
それ以上にディテールの一つひとつに
愛着と物語が生まれるよろこびがある。
みんなで塗った店の壁、一つひとつ異なるコーヒーカップの理由・・・
結果的にだけど、店に来てくれたお客さんに
語れるストーリーがあるというのは、
とてもゆいたかなことなんじゃないかと思う。
・なのでわたしは、人を巻き込むには
まずは自分が思想をもつことが大事だと思う。
自分を磨き、とがらせていくことが、
結果的にまわりに自分を認知してもらい、
自分に合う人をよびよせてくれるのだと思っている。