自信みなぎるダンディーおじ様、知的好奇心溢れる博識おじ様、余裕たっぷりジェントルおじ様etc.
世の中には絵に描いたようなおじ様が存在していて、ほんのわずかな確率ながら、そういう方と出会えるチャンスもあるんですって。
一緒いれば、極上の時間を過ごせて…
これまでの人生で会ったことも見たこともないから、あたし的には都市伝説だと思ってるんだけど。
確かに、ハイスペックおじ様には憧れる。
でもあたしが好きなのは、素敵系よりも自分に身近なチャーミング系。
ほんわかムードの癒しおじさん、ちょっと抜けてるおっちょこちょいおじさん、お腹ぽっこりぬいぐるみおじさんetc.
気取っていても何かが足りない、とっておきのトリビアは若干時代遅れ、慣れないレディーファーストに自分が照れちゃう。
そんな、どこにでもいるようなおじさんにこそ、愛情ビームが出まくってしまう。
ただし、当のおじさんは、決してそのポジションを狙っているわけではない。
むしろ、いつも・いつまでも、格好良くいたいと考えているらしい。

ジムで息を切らしながらカラダを鍛える。
名品の歴史や価値を前に熱弁をふるう。
どうでもいいところで若者と張り合う。
何とも可愛らしいではないか。
微笑ましい努力に、頬を緩ませながら読む。
ところが、持ち物への強いこだわりが見えてきた辺りから、雲行きが怪しくなってくる。
時計、靴、コート、バッグ、財布etc.
リストにあがってくるブランドが、つきのわさんの好みとカブっている。
全く興味がないのにウンチクを聞かされた日々、購入までに費やした下調べと下見の時間、手に入ってからのニヤニヤ顔…
思い出しただけでもイライラする。
おじさんを愛でるには、どうやら適度な距離感が必要なようです。