
昔から推理小説が好きです。
妄想有段者には、先を予想してハラハラドキドキするのが楽しいのです。
西村京太郎・山村美紗・内田康夫など、高校生の頃によく読んだものです。
父の影響とは言え、ちょっと渋いラインナップですね。
自分の能力を差し置いて、才能のある人にすぐ嫉妬します。
特に、素敵な文章を書く人に。
それが大先輩なら素直に受け入れられるのですが、年齢が近いと途端にキーッとなります。
全くお門違いなジェラシーです。
そんなわけで、アラサー・アラフォー作家を避けて人生を過ごしてきました。
しかし、様々な書評を読んで反省したのです。
角田光代さんも平松洋子さんも三浦しをんさんも、扱ってるジャンル広い!年齢層厚い!
ライバルとも言える他の作家の作品を、素直に褒めています。
良い文章は、良い人格から生まれるのですね。
一念発起し、ストップ読まず嫌い!を宣言しました。
陽気なギャングが地球をまわす
伊坂幸太郎
ひとつ大人になったからこそ出会えた作家のひとり。
お得意の、主な登場人物達を時系列で追いかけていく進行。
まるでオムニバス映画を観ているような気分で楽しい。
その頃こいつは…みたいな展開を、ズバリ予想出来ていた時の快感といったらありまりません。
テンポがまた気持ちいいんですよね。
相手を小気味良く出し抜いてくれる爽快感も好きです。
音楽とか服装を頭に描きやすいというのは、同年代ならではですね。
もうひとつ、利点に気づきました。
若手作家だと、まだまだ次回作が期待できる。
おじいちゃま・おばあちゃま作家様の、あ~とうとうこの時が!に怯えずに済むのです。