いや、貧乏性だからこそ合理主義者になってしまったと言うべきか。
無駄な動きをしたくない。
どうせ動くなら、いくつか用事を済ませたい。
コーヒーを飲みながら、家計簿をつけていたとする。
イスから立ち上がる前に、頭の中でやることをリストアップする。
ペンや電卓を片付ける、マグカップを洗う、ついでにお湯を沸かそう。
流れの中で出来ることを考える。
更に、乾いた皿をしまったりできたら最高。
これが若い頃はスムーズにいった。
3~4項目は当たり前、何なら途中で気づいたことを追加しちゃったりして。
ところが最近は、リストアップした内容が全部こなせない。
どうしても1つ2つ、抜けてしまう。
でも、すっぽ抜けるだけならまだいい。
下手すると、マグカップを洗って、お湯を沸かして、皿をしまってイスに戻ると、家計簿セット一式がテーブルに残ったまま。
そもそもの目的がそのまま…
結局、導線から外れた動きをするハメになる。
合理的どころか、むしろ二度手間。
悲しくて空しい。
この間友達と銀座でランチした時に(あたしだって時にはオシャレなこともするのです)、たまたま安く手に入った花椒。
さっそく使ってみようと、張り切って豚ブロックを購入。
じっくり塩茹でしてからカットして、中華ベースのソースをたっぷり絡める。
簡単、チャーシュー風。

我ながら良い仕上がり。
オイスターソースのコクが出て、ビールにも焼酎にもよく合う。
ちょっと幸せなディナーのひととき。
…って、おい!
花椒、入れ忘れてんじゃん。
幸せ気分が一転、ぶつけようのない怒りでいっぱいになる。
こんな自分にがっかり。
もはや、ただの忘れっぽい貧乏性。