11月12日、曇り | 熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

モンチッチのようなヨメが、ツキノワグマのようなダンさまとのゆる~りとした日常を綴ります。
果たして熊と猿は仲がいいのか悪いのか…。
今日も中年夫婦はとことんマイペースに暮らします。

色んなことがマイナス方向へ引っ張られてしまった時に、自分を取り戻す方法。
人それぞれ、色んなやり方があると思う。

あらゆる場面であたしを慰めてきてくれたのは食べ物。
イライラを抑えてくれたのは、甘い物とそれに相性ぴったりの飲み物。
沈んだ心を元気にしてくれたのは、炊きたてのコメと、大好物のおかず。

だけど残念ながら、食欲で気持ちが満たされるのはほんの一瞬。
一気に高揚する分、再び空腹を覚えた時のしょんぼり感がすごい。
できるだけ、幸せは長持ちする方がいい。

ふさいでいると、普段とは違う行動をとってしまいがち。
訳のわからない買い物をしたり、必要以上に強い口調で怒ったり…
なぜあんなことをしてしまったのか。
すぐに後悔して、落ち込む。

やり場のないドロドロした感情が、他人との比較で浄化される。
そんな風に時折、開眼するかのように救いの手が入ることがある。
SNSで誰かの暮らしっぷりを覗いてアラを探すとか、有名人のヒエラルキーを調べてほくそ笑むとか、何もそういう話をしているわけではない。
あたしを助けてくれるのは、むしろ好きな人。

人間関係で嫌気がさしている時、友達が同等以上のごちゃごちゃに巻き込まれていることを知り、妙に勇気を得たことがある。
むしゃくしゃして当たりどころがわからない時、尊敬する作家さんが家族とモメてるのを知り、妙にホッとしたことがある。
こんなに素敵な言葉を生み出す人でさえも、あたしと悩みは変わらないんだ。
立派な賞をもらっていたって、普段の姿はあたしと大差ないんだ。

飾らない自分を見せてもらうと、すごく安心する。
内蔵から温まる感じ。
大好きな人のエッセイは、効果が長持ちする幸せの福袋。

どうやらあたしは、ちょっと抜けてる人に共感して、並々ならぬ好意を寄せてしまうらしい。
残念ながら、文才には圧倒的な差がついてるんだけど。