連休中の思いがけない事故 | 救急医の戯言

救急医の戯言

元呼吸器内科医であった救命医が、患者として2回手術を受けたこと、最近の医療について思うことを思いつくまま書いてみました。

 

 連休中の午後の救急室に、慌ただしく救急車が滑り込んできた。

患者は40代の女性だ。都会から実家に帰省中、夫と小学生低学年の息子と一緒にマレットゴルフを楽しんでいたそうだ。

 息子さんが振ったスティックが目に直撃したとのこと。片目は真っ黒で何も見えないと言っている。閉じた瞼を強引に明けてみると、そこには既に眼球とは言えない真っ赤なボール状のものがあり、おそらくは白目(眼球結膜)にあたる部分に明らかに裂け目があった。

 眼球破裂だ。

 眼科の先生を直ちに呼び、対応していただいたが、当院では処置不能とのことで大学病院に搬送となった。

 多分、視力を取り戻すことはできないだろう。眼球も残せるかどうか?

 

 思いがけないトラブルというのは、残念ながら起きる。

 

 日頃、散歩している途中で立ち寄る公園も、休みの日は、たくさんの人で賑わっている。

気になるのは、バトミントンをしている人たちだ。シャトルは思わぬ方向に飛んでいくが、素人はそれほどシャトルのスピードがないので一生懸命追いかけ、シャトルを打ちに行く。

周りにどんな人がいるか、

まあ、目には入っていないだろう。

危険極まりない。

 マレットのスティック事件と似たようなことが起こるリスクは大きいなあ、と思いながらその場を去った。

 町で整備した公園なので、どんな使い方をしてよいか、いけないか、想像力を持って一定の規制をしたほうが良いとは思うが、、、

 今度、それとなく提言してみようか、柄ではないが。

 

 とにかく、この連休中の救急室は、不慮の怪我が多い。連休では年中行事だが。