No.9 伊坂幸太郎 | 熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

熊猿の仲 ~ゆうえんのなか~

モンチッチのようなヨメが、ツキノワグマのようなダンさまとのゆる~りとした日常を綴ります。
果たして熊と猿は仲がいいのか悪いのか…。
今日も中年夫婦はとことんマイペースに暮らします。



昔から推理小説が好きです。

妄想有段者には、先を予想してハラハラドキドキするのが楽しいのです。

西村京太郎・山村美紗・内田康夫など、高校生の頃によく読んだものです。
父の影響とは言え、ちょっと渋いラインナップですね。


自分の能力を差し置いて、才能のある人にすぐ嫉妬します。
特に、素敵な文章を書く人に。

それが大先輩なら素直に受け入れられるのですが、年齢が近いと途端にキーッとなります。
全くお門違いなジェラシーです。


そんなわけで、アラサー・アラフォー作家を避けて人生を過ごしてきました。

しかし、様々な書評を読んで反省したのです。

角田光代さんも平松洋子さんも三浦しをんさんも、扱ってるジャンル広い!年齢層厚い!
ライバルとも言える他の作家の作品を、素直に褒めています。

良い文章は、良い人格から生まれるのですね。

一念発起し、ストップ読まず嫌い!を宣言しました。


陽気なギャングが地球をまわす
伊坂幸太郎


ひとつ大人になったからこそ出会えた作家のひとり。

お得意の、主な登場人物達を時系列で追いかけていく進行。
まるでオムニバス映画を観ているような気分で楽しい。

その頃こいつは…みたいな展開を、ズバリ予想出来ていた時の快感といったらありまりません。


テンポがまた気持ちいいんですよね。
相手を小気味良く出し抜いてくれる爽快感も好きです。

音楽とか服装を頭に描きやすいというのは、同年代ならではですね。


もうひとつ、利点に気づきました。
若手作家だと、まだまだ次回作が期待できる。

おじいちゃま・おばあちゃま作家様の、あ~とうとうこの時が!に怯えずに済むのです。