
約10年前。
ファンキーな上司と働いていました。
思考や行動が独特で、社内でも若干浮いた存在。
スピリチュアル系のことが好きというか得意で、何かにつけて知識や霊感的なモノを見せてくれていました。
そんな彼女に、あなたにはパワーを感じる
と言われたちゃんこーまい。
コイツ正気か!?と一瞬おののいたものの、よくよく考えると思い当たるフシがないでもない。
そう言えば…
河原で行進するような足音を聞いたと思ったら、昔兵隊さんが訓練してた場所だったとか。
友達の家でおばあちゃんの生首のような影を見たと思ったら、その翌日に突然亡くなったとか。
あれこれエピソードトークに、そういうことよ!と言い切った元上司。
そんな断言に、あたしってそういう人だったのね!とうなずく元部下。
どっちもどっち。
陰陽師
夢枕獏
城に従事する主人公が、妖や霊・怪奇現象をスマートにさばいていく物語。
掴みどころのない主人公・安倍晴明と、裏表のない友人・源博雅。
ビジュアル系男子と、ガテン系男子とでも言いましょうか。
繊細と無骨。
対比が小気味良い。
平安という時代が醸し出す雰囲気。
アヤしくて艶っぽくて、絵巻を広げているような気分になります。
ようよう、晴明さん。
世が世なら、あたしがライバルだったかもしれないんだぜ。
なんせ、そういう人だからさ。
って、幽霊は性欲が強いのなんて考えてるヤツに、そんな力あるわけないか。
だったらイギリス行って、魔女養成学校にでも通おうかな(そんな所があるらしいとは元上司の弁)。
陰陽師or魔女…
さぁあたし、どっちを選ぶ!?
だから、どっちにもなれねーよ!