それが旅行となれば尚更で、もう強迫観念とでも言えるほど、確実に楽しまなければいけないと考えてしまう。
ハズレを引きたくないから、絶対に間違いのない場所に行きたい。
そんな時指標となるのが、最古の◯◯とか、◯◯生誕の地とか、パワースポット等のキーワード。
旅慣れた人にオススメされたら、何の迷いもなく立ち寄りスポットに加える。
ましてや世界遺産なんて聞いた日には、歴史的背景や価値もわからないまま突撃して、世界基準を知った気になっている。

ひとくちに有名観光地や世界遺産と言っても、そこにはベテランと新人が存在する。
ベテランというのは、京都やパリのように疑いようのないポジションを確立しているところ。
昔からの景観を残すという役割をしっかり認識していて、20年後に訪れても同じ感動を味わえるだろう場所。
対する新人には、自覚と準備が追い付いていないことが多い。
その結果、早急に策を打ち出さなければいけなくなり、こちらの希望と違う方向に進んでしまう場合がある。
この傾向は、東南アジアの国々でしばし見受けられる。
突然の人気に、やれホテルだ空港だレストランだと、慌てて建設ラッシュ。
発展の影に、古き良き風景が壊されてしまうことがある。
アジア最後の秘境といわれるミャンマー。
変わりゆく姿を見届けてきた友人。
大興奮の思い出話と共に渡された土産、ガーリック味のピーナッツ。
食べるのを躊躇うほどのニンニク臭。
観光先進国にはないような、気遣いゼロの下品ともいえる味。
だけど、これが堪らない!
やめられない、止まらない。

風味を活かして、エスニックな炒め物。
まだ見ぬ土地のはずなのに、なぜだかほんのり懐かしくてノスタルジーを誘う。
どうか10年先も、この味が残っていますように。