『僕は、そして僕たちはどう生きるか』
梨木香歩著
「社会」という目に見えない存在と
意識して向き合った上で、
自分の生き方を選択するということは、
今、とても難しくなっている。
周りと一緒でいることへの違和感を感じたら、
よく考えること。
そして、いろいろな考えに触れること。
そうすると、”自分の生き方”も見えてくる。
ということがわかるストーリー。
それにしても、
「社会」とは残酷な一面を持っている。
その一面と向き合う力があるのかどうか。
子どもと大人の間にいる
中学生高校生にも読んでほしい。
内容紹介・出版社より
やあ.よかったら,ここにおいでよ.気に入ったら,ここが君の席だよ.
吉野源三郎の名作『君たちはどう生きるか』
(1937年8月,日中戦争開始直後に発行)の主人公にちなんで
「コペル」と呼ばれる14歳の僕.
ある朝,染織家の叔父ノボちゃんがやって来て,
学校に行くのをやめた親友ユージンに会いに行くことに…….
そこから始まるかけがえのない1日の物語.
吉野源三郎の「コペル」から約80年.再び戦争の足音が聞えるこの時代に,
梨木香歩の「コペル」がわれわれに問いかける――
「僕は,そして僕たちはどう生きるか」.
キリフリもこういう群れでありたい。
本文より
↓
「そう、人が生きるために、群れは必要だ。強制や糾弾のない、
許し合える、ゆるやかで温かい絆の群れが。
人が一人になることも了解してくれる、離れていくことも認めてくれる、
けど、いつでも迎えてくれる、
そんな「いい加減」の群れ。
はからずもあのときあの場で、オーストラリア人のマークや、
ノボちゃんや、ショウコやユージンや僕が、
「つくっていた群れ」は、そういう類のものだった。
けれど、そういう「群れへの体温」みたいなものを必要としている人に、
いざ、出会ったら、ときを逸せず、すぐさま迷わず、この言葉を言う力を、
自分につけるために、僕は、考え続けて、生きていく。
やあ。
よかったら、ここにおいでよ。
気に入ったら、
ここが君の席だよ。