今週の読書 12th week | 熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

モンチッチのようなヨメが、ツキノワグマのようなダンさまとのゆる~りとした日常を綴ります。
果たして熊と猿は仲がいいのか悪いのか…。
今日も中年夫婦はとことんマイペースに暮らします。


23、とっぴんぱらりの風太郎 下
万城目学

上巻後半から高まった緊張感が、どんどん迫力を増してくる。
教科書の中でしか見ることのなかった"豊臣"とか"徳川"なんて文字が、色鮮やかに迫ってくる。
生きるか死ぬかの世界にいるからなのか、他の万城目ワールドの主役達より、風太郎がすごく格好よく見える。
あんなにチャランポランだった風太郎なのに!
ラストは決して止まることのない、全力疾走。
いつもの、ワクワク感+おトボケ感を想像していただけに、何だか良い意味で期待を裏切られた。
内容とは関係ないけど、表紙を見てルイヴィトンを思い出すのは、あたしだけだろうか。



24、春になったら苺を摘みに
梨木香歩

誰にでも、自分に合う土地っていうのがあるんじゃないかな。
"居場所"って言えばいいのかな。
初めて訪れるのに懐かしいとか、現地の人の話し方が耳に心地良いとか、気候や食べ物が抜群に好みとか…
あるいは、言葉にするのは難しいけど五感がココだ!と言っているような気がするとか…
梨木さんにとっての、そんな場所がイギリスの田舎町。
そこで暮らす人々や、そこにいる自分が好きなんだと思う。
そういう土地を見つけられたことはとても幸せで、そんな場所に行けることがとても羨ましい。
今あたしがいる所は、あたしの居場所ではない。
ココにいるあたしが、あたしは好きじゃないから。
住宅ローン、二世帯住宅、長男の嫁…
色んなしがらみ棄てて、早くあたしが見つけたあの離島に行きたい。