クローズアップ現代+ まん延する“隠れブラック企業”~密着 特別対策班~ 特徴や見分け方 | テツになる勇気。

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テツってのはね、乗ってりゃいいってモンじゃない。撮ってりゃイイってもんでもない。スジって一人でニヤけていたら通報寸前w。
そう、テツってのは、語ってナンボなのよ(マジかっ

クロ現、久しぶりに見ました。そういえば国谷さん降板してたんですね、そういえば一時期ゴタゴタしてたな、、、

 

クロ現はドキュメンタリー番組の中では放送時間も短いので、手軽に見れるところが好きではです。

ただ、番組中2回訪れるゲストとのやり取りが正直時間の無駄というか、そこがちょっとイヤですね。会話がどうしても、事前に流れたVTRをなぞる程度の内容になりがちだし、1:1のサシのやりとりですから、なんというか客観性にも乏しいというかなんというか。一人の評論家さんの意見をただただ聞かなくちゃいけない。そのあたりがちょっとペケですね。

 

あんまり「意見」は聞きたくない、VTRでまとめられた「事実」だけ見てあとは自分で解釈したい、と思うのは、私がよほどのメディア嫌い故なのかもしれませんがww

 

で、内容はブラック企業。しかも、「隠れ」がついた、表向きホワイト企業の実態に迫るということで、そりゃーサラリーマンですから興味は湧きますよね。

 

ただ、一通り見終えての率直な感想は、ずいぶん無難な結論に終わってるなと。

おおよその流れはこうでした。

 

数々の行政指導を受けた反省から、時短推進、休暇取得向上など、労働環境の改善を図ったある企業。

しかし改善が見られず、強制捜査。過重労働の隠ぺいが発覚し、会社と店長を書類送検。

実態は、現場は人手不足で残業せざるを得ない。時短推進等本部の呼びかけなど、実情にまったく則していない。人材不足への充当と、本部要求への呼応が虚偽報告に繋がった。

 

という流れです。まあ、いちいち振り返らなくても、ほとんどの会社員の方なら当たり前に知っている現状ではありますね。クロ現がこれに対し、どういう道筋を見出すのか、その点がちょっとだけ興味ありました。が、結論は「残業の見える化」とか「仕事の効率を上げる」とかいう取組をしている企業の事例を紹介し、あげくに「1企業で解決できる問題ではないので、業界全体で取り組む必要がある」とか、うーんなんか焦点ぜんぜん絞られてないっすね。

 

だいたい、仕組みを作っても抜け穴があってペナルティを受けた事例を最初に紹介しておきながら、結論が「仕組みを作る、キリッ」。でいいの?とか。論理の収束を逃げたね、って感じの番組でした。申し訳ないけど。

 

あげくの果てには、本部の言う時短推進を現場で「勝手に」破ることを問題視して、現場の意識改善を図るとかいう経営側の考えをドヤ顔でコメントしてましたが。現場の意識改善で人手不足がなんとかなるんですかね?どうでしょう?現場が意識を変えて、人がいない日は臨時休業にしていいと言うのであれば話分かりますけどね。いやもう酷い結論でした。

 

確かに、この結論はぱっと出せる問題じゃあないと思いますよ。1番組が颯爽と最良の答えを出せる問題じゃあないと思います。そう分かってても、この問題を取り上げた姿勢は評価に値すると思います。

 

現場の意識、で言えば、休むべきときに休まない。それが当たり前になってしまっていることは確かに問題と思います。コンビニ、スーパー、様々なサービス業。休日はもとより、盆暮れ正月も営業しているのが当たり前になりました。店頭が動けば、働くのは売り子さんだけじゃありません。そのバックヤード、物流も動きます。もはや、「休み」の日も働くのがトレンドになっています。

 

そもそもそこを変えて、休みの日はみんなで休む、盆暮れ正月はどの店舗もシャッターを閉めてるみたいな昭和50年代レベルの生活水準に僕ら全員が落ちていかないと、とてもこの「過剰」サービスによる過重労働は無くならないかと。これは民間じゃ無理です。抜け駆けする奴が絶対出るから。だから、政府が規制しないと。

 

とはいえ、経済成長を取るのか、国民の健康を取るのか。ここも難しい。そのあたりの判断基準に繋げられる幸福度指数と経済活動の連動性とか、そういったデータ分析値を結論に持ってきたりしてくれると、経済成長と国民の健康が実は二者択一ではないという理屈に繋がるかも知れず、政策提言になったかもしれないのに。そういった結論をだしてくれてたら、ホウホウとうなずいてみることができました。

 

とどのつまり、ブラック企業の諸悪は、そこに社会的なニーズがあるからに他ならないわけで。ブラック企業の特徴や見分け方を駆使して見抜くとか、あまり意味がないかもしれません。

 

ともあれ、健康管理は少なくとも会社はしてくれんので、自分でせないけませんよ今のとこ。

ということが、サラリーマンである我々への、番組からのメッセージでしょう。

という結論で、受け止めておきましょうか。