垣谷美雨
高校時代からの仲良し3人娘。
かつては同じ団地に住み、同じ部活で切磋琢磨した仲間。
いつしか友は家族と共に団地を離れ、それぞれの環境は変わっていく。
成長も変化もないのはあたしだけだと、嘆く主人公。
団地と同じく、自分もどんどん寂れていく。
そんな中、仲間の元カレと急速に親密になる。
今まで周りにいなかった、育ちも家柄も振る舞いもバッチリな男。
ようやく、運が向いてきたのか…
シンデレラストーリーかと思って読んでいたら、どんどんホラーになってくる。
自分の幸せのためなら、手段なんて選んでいられない。
怖い。
他人と比べることを禁じられて育ったあたしには、理解できない心境。
バービー人形もファミコンもポケベルも(みんなが持っているからという理由では)買ってもらえなくて、いっぱい窮屈な思いをしたなぁ。
でもあの時鍛えられたから、誰かと比較して、悲観したり嫉妬したりしなくなったんだろうな。
多少変わり者と言われても、あたしにはあたしの幸せの尺度がある。
幸せは自分勝手でいい。
52、シウマイの丸かじり
東海林さだお
相変わらず、良く食べるおじいちゃん。
衰え知らずの好奇心は、エライを通り越して呆れる(褒めてます)。
しばらく新刊が途絶えていて、イヤな予感…と思っていたら、ガンだったなんて。
それでも、好きなモノは好き。
誰に頼まれるワケでもなく、色んなスポットへ出かけたり、新しい店に飛び込んだり。
あたしみたいな精神的ケチンボには、考えられない冒険。
唯一の欲、"食欲"だからこそ、どうしても失敗したくない(特に外食は)。
たとえ経費が降りたとしても、旨さが保証されている所でないと出かけたくないし、クチにしたくない。
損した気分になっちゃうんだもん。
やらかし体験は笑いに変えられるけど、やらかし飲食に関しては全く笑えない。
年齢を重ねれば重ねるほど、食へのこだわりが強くなっていく。
高級品や有名店を求めてるワケではないんです。
ただただ、あたしの脳を満足させたい!
そして、ますます頑固になっていく。
もっとあたしに余裕があれば、違う楽しみ方もできるかもしれないのに…
コレが、懐の違いなのね。

