No.39 夢枕獏 | 熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

モンチッチのようなヨメが、ツキノワグマのようなダンさまとのゆる~りとした日常を綴ります。
果たして熊と猿は仲がいいのか悪いのか…。
今日も中年夫婦はとことんマイペースに暮らします。



約10年前。
ファンキーな上司と働いていました。


思考や行動が独特で、社内でも若干浮いた存在。

スピリチュアル系のことが好きというか得意で、何かにつけて知識や霊感的なモノを見せてくれていました。


そんな彼女に、あなたにはパワーを感じる
と言われたちゃんこーまい。

コイツ正気か!?と一瞬おののいたものの、よくよく考えると思い当たるフシがないでもない。

そう言えば…
河原で行進するような足音を聞いたと思ったら、昔兵隊さんが訓練してた場所だったとか。
友達の家でおばあちゃんの生首のような影を見たと思ったら、その翌日に突然亡くなったとか。


あれこれエピソードトークに、そういうことよ!と言い切った元上司。

そんな断言に、あたしってそういう人だったのね!とうなずく元部下。


どっちもどっち。


陰陽師
夢枕獏


城に従事する主人公が、妖や霊・怪奇現象をスマートにさばいていく物語。


掴みどころのない主人公・安倍晴明と、裏表のない友人・源博雅。
ビジュアル系男子と、ガテン系男子とでも言いましょうか。
繊細と無骨。
対比が小気味良い。


平安という時代が醸し出す雰囲気。
アヤしくて艶っぽくて、絵巻を広げているような気分になります。



ようよう、晴明さん。
世が世なら、あたしがライバルだったかもしれないんだぜ。

なんせ、そういう人だからさ。


って、幽霊は性欲が強いのなんて考えてるヤツに、そんな力あるわけないか。



だったらイギリス行って、魔女養成学校にでも通おうかな(そんな所があるらしいとは元上司の弁)。



陰陽師or魔女…
さぁあたし、どっちを選ぶ!?


だから、どっちにもなれねーよ!