先日の自民党の会議で、各務原市の市街化調整区域にある既存集落にお住まいの方から、切実なご要望をいただきました。
「家を売りたくても売れない。買う人がいても建て替えができない。」
市街化調整区域の制度が、結果として、人口減少を導き、空き家を増やしているのではないかという問題です。
市街化調整区域は、無秩序な市街地の拡大を防ぐために設けられた制度です。その理念は重要であり、むやみに開発を認めるべきではありません。
しかし現場では、別の問題が起きています。
市街化調整区域で進む
「静かな空き家化」
既存集落では
・高齢化
・相続
・転出
などにより、住宅が空き家になるケースが増えています。
ところが市街化調整区域では、所有者が変わると住宅の建替えが難しくなる場合があるため、
・売りたくても売れない
・買いたくても建て替えできない
という状況が生まれています。
その結果、住める宅地が使われないまま放置されるという、本来の制度趣旨とは逆の現象が起きています。
既存集落の多くは、
・道路
・上下水道
・電気
・消防、防災体制
といった生活インフラがすでに整っています。
つまり、新たに山林を開発するよりも、既存の宅地を活用する方がはるかに合理的です。
それにもかかわらず、制度の運用によって住宅の更新が進まないのであれば、地域にとって大きな損失だと感じます。
参考になる愛知県の運用
参考になるのが隣の愛知県の取り組みです。
愛知県では、都市計画法第34条の運用基準や開発審査会基準を整理し、
・分家住宅
・既存建築物の建替え
・既存集落内の自己用住宅
などについて、許可対象として明確に位置付けています。
このため、線引き以前から住宅地として利用されてきた場所や既存集落では、所有者が変わっても条件を満たせば建替えが可能という運用が行われています。
結果として、宅地としての売買が成立しやすく、住宅の更新も進みやすくなっています。
守るべきは「線引き」だけではない
市街化調整区域の制度は、高度経済成長期の都市拡大を背景に整備されたものです。しかし現在の大きな課題は、人口減少と空き家問題です。
ルールを守ることはもちろん重要ですが、ルールが地域の衰退を招いてしまっては本末転倒です。
無秩序な開発は認めるべきではありません。
しかし、
・既存集落
・既存宅地
・生活インフラが整った場所
については、所有者が変わっても住宅の建替えや再利用が可能となる仕組みを検討する必要があるのではないでしょうか。
人口減少時代のまちづくりは、「新しく作ること」より「今あるものを活かすこと」です。
既存集落の暮らしを守り、地域を次の世代につないでいくためにも、市街化調整区域の運用について、今後さらに研究を深めていきたいと思います。